うまんが

うまんが

夢見がちな小学生の少女のもとに、ある日突然馬のぬいぐるみのような見た目の妖精が現れ、周囲の人々が奇行を繰り広げるギャグ作品。少女漫画ながら、下ネタや流血シーンが数多く登場する他、競馬の豆知識も随所に散りばめられている。登場人物の名前も競馬にちなんだものが多い。続編に『ろまんが』がある。「別冊少女コミック」から「flowers」に移行して連載された。

正式名称
うまんが
ふりがな
うまんが
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

小学5年生の有馬皐月は、同じクラスの安田優駿に想いを寄せながら白馬の王子様の迎えを空想していたが、そんな皐月の前に突然現れたのは、馬のぬいぐるみのような見た目の妖精まくまくであった。まくまくは皐月の家に早速わが物顔で居座り、さらには学校にもついて行きやりたい放題。獣医を目指している優駿はそんなまくまくを目にし、まくまくのことを教えてほしいと皐月に頼み込む。

思わぬところで優駿との接点ができ喜ぶ皐月だったが、恋のライバルとなる宝塚菊花、その召使いであるコンチキチなどの強烈な個性を持つ面々に囲まれ、忙しい日々が続くことになる。

登場人物・キャラクター

有馬 皐月 (ありま さつき)

小学5年生の少女で、同じクラスの安田優駿に恋している。突然目の前に現れたまくまくに取り乱し、有馬皐月の家に居座るつもりのまくまくを、特に驚くことなく受け入れている家族にも困惑する。しかし、獣医を目指している優駿がまくまくに興味を持ったことから、優駿との接点ができて浮かれている。作中では唯一まともな感覚を持っており、基本的にツッコミ役を担うが、優駿と接近するために目の色を変えてまくまくを利用しようとする狡猾な面も持っている。 裁縫が苦手なうえ、走るのが壊滅的に遅く、図工は5段階評価で2など全般的に不器用である。父親を3歳の頃に亡くしている。

まくまく

有馬皐月のもとに突然現れた、馬のぬいぐるみのような生物。本人は「悩める人の夢を叶えるために神に遣わされた妖精」を自称しているが、その他にも「自分はもともとは美麗な王子である」、「UMA78星雲から来た」などの虚言と思われる言動が多いため、真偽は不明。毛色は馬の中で最もポピュラーな鹿毛である。図々しく横暴な性格で、皐月の家にやって来た初日からわが物顔で居座り、皐月の学校について行き給食をあさったり、自分のことを調べたいと申し出た安田優駿を奴隷扱いして殴り飛ばしたりと、やりたい放題である。 登場する馬の妖精の中ではスペックが高く、なぜかカズミチには怯えられており、Space Masterオペラオーとの戦いでは使ったこともない技を簡単に繰り出していた。

安田 優駿 (やすだ ゆうしゅん)

有馬皐月、宝塚菊花のクラスメイトで、小学5年生の少年。獣医を目指しており、皐月について学校に来たまくまくを珍獣であると思い込んで、皐月に対してまくまくのことをいろいろ聞きたいと頼み込む。いつかはまくまくのことを解剖したいと思っているが、現在は完全にまくまくに奴隷扱いされており、殴られたり刺されたり、使い走りにされたりと、散々な目に遭っている。 それでもニコニコと笑顔を崩さない、ある意味で特異な人格の持ち主。しかしそれは、誰のことも恨まず、高飛車な宝塚菊花のことも「本当はいい子」だと思っている安田優駿の純粋さの表れである。皐月と菊花の2人から想いを寄せられていることにはまったく気付いておらず、皐月からバレンタインデーにもらったチョコレートを躊躇なくまくまくにあげるなど、空気を読めない一面もある。

宝塚 菊花 (たからづか きっか)

有馬皐月、安田優駿のクラスメイトで、小学5年生の少女。金持ちのお嬢様で、菊花のパパは国内外で幅広く事業を行っている「バブルカンパニー」社を営んでいる。優駿とは幼なじみで想いを寄せており、優駿と同じ学校に通いたいがためにわざわざ公立の小学校に通っている。高飛車で、何かにつけては皐月に対して優位に立とうとする他、愛馬であるエリザベスが白馬ではなく芦毛であると知ったとたんに捨てるなど、自分勝手な性格。 一方で、優駿が皐月からもらったチョコレートをすんなりまくまくにあげてしまった時には、優駿に鉄拳を食らわせる筋の通った一面も見せる。幼少の頃から使用人のコンチキチに叩き込まれた裁縫が得意で、料理もそつなくこなす家庭的なところがあるが、なぜかチョコレートを作るのは壊滅的に苦手。 身体能力は非常に高く、リレーで男子5人をゴボウ抜きにした。母親を生後4か月で亡くしており、コンチキチに育てられている。

