あれよ星屑

第二次世界大戦終戦直後の焼け跡になった東京で、戦争の記憶を引きずりながら生きていく元軍人・川島徳太郎と黒田門松らの日常を通じ、戦争が人々に残した爪痕を描いていくヒューマン・ドラマ。成人向け作品を多く手がけた山田参助、初の一般誌での長編連載作品。

正式名称
あれよ星屑
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
ビーム コミックス(アスキー、KADOKAWA)
巻数
既刊7巻
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概要・あらすじ

第二次世界大戦終戦直後、焼け跡になった東京の闇市で、中国戦線において上官と部下だった川島徳太郎黒田門松が再会し行動を共にするようになる。戦争中の記憶に苦悩し続ける川島、軍隊時代の仲間のことを思いながらも不器用に生きる門松の日常とともに、彼らが出会った人々に残された戦争の爪痕を描き出していく。

登場人物・キャラクター

川島 徳太郎 (かわしま とくたろう)

『あれよ星屑』の主人公のひとり。復員兵。戦後の焼け跡となった東京の闇市「明星マーケット」に雑炊屋「ポパイぞうすい」の店を出し、その稼ぎで生活をしている。店主は別の男に任せ、自らは酒で憂さを晴らす日々を送っていたところ、軍隊時代の部下だった黒田門松と再会。戦時中は陸軍所属の軍人で、当時の階級は軍曹。昭和19年の中国で、門松らが所属する第三分隊を任される。 大学出のインテリで、体罰主義だった軍隊の中では異色の存在とされ、「中隊一の昼行灯」と呼ばれていたが、やるときはやる男として一部の人間からは評価されていた。人情味があり部下の信望を集めており、最初は反発していた門松もやがて彼に信頼を寄せるようになる。復員船で一緒になった金子は、弟が軍隊時代の部下だった縁もあって親しくなり、復員後も金子の所属する暴力団「小津組」には顔が利くようになった。 復員後は家族を探していなかったが、後に姉と再会する。戦争中の記憶に苛まれ、現在も苦悩の日々を送っている。

黒田 門松 (くろだ かどまつ)

『あれよ星屑』の主人公のひとり。ひげ面の巨漢で、気性が荒くケンカ早い。復員兵。復員船で浦賀に到着後、東京へ向かう途中で話しかけてきた男に騙され荷物を盗まれて無一文となる。闇市の雑炊屋で無銭飲食し、ヤクザとケンカしそうになっていたところ、戦時中の上司だった川島徳太郎と再会し、以降は彼と行動を共にするようになった。 戦時中は中国におり、陸軍所属の一等兵だった。金子宏道ら同僚と共に直属の小隊長と分隊長を城壁から投げ落とし、第三分隊に転属されて川島の部下となる。元は貧乏百姓の息子で、父母は子供のころに他界。軍隊に入る以前は浅草の寄席で働いていた。復員後は、川島の経営する闇市の雑炊屋を手伝ったり、昔なじみのお吉に誘われて4人の街娼たちの客引き用心棒をするなどして暮らしている。

杉浦 菊子 (すぎうら きくこ)

酒場「ひさご」の女主人。川島徳太郎や黒田門松、金子、ヨッチンら、周囲の人々の世話を焼く面倒見の良い女性。金子兄弟とは幼なじみで、金子の弟である金子宏道の恋人だった。父母が戦争に巻き込まれて死んだ後、進駐軍用の娯楽場で事務員として働き始めたが、騙されて外国人相手の性接待をさせられていたところを金子によって救われた。 そのさいには川島徳太郎も助力する。スミという妹がいる。

杉浦 スミ (すぎうら すみ)

菊子の妹で、川島徳太郎の雑炊屋や、姉が店主をつとめる酒場「ひさご」の手伝いなどをしている少女。戦時中は疎開していた。天真爛漫な性格で、姉に好意を寄せる金子やヨッチンをからかったり、川島に憧れを抱いたりしている。

お吉 (およし)

黒田門松の昔なじみで、復員した彼と街でバッタリと再会した。再会する半年前から街娼をしている。戦後、米軍兵士相手の慰安所として設立された「RAA」(特殊慰安施設協会)に所属しており、その施設で知り合った3人の女性と共に街娼をしながら共同生活を送っている。彼女に誘われて門松は4人の客引き兼用心棒をすることになったが、門松が別の女と関係を持ったことでクビにされてしまう。

金子 (かねこ)

暴力団「小津組」に所属する男性。川島徳太郎とは陸軍病院で知り合い、同じ船で日本に復員してきた。弟の金子宏道が川島の部下だったことから親しくなり、復員してからも懇意にしている。復員してからはカタギになるつもりだったが、弟の恋人で、自らの幼なじみでもあった菊子が米軍兵士相手の娼婦の仕事をさせられていることを聞きつけ、小津組に再び入り川島と共に彼女の救出に尽力する。 菊子には岡惚れしており、彼女の店に通い続けている。

