刀鍛冶を目指す少女の奮闘を描いた青春ストーリー漫画。ある一振りの刀と出逢い、日本刀に魅入られた少女・かなみ。彼女は刀鍛冶になりたい一心で大学の推薦入試を蹴り、周囲の反対を押し切って新幹線で奈良へと向かった。何故奈良に向かったかというと、理由は一つ。そこにはかなみが魅入られた刀を打った刀鍛冶・清音(すがね)親方がいたのだ。かなみは清音親方に会い、自分を弟子にしてほしいと頼み込むが、事はそう簡単には運ばなかった。
かなみが日本刀と出逢ったのは16歳のとき。急逝した父親の趣味が日本刀鑑賞であったことを知り、父の気配を辿ろうと刀剣鑑賞会に出席したことがきっかけだった。生まれて初めて日本刀を手に取り、その刀身を見つめた瞬間、かなみは大きな衝撃を受ける。刀の中に美しい景色が見え、涙が出るほど感動したのだ。その刀を打ったのが、奈良に工房を構えている清音親方。かなみは、あの日刀の中に見た景色を自分のものにしたいと思い、強い覚悟で奈良へ赴いた。しかし、清音親方はかなみの決意は買うものの、弟子にはできないと言う。女が刀鍛冶になるのは、本当に難しいことなのだ。かなみは清音親方に弟子入りし、夢を叶えることができるのか。一人の少女の夢の行方を見届けてほしい。
特殊能力を持った少年が様々な刀や人と出逢い成長していく、刀研ぎ職人奇譚。主人公は高校生・成川滉(なりかわあきら)。彼の実家は鎌倉時代から刀鍛冶を生業としており、滉自身も刀研ぎ師として働いている。彼は生まれつき刀に宿る魂を目視することができ、さらには触れ合うこともできるという特殊な能力を持っていた。その能力ゆえに刀たちから好かれる一方、刀を巡ったトラブルに巻き込まれ大変な目に遭うこともしばしば。数々の困難をくぐり抜け、滉は刀研ぎ師として成長していく。
名刀や妖刀、どんな刀にも魂が宿っており、人や獣の姿を持っている。その魂のことを「刀の魂魄(こんぱく)」と呼ぶのだが、滉は生まれつき刀の魂魄が見え、彼らと交流することができた。滉が刀に触れると、刀に宿った凶暴性が鎮まって優しくなる。彼の才能に気づいている祖父からは、良い刀鍛冶になれると期待されているが、滉自身は刀を研ぐことは好きなものの、刀鍛冶になる気はあまりない。家が刀剣を扱う仕事をしていたせいで、周囲から敬遠されてきたからだ。しかしその仕事のおかげで刀の魂魄たちとの絆が生まれたことも事実。刀を巡った怪事件に関わっていく中で、滉がどのように成長しどんな未来を選び取っていくのかに注目しよう。作中に出てくる、刀についての豆知識も見逃せない。
怪物になった主人公が自らの過酷な運命に立ち向かっていくダークファンタジー漫画。主人公の少年・緒方凱(がい)は、山中で自殺した母親の傍に捨てられていた子供。彼は刀匠・緒方亜門に拾われ、彼の弟子になっていた。ある日、凱は作刀中の事故で右腕を失くしてしまい、魔刀から作られた義手を装着することになる。しかし、魔を宿した武器をその身に取り込んだ人間は、遅かれ早かれ怪物になる運命だった。凱は自らの運命に抗うべく奮闘する。2018年3月にNetflixでアニメ化。続編に『ソードガイ エヴォルヴ』がある。
失くしたはずの腕の痛みに苦しめられる凱を見た亜門は、神の力を宿す刀「死龍」を義手へと変え、彼に装着することにした。おかげで凱の幻肢痛は治まったが、代わりに「コロセ」という幻聴が彼の頭に響くようになる。そんなある日、亜門の娘であるさやかが兄弟子の辰巳に襲われるという事件が発生。止めようとする凱の前で、辰巳は怪物に姿を変えた。そしてさやかを守ろうとした凱の右腕もまた、異形へと変化する。魔力の宿る特別な武器に魅入られた人間は、理性のない「武装魔(ブソーマ)」という怪物になってしまうのだ。力を制御する術もあるが、制御ができたところでやがて武装魔になってしまうという事実は変わらない。怪物を宿してしまった凱が迎える結末はどのようなものか、自分の目で確認しよう。
女性刀匠が活躍するサスペンス復讐劇。主人公の伊藤鞘香(さやか)は、父親と共に日々名刀を鍛えている刀匠。彼女は大学時代の友人と休暇でハワイ旅行に出かけた。帰国の日、鞘香と友人たちは男2人の喧嘩騒ぎの傍らで、それを見ていた別の男が急にその場で倒れてしまうという現場に居合わせる。不審に思いながらも帰国した鞘香。その2日後、鞘香と共にハワイ旅行を楽しんだ友人の一人が、鞘香が鍛えた日本刀で殺された。鞘香は襲いくる危険と巨大な謎に立ち向かうことになる。
鞘香が男たちの不審な喧嘩を目撃したのは、ハワイの空港でのことだった。男2人が怒鳴り合っているのだが、周囲の注目を集めるほど派手な喧嘩の割にどこか馴れ合っているように見える。人の目を集めてその隙に仲間がスリでも行うのか、そう考えた鞘香の前で、突如一人の男性が倒れた。倒れた男性の背後には、黒スーツ姿の男。その男は姿を消し、倒れた男性は死亡し、死因は心臓発作だと言われたが、鞘香は不審感が拭えない。モヤモヤとした気持ちを抱えたまま帰国した鞘香だったが、そんな彼女の周囲で、友人の殺害をはじめとした数々の事件が起こる。どうやら事件の影にいるのは、空港で見た黒スーツの男らしい。黒スーツの男は何故、鞘香の周囲の人間を殺し、鞘香にまで魔の手を伸ばすのか。謎が謎を呼ぶストーリーを堪能しよう。
元貴族の娘が聖剣を巡る過酷な運命に巻き込まれていく、異世界ファンタジー漫画。主人公のセシリー・キャンベルは、自衛騎士団に所属する元貴族の娘。彼女は祖父と父親から受け継いだ、寿命寸前の古い剣を打ち直してくれる鍛冶屋を探していた。そんなセシリーが出逢ったのが、暴漢を剣の一閃で退ける力を持った謎の鍛冶屋、ルーク・エインズワース。ルークとの出逢いが、セシリーを逃れられない争いへと誘っていく。2009年10月にテレビアニメ化。
かつて「悪魔契約」で喚び出した悪魔を使役し、人々は争った。「代理契約戦争(ヴァルバニル)」と呼ばれるその戦いが終わって44年。悪魔契約は禁忌とされ、世界は一旦の安定を見せている。セシリーはそんな世界に生まれ、騎士となったばかりの少女だった。ある日、セシリーは町で暴れている男を止めようと、祖父と父から受け継いだ剣を使って立ち向かうが、古い剣だったゆえに呆気なく折られてしまう。絶体絶命のピンチを救ったのは、ルークという刀鍛冶だった。ルークの打つ刀に魅せられたセシリーは、新しく自分の刀を打ってほしいと願い出るのだが、金銭的事情で断られてしまう。セシリーはルークに刀を打ってもらえるのか、また2人の間に生まれる恋心にも注目したい作品だ。