あらすじ
謎の光編
桜永第二中学校に入学した森崎美玖は、亡くなった両親の出会いのきっかけとなった探偵部への入部を強く希望していた。しかし、すでに探偵部が廃部になっていることを知り、強いショックを受ける。生徒会長の松浦からの助言で探偵部の再設立を目標に部員の募集を始めた美玖だったが、そんな美玖の前に、父親が通っていた叡光学園の生徒、青矢理生斗が現れる。探偵部の部員募集のチラシを見て興味を持ったと語る理生斗の協力を得て、美玖は友人の敷島心愛が連れてきた依頼人の古川星羅が目撃した謎の光の調査を始める。しかしその調査を進める中で、星羅のもとに調査を中断するよう求める脅迫状が送られてくる。
カレー毒物混入事件
古川星羅が目撃した謎の光の調査が終了し、森崎美玖と青矢理生斗は別の学校に通いながらも探偵部を設立する。そんな美玖のもとに、新たな依頼が舞い込む。折原史香のクラスで副担任を務める徳山誠子は、以前からクラスで嫌がらせを受けていたが、ある日の昼、給食のカレーに毒を盛られて倒れてしまう。この事件を調査してほしいという依頼に、美玖は誠子への嫌がらせも終わらせるために調査を開始。調査の結果、容疑者として給食の配膳係で、誠子への嫌がらせを行っていたグループのメンバー、金井の名前が浮上する。
関連作品
小説
本作『あおたん! -青矢先輩と私の探偵部活動-』は、喜多喜久の小説『青矢先輩と私の探偵部活動』を原作としている。原作小説版は集英社「集英社文庫」から刊行されている。本作では森崎美玖と青矢理生斗の出会いは、理生斗が美玖の作った部員募集のチラシを目にしたことがきっかけとなっているが、原作小説では、叡光学園の校内の写真を撮ってほしいと依頼された美玖が、叡光学園に不法侵入した際に出会うなど、微妙に展開が違っている。
登場人物・キャラクター
森崎 美玖 (もりさき みく)
桜永第二中学校に通う1年生の女子。肩までの黒髪をポニーテールにしている。小学校卒業までは北海道で暮らしていたが、3年前に両親を事故で亡くしている。小学校卒業を機に叔母(おば)の住んでいる東京に引っ越し、母親の母校である桜永第二中学校へ入学した。両親が出会うきっかけとなった探偵部への入部を希望していたが、部員不足で廃部になったことを知ってショックを受けるが、松浦の提案を受け、探偵部再設立に向けて部員を募集することとなる。友人の敷島心愛の働きかけもあり、青矢理生斗と共に古川星羅が目撃した謎の光を調査した。この事件をきっかけに、叡光学園のOBだった父親の制服を着て、「ミクオ」と名乗って叡光学園にも出入りするようになる。
青矢 理生斗 (あおや りおと)
叡光学園に通う高校生の男子。薄い色の茶髪ショートヘアで、眼鏡をかけている。通りすがりの女子がモデルではないかと噂(うわさ)するほど容姿が整っている。全国模試で1位を取り続けるほど頭脳明晰(めいせき)で、あまり感情を表に出すことはない。森崎美玖が描いた探偵部募集のチラシを目にし、興味を抱いて美玖に近づいた。しかし叡光学園の校則で、女子と話すだけで即退学になってしまうため、私服で美玖と会う際には目深にフードをかぶっている。古川星羅が目撃した謎の光の調査を経て、学校は違うものの美玖と共に探偵部を設立する。
敷島 心愛 (しきしま ここあ)
桜永第二中学校に通う1年生の女子。森崎美玖のクラスメイト。金髪をショートヘアにしている。入学してすぐに美玖となかよくなり、美玖が探偵部に入部するために桜永第二中学校に入学したことを知っている。探偵部を再設立しようとしている美玖を応援しており、SNSでも積極的に探偵部を宣伝している。
古川 星羅 (ふるかわ せいら)
桜永第二中学校に通う3年生の女子。ミディアムボブヘアで、眼鏡をかけている。星を見るのが趣味で、夜10時頃に空を見ていた際に星とは違う不思議な光を目撃し、その正体の究明を森崎美玖に依頼した。しかし、美玖と青矢理生斗が調査を進めている中で、何者からかの脅迫状を受け取る。
松浦 (まつうら)
桜永第二中学校に通う女子。生徒会長を務めている。黒髪をストレートロングヘアにしている。探偵部が廃部になったことにショックを受ける森崎美玖の姿を見て、再設立するために部員を集めることを勧めた。古川星羅が目撃した謎の光の事件で、重要な役目を果たしている。
折原 史香 (おりはら ふみか)
桜永第二中学校に通う3年生の女子。金髪をツインテールにしている。クラス内で徳山誠子に対する嫌がらせがエスカレートしていることを悩み、森崎美玖に相談しようとしていた際に、誠子が毒を盛られて倒れたことで後悔している。その後、美玖に事件の真相解明を依頼した。
徳山 誠子 (とくやま せいこ)
桜永第二中学校で教師を務める中年女性。折原史香のクラスの副担任でもある。ウェーブがかった茶髪をミディアムヘアにしている。クラスの中心的な男女グループを注意したことで、授業妨害を受けたり、教卓上に画鋲(がびょう)を並べられるといった嫌がらせを受けるようになる。さらには給食のカレーに毒を盛られ、嘔吐(おうと)と呼吸困難を起こしたものの、意識を取り戻した。
金井 (かない)
桜永第二中学校に通う3年生の男子。折原史香のクラスメイト。金髪をベリーショートヘアにしている。徳山誠子に嫌がらせをしていたグループのメンバーで、誠子が給食を食べて倒れた日の配膳係だった。また、金井本人と思われるSNSアカウントで、誠子が口にした毒物名を最も早く投稿している。
場所
叡光学園 (えいこうがくえん)
青矢理生斗が通っている中高一貫校。全寮制で、全国トップクラスの秀才が集まると噂されている男子校。女子は敷地内に立ち入ることも許されておらず、恋愛は学業の邪魔になるという理由から、叡光学園の生徒は女子と話すだけで即退学になってしまう。
クレジット
- 原作
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喜多 喜久