昭吉 (しょうきち)

川島徳太郎と黒田門松がねぐらとしている廃車の隣に住んでいる少年。日雇い仕事をしている父親との二人暮らしで、道端に落ちている吸いかけの煙草(シケモク)を拾ってそれを売ることで家計の助けとしている。ハーモニカを与えたり、絵本を読み聞かせたりと、川島は彼のことをかわいがっていたが、父親のもらってきた缶詰に仕込まれていた爆弾によって父子ともに死亡する。 その死にショックを受けた川島は昏倒し、戦時中の記憶を呼び覚まされてしまう。

金子 宏道 (かねこ ひろみち)

日本陸軍の上等兵。戦争中は中国におり、黒田門松と同部隊、川島徳太郎の部下であった。黒田門松らと共に、横暴な小隊長と分隊長を城壁から投げ落とし、第三分隊へ転属になった。「小津組」の金子の弟で、幼なじみの菊子とは恋人だった。戦地でも菊子の写真を肌身離さず持っていたが、戦死して日本には戻ることができなかった。

角野 勝一 (かどの しょういち)

日本陸軍の二等兵で、戦争中は川島徳太郎の部下だった。生真面目な性格の持ち主。兵が強くなるためには軍隊は厳しくなければならないという信念を持っており、体罰を行わない川島徳太郎に対して物足りなさを感じていた。

浮子 (うきこ)

黒田門松らが戦争中に中国で知り合った女性。将校専用の慰安所にいた娼婦。中隊指定の兵隊向け慰安所だけでは性欲を満足させることができずに暴走した門松が将校専用慰安所に押しかけたさい、彼の相手をする。かつては兵隊相手の店にいたこともある。包容力のある女性で、岡部にも気に入られている。

岡部 (おかべ)

日本陸軍の中尉で、たびたび中国人の討伐に出かけている血の気の多い男。帰還すると将校専用の慰安所で乱痴気騒ぎをするのを常としている。将校専用慰安所で浮子が黒田門松の相手をしていたところに討伐から戻ってきた。川島徳太郎率いる隊の管理不行届であるとみなし、新兵の度胸試しとして中国人を銃剣で刺し殺す「刺突訓練」を実施するよう命令する。 そのさいに川島にも刀でもって中国人の首を切り落とすよう命じた。

滝川 (たきがわ)

日本陸軍の二等兵で、中国の戦地で第二班に所属していた。編上靴の手入れが悪かったことから、罰として川島徳太郎の率いる第三班へのあいさつ回りを強要されたほか、何かと上司や古兵から体罰、いじめを受けていた。中国人を銃剣で処刑する「刺突訓練」でも恐怖感から刺突を首尾良く行うことができず、同僚たちから罵倒される。 人を殺すことへの罪悪感に堪えきれず、便所で首をつって自殺する。

ヨッチン

戦災孤児。近所の田んぼでエビガニを捕り、それをアメリカの「ロブスター」と称して行商することで生活している。「ひさご」にエビガニを持ち込んださいに菊子に優しくされたことで彼女を慕うようになり、以降「ひさご」にちょくちょく顔を出すようになる。しげる、ヒロ子、タケ坊という同じ境遇にある子供らと共同生活を送っており、防空壕を家にして暮らしていたが、3人は「刈り込み」によって大人たちに連れて行かれ施設に収容されてしまった。 彼自身も以前は施設にいたのだが、脱走してきた過去がある。

ジャンヒ

酒場で飲んでいたときに黒田門松と知り合った在日朝鮮人で、日本名は「木村始」。戦争中は特攻隊に所属しており、日本のために死ぬ覚悟を固めていたが、出撃前に終戦し、心を切り替えることができぬまま悶々とした日々を過ごしている。特攻隊時代に弟のようにかわいがってくれた上司の澤村少尉を慕っていたが、先に出撃した澤村が彼を突き放したことが心の傷となっている。 出撃を前に背中に「七生報国」の刺青を入れた。終戦後は日本に戻ったが、在日朝鮮人の仲間とともに朝鮮人のヤミ屋を襲う強盗団をしていた。門松はそのとばっちりを受け、強盗団の一員であるという疑いをかけられて警察に逮捕され、刑事の暴行を受ける被害に遭う。 後に強盗団が小津組を襲ったことで金子によって通報され、警察に逮捕される。

書誌情報

あれよ星屑 既刊7巻 アスキー、KADOKAWA〈ビーム コミックス〉 連載中

第1巻

(2014年5月発行、 978-4047295919)

第2巻

(2014年11月発行、 978-4047299696)

第3巻

(2015年7月発行、 978-4047305366)

第4巻

(2015年12月25日発行、 978-4047308367)

第5巻

(2016年8月25日発行、 978-4047342514)

第6巻

(2017年3月25日発行、 978-4047345362)

第7巻

(2018年2月10日発行、 978-4047350465)

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