思春期の淡い想い！学生「百合」漫画特集オススメ５選190 Pt.

本作では、義理とはいえ姉妹という関係の二人の少女が、同じ屋根の下で暮らす内に特別な感情が芽生えていく様子が描かれている。主人公の柚子は、派手な見た目で気も強いが、恋に関しては初心で料理も得意という一面も持ち合わせている女の子。対する義妹の芽衣は真面目なお嬢様で、生徒会長を務めているが、家の中では柚子に対して性的に絡んでくるなど、小悪魔的存在。しかし、時折寂し気な表情を見せることがあり、それには彼女の父親が深く関係していた。複雑な家庭環境で育った芽衣の心は固く閉ざされていたが、心根が優しい柚子には次第に心を開いていくようになる。義理の姉妹が繰り広げる妖しくも美しいラブストーリーだ。

本作に登場するカップルは、見た目も性格も真逆な二人の女子。主人公の山田が恋心を抱いた相手は、隣のクラスの加瀬。足が速く、女子からの人気も高い加瀬の短距離走のタイムを山田が計ることになったが、スタートボタンを押し忘れるといううっかりミスを犯してしまう。しかし、加瀬はさりげなくフォローし、王子様的な優しさを見せる。最初は山田の方が先に加瀬を意識したように思えたが、物語が展開していくにつれて、実は加瀬の方が先に山田のことを気に入っていたことが明かされる。控えめな性格の山田とボーイッシュで積極的な加瀬は、真逆のタイプだからこそ自分にはない魅力を互いに感じ、惹かれ合っていく。思春期の女子のキラキラとした青春や恋心が、瑞々しい透明感あふれるタッチで描かれている。

本作では生徒会を舞台に二人の少女が人を好きになることについて思い悩み、答えを見出そうとする姿が描かれている。燈子は周囲からは凜としていて格好良い先輩だと思われていた。しかし、実はそれは亡くなった姉・澪（みお）の姿を演じているにすぎず、本来は内向的な少女だったことが明かされる。付き合いだしてからも相変わらず人を好きになる気持ちが解らないままの侑だったが、本来の燈子の姿を知るようになり、彼女に対する想いに変化が表れる。また、文化祭での生徒会による劇の準備を通じて二人は互いに理解を深め合っていく。誰かを特別に想うことについて、流されずにじっくりと向き合う二人の心情が丁寧に掘り下げられており、恋をする意味や尊さについて考えさせられる作品だ。

本作の主人公の女子高生・みみかが好きになった相手は、小学4年生の女の子・柚子森。彼女は透き通るような白い肌で、澄んだ大きな瞳で周囲を一瞬にして魅了してしまうような美少女だ。柚子森の魅力は、その人形のように美しい見た目だけでなく、相手をリードすることができる大人っぽさや精神的強さにもある。性格は至ってクールで、少々のハプニングでは動じず、常に冷静沈着。一方、みみかは高校生でありながらどこか抜けており、頼りなさが漂っている。高校生にとって小学生は幼過ぎて友人候補からは外れそうなものだが、高校生にしては幼いみみかと、小学生にしては大人びている柚子森は相性が良く、互いに足りないものを補い合える良い関係を築いていく。

本作のメインとなるのは、都会から田舎にやってきた転校生の小夏と、水族館部の小雪だ。小夏は両親と離れていることに加え、田舎の学校で周囲に馴染めないことで孤独感を覚えていた。一方、小雪は美人の優等生であり、高嶺の花として周囲から憧れられてはいたが、周囲が自分をイメージでしか見ていないことに寂しさを感じていた。転校生の小夏は、先入観なく素の小雪の姿を見て好感を抱き、一人しか部員がいない水族館部へ入部。小雪は部員が増えたことを喜ぶと同時に、自然体で接することができる彼女に対して特別な感情を抱くようになる。透明感のある繊細な絵柄で心の隙間を埋め合う二人の少女の純粋な想いが描かれ、爽やかな気持ちになれることだろう。