最近雇ったメイドが怪しい

とある田舎屋敷を舞台に、両親を事故で亡くした孤独な小学生男子の悠利と、悠利に雇われたメイドの美女･リリスの何げない日常と交流をメインに、ただの主従だけにはとどまらない関係性と恋愛模様が描かれる。またリリスはただのメイドではなく、なぜか無給で彼に尽くしており、悠利が知らない秘密をいくつも抱えた彼女は、怪しくミステリアスな雰囲気の女性として描写されている。

リリスは大人の女性という立場を利用し、事あるごとに悠利をからかうが、毎回悠利からの予想外の反撃に翻弄されている。しかし、悠利には反撃しているという自覚はまったくなく、ただ素直にリリスへの気持ちを伝えているだけだった。そんな「攻守逆転」ともいえるラブコメディが展開され、不意打ちを食らったリリスが赤面し、黙り込んでしまうのがお約束となっている。悠利がからかわれるときは、1ページすべてを使った大胆なリリスのドアップを用いて、彼女の瞳だけが赤紫色に着色されるなど、独特の描き方で彼女の魅力を表現している。

当初は不明だった、リリスが悠利のもとへやって来た経緯や悠利の過去が判明してからも、二人の不思議な日常と主従関係は続いていく。当初は物語が悠利の屋敷で展開されたが、舞台が悠利の通う学園にまで広がり、さらに悠利の学友、リリスの元同級生などの登場人物も増え、彼らを取り巻く環境も少しずつ変化。そんな中、謎多き美女として描かれるリリスの秘密が明らかになっていくと同時に、彼女をつねに怪しいと感じながらも大切に思う気持ちを悠利は自覚するようになる。