コンチキチ

宝塚菊花の家で使用人として働く、金髪の外国人の男性。年齢は22歳。貧しい村で育ち、菊花のパパに拾われたことから宝塚家に仕えるようになった。菊花の母親が亡くなり、多忙な菊花のパパに代わって菊花を赤ん坊の頃から育ててきた父親のような存在。菊花のためなら銃を構えることも辞さない他、時折父親を超えた歪んだ愛情を見せており、学校にも何度となくやって来ては菊花に付きまとっている。 その存在は学校では有名で、 まくまくからはロリコンストーカーの烙印を押されている。菊花が安田優駿に想いを寄せていることから優駿には過剰な敵意を示し、優駿を震え上がらせている。育ちが貧しいこともあり、自分の部屋は質素な和室で、菊花を庶民の暮らしになじませるために、菊花と一緒にちゃぶ台で純和風の食事を摂っている。

エリザベス

宝塚菊花の愛馬である牝馬。菊花のパパは、国内外のダービーの5冠を制したと菊花に話しているが、実際は地方競馬の宇都宮競馬場で走っていた程度。長らく希少な白馬であると思われていたが、尻尾の付け根などに微妙に黒毛が混じっている芦毛であるとまくまくに指摘されて以降、菊花に捨てられてしまう。のちに菊花のもとに戻って来るが、基本的に臆病な性格であるため、菊花をはじめとした周囲の者たちの奇行に震え上がる日々を送っている。

皐月の兄 (さつきのあに)

有馬皐月の兄で、高校2年生。皐月のもとに突然まくまくが現れても驚く様子を一切見せず、皐月の友達と思って普通に受け入れる図太さを持っている。皐月の前で下ネタをどんどん連発するほか、トランクス姿で皐月の前に現れるなど、デリカシーがまったくない。

皐月の母 (さつきのはは)

有馬皐月と皐月の兄の母親。皐月のもとに突然、まくまくが現れても驚く様子を一切見せず、それどころか自宅に部屋を用意するなど、完全にまくまくを家に迎え入れる態勢を整えている。また、なぜかお年玉の額で皐月よりまくまくを優遇したりと、つかみどころのない女性である。亡くなった皐月の父には、「不二子(峰)」と呼ばれていた。

皐月の父 (さつきのちち)

有馬皐月の父親で、皐月が3歳の時に亡くなっている。父の日に、らいやんの降霊術によって姿を現し、下ネタをガンガン発したり自分の娘である皐月のお尻や胸を触ったりと、酔いどれオヤジのようなセクハラ行為を連発する。これにより、優しくて頼りがいがある父親を勝手にイメージしていた皐月が激しく落ち込むこととなった。

らいやん

父の日に有馬皐月の前に現れた馬の妖精。まくまくとは旧知の仲であるが、その関係については父親と言ったり兄と言ったり、またイトコや愛人、孫などと、まくまくと一緒にボケまくるため、真相は不明。趣味で降霊術を身につけており、皐月たちの前で皐月の父を降霊させる。

カズミチ

まくまくと同じ馬の妖精であり、まくまくと同じ牧場で同じ日に生まれた幼なじみ。まくまくの回想にしばしば現れるが、そのエピソードが「1人欠けた太陽とシスコムーンのメンバーになるために旅に出た」、「格闘ゲーム好きで第2のケイン・コスギになるために旅に出た」など数々語られるため、真相はおろかその存在すら怪しまれていた。 しかし、まくまくと再会し実在していたことが判明する。ちなみにまくまくとの再会時は、彼に対して異常に怯えていた。クニヒコと一緒に暮らしていた時期があり、安田優駿にクニヒコの面影を重ねている。

