「王子様」が嫌いな女子はいないでしょ!オススメ漫画５選41 Pt.

清家雅臣は四文字熟語の似合う男子である。女子がざわめくほど容姿端麗で、全国模試で1位、部活動では弓道の全国大会で優勝という、文武両道。おまけに生徒会活動もしており、人当たりが良く周囲からの信頼も厚いという、品行方正っぷり。周囲の女生徒から「王子様」と呼ばれるに恥じないスペックの持ち主だが、契約上の妻である絹子とのやりとりでは、その王子様らしさも少々崩れる。年齢差は7歳だが、絹子の言動が少々自分本位で、趣味に走っているせいか、実際の歳ほどの差は感じられない。絹子は少女漫画の恋愛に憧れているという、生粋の乙女思考の持ち主であるため、雅臣に漫画的行動を求めることが多く、雅臣は振り回されがちだ。絹子とのやりとりでは普通の少年らしさが見えるが、雅臣の王子様らしさは、向上心に起因しているのだろうと思われる。同居生活を経て、本当に王子と呼ばれるにふさわしい男になれるか、真価が問われる。

本作の主人公は青春学園中等部1年生、ルーキーとして注目を集めることとなる越前リョーマである。クールな性格とストレートな物言いに加え、口元には不敵な笑み。ズバ抜けたテニスセンスを持っており、作中でも高い実力を発揮している。タイトルの「王子様」とはリョーマを示すのかといえば、彼もそのうちの一人というのが正しい答えではないだろうか。本作には驚くほど沢山のテニスに打ち込む少年、「王子様」たちが登場する。舞台が中学生の部活動テニスなので当然なのだが、1校ごとに10人近く登場。各々が個性的なプレイスタイルをしており、被ることがほぼ無いというのが驚きだ。必殺の技を駆使し、試合に臨む姿には、胸が高鳴ると同時に手に汗を握ってしまう。とにかくキャラクターが多いので、リョーマや青春学園の仲間たちだけではなく、他校の生徒の中からも、気に入った王子様を発見することができるだろう。テニスに打ち込む王子様たちを応援したくなる。

本作に登場する「王子」は、家が大金持ちの高校生・至。大企業・乃木グループの跡取りという立場もあってか、一般常識とは少し外れた言動をし、そこが天真爛漫とも、傍若無人ともとれる人物だ。偶然出会った敦子と自身の容姿が瓜二つだったことを利用して、至自身は失踪。敦子が至の代わりに乃木グループの跡取り息子である「王子」至を演じることになってしまう。男装してもバレるのではと思うところだが、敦子は元々少女らしい華やかさに欠けるため、違和感は皆無。あまり動かない表情と、クールな言動もあってか、表情豊かで無邪気な部分もあった至よりも王子様然とした様子を見せている。敦子は学年トップの成績を維持する秀才だが、マナー関連はからっきしで、その習得には特に苦労している様子だ。人から必要とされたい、という思いを強く抱いているからこそ、努力する姿が健気で胸を締め付けられる。純粋で素直で、だけどちょっとクールな男装王子の奮闘を見守りたい。

サン＝テグジュペリの『星の王子さま』といえば、全世界の人が知る有名作品だ。不思議な世界観を持った児童文学ではあるものの、大人に向けた示唆や名言などもあり、幅広い年齢の読者に愛されている。その名作を翻案してコミカライズしたのが本作なのだが、作者は漫☆画太郎。漫画好きは作者名を見ただけである程度察するところがあるだろう。そう、本作は普通のコミカライズではない。漫☆画太郎流『星の王子さま』というのが正しい。王子様は全裸で登場するのだが、やはり画太郎作品なので、当然のごとく鼻水もよだれも垂れている。ヒツジの絵を描いてほしいと言って暴れ、巨大な斧を振り回し、飛行機や男の左足も切断してしまうなど、行動は異常なまでに自分勝手で狂暴だ。普段はふわふわの髪が可愛らしく、笑顔も天使のように見えるだろう。が、騙されてはいけない。やっぱりまた斧を振り回すし、無茶ぶりをするなど、我が道を歩み続ける。完全に振り回されている男の運命やいかに。王子よ、手加減してあげてくれと言いたくなってしまう。

颯太は街を歩けば芸能事務所にスカウトされ、男女問わず視線を引き寄せてしまうほどの美貌の持ち主だ。可愛らしい容姿に反することなく、りずに対して度を越した甘えぶりを見せる。関係性は王子と従者のようでもあるのだが、高校生になっても食事を食べさせてあげる姿には驚愕するだろう。しかし、颯太の本性を知ってしまえば、どことなく納得できてしまう。そう、実際の颯太は男らしくワイルドささえ感じられる男子だったのだ。普段の小悪魔系と、本性を見せたときとのギャップは相当なもので、実は双子の兄弟がいるのでは、などと疑いたくなるほどだ。しかし、りずが他の男子を気にかけているとき、自分以外に関心を向けているときなどに見せる真顔を見ると、同一人物であると納得することができる。男らしい本性を隠し、りずにべったり甘えている颯太が何を思っているのかは、序盤では明かされない。しかし、りずに対する愛情は疑う余地もないだろう。ギャップが激しすぎる王子の恋心にニヤリとする。