成婚率100パーセントの結婚相談所
「藍野結婚相談所」は、通常とはまったくシステムが異なる変わった結婚相談所である。まず、入会金は200万円で相場の6倍程度の高価な価格設定となっている。小規模な結婚相談所は、大手数社のネットワークに加盟し会員の情報を共有しているが、「藍野結婚相談所」は海外も含め100か所以上に加盟している。高額な入会金はその経費だという。また、会員は恋愛禁止という変わった規定がある。これは「恋愛感情は冷静に相手を選ぶには邪魔」という理由からである。そのため、会員は相手と直接会うこともなく、テレビ電話で話をすることになる。そんな風変わりな相談所ながら成婚率100パーセントを謳い、所長の藍野は適格な結婚相手を引き合わせる。
生物になぞらえたストーリー
主人公の藍野は元動物学者であり、作中には昆虫や動物のうんちくが数多く描かれている。また、各話は「クロゴキブリ婚」「ショウドウツバメ婚」など、生物の名前が付けられており、ストーリーに深く関係している。例えば、クロゴキブリは迷路実験で「試行と失敗を繰り返し正しい道を選ぶ」能力が高いが、「クロゴキブリ婚」の依頼主もやはり試行錯誤で幸せを掴む。また、「ショウドウツバメ婚」の登場人物は、ストーカーをすることで知られるショウドウツバメのように、「配偶者防衛」のような行動を見せるのだ。
登場人物・キャラクター
藍野 真伍 (あいの しんご)
「藍野結婚相談所」の所長の男性。ピアスとツーブロックが特徴の痩せ型の中年で、丁寧な口調だが押しが強く、不気味な雰囲気を漂わせている。また、元動物学者で、なにかにつけ昆虫や動物のうんちくを語るクセがある。昆虫や動物のフィギュア、カプセルトイを収集しており、珍しい製品の入荷情報を常にチェックしている。動物学の知識と丁寧な調査によって、適切な相手を会員に紹介する。
猪田 花子 (いのだ はなこ)
「藍野結婚相談所」のアシスタントの女性。「聖ニコラウス教会」に所属する29歳の修道女で、洗礼名はシスター・エリザベス。惚れっぽい性格で、好きな男の子に人形を作っては振られ続け、そのショックから修道女になったという過去を持つ。経営難の教会の運営資金を確保するため、「藍野結婚相談所」でアルバイトすることになる。
クレジット
- 原作
書誌情報
あいの結婚相談所 全4巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2014-01-30発行、978-4091858597)
第2巻
(2014-11-28発行、978-4091866578)
第3巻
(2016-11-30発行、978-4091875778)
第4巻
(2017-01-30発行、978-4091893444)