クニヒコ

カズミチと一緒に暮らしていた少年。カズミチがフィギュアスケートの「トリプルスピン」なる技をマスターすべく、カナダの名コーチのもとへ向かっていた途中、空腹で行き倒れた際に出会った。この時、病弱だったクニヒコは盛大に吐血して倒れ、カズミチに家に送り届けてもらって以降、一緒に暮らすことになった。3年前、病気療養のために海外へと旅立った。

Space Masterオペラオー (すぺーすますたーおぺらおー)

全宇宙の支配者になることを目論む馬の妖精。地球に降り立ち、世界一の大富豪である宝塚菊花の家の主を倒せば、地球を征服できると思っている。地球を下等惑星と見下しているが、コンチキチを宝塚家の主と間違えた時にはミスを認めずしれっと流そうとするなど、度量が小さい。ムチを使って敵をみじんに切り刻む「S・M No.1679」という技を使うが、その威力はコンチキチの髪をまとめるゴムが切れる程度しかない。 菊花に出会って一目惚れをしてしまう。

菊花のパパ (きっかのぱぱ)

宝塚菊花の父親で、一大企業である「バブルカンパニー」社の社長。多忙なため、家には数か月に一度帰ってくる程度。コンチキチによれば、詐欺師のような口のうまさと得体のしれないカリスマ性で、悪業を働くことなく世界一といわれる財を一代で築いた。一方で非常に子供っぽい一面があり、コンチキチをもてあそんで楽しんだり、コンチキチと言い合いになった時には地団駄を踏んだりと、その言動は小学生並。 かつて貧しい生活をしていたコンチキチを拾い、使用人として雇った。

日本人形 (にほんにんぎょう)

学校行事の登山の際、皆に遅れた有馬皐月と、皐月を迎えに来た宝塚菊花がともに迷い込んだ祠にいた人形たちのリーダー的存在。もとは人間であったが、愛されることを願うあまり人形になったと語る。怒らせると、菊花が驚くほどにとてつもない迫力を見せる。

中山 弥生 (なかやま やよい)

22年後の未来から来た馬の妖精だが、その正体は人間の女性で、コンチキチの息子である秋華の婚約者。宝塚菊花や有馬皐月、まくまくに対し、自分は安田優駿たちと22年後の未来では顔見知りであると語っている。中山弥生によれば、22年後の未来では菊花にも夫がいるらしいが、その他のことはコンチキチのためという理由で詳しく教えてくれない。

秋華 (しゅうか)

22年後の未来にいるコンチキチの息子で、年齢は14歳。父親のコンチキチとは違い、人をおちょくることを嫌う実直な性格。黒髪であることから、有馬皐月たちの推測では母親は日本人女性であり、また14歳で婚約者がいることから大金持ちと考え、宝塚菊花が母親なのではないかと推測されるが、真相は不明。幼い頃から、なぜか危険な事故に遭い続けては生死の境を何度もさまよっている。

如月先生 (きさらぎせんせい)

有馬皐月たちのクラスの担任を務める男性教師。まくまくが皐月について学校に紛れ込んだ時にその存在に気付いていたが、驚いたり追い出したりすることもなく「授業に支障がないから」という理由ですんなりと受け入れている。またバレンタインデーにはチョコレートの受け渡しを禁止しながら、自分がもらえると知ると手のひらを返して歓迎したり、運動会のリレーメンバーを決める時は寝ていた皐月を勝手にメンバーに入れたりなど、教師としては問題行動が多い。

場所

愛の館 (あいのやかた)

学校行事の登山の際、皆に遅れた有馬皐月と、皐月を迎えに来た宝塚菊花がともに迷い込んだ祠。中には日本人形をはじめとして、もとは人間であった人形たちが多数存在している。愛の館には哀しい恋心を持った娘が導かれるとされており、一度入ると人形になるまで出ることはできないが、迷い込んだ者を心の底から愛する男性のみが外へ連れ出すことができるという。 ちなみに、愛の館に同時に2人以上が迷い込んだ場合、1人の男性が助けに来ても、その本当の想い人である女性しか助け出せない。

その他キーワード

未来鉄道 (みらいてつどう)

未来に行くことができる鉄道。乗車券をかざすだけでその場所にやって来るが、例えば住宅街で呼び出した場合は、周りの住宅などをなぎ倒して列車が到着するため、注意が必要。未来鉄道で行ける未来は現実のものではなく、誰かの願望を反映した未来となる。停車駅にはそれぞれの人の名前が記されており、その人の願望の未来を見ることができる。

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