概要・あらすじ
家族の中で唯一チビでブサイク、植物と名作劇場が好きなオタクの白鳥麗一は、クラスの嫌われ者でいじめられていた。そんな麗一の心の癒しになっていたのは、同じ園芸部の女子・伊藤ゆみこだった。自分に対して優しく接してくれるゆみこに想いを寄せる麗一であったが、自分の容姿が醜いことを気にして告白をすることができずに日々は過ぎていく。
そんなある日、麗一はゆみこがアメリカに引っ越すことを知り、大きなショックを受ける。そして迎えた引っ越し当日。突然、ゆみこが飼っている愛犬ミスターが行方不明になり、麗一はともにミスターを探していた。その後、運良くミスターを発見した麗一であったが、車の前に飛び出したミスターをかばって交通事故に遭い、顔面崩壊したまま1年もの間眠り続けることとなってしまう。
この時、家族からの要望により、知らぬ間に整形手術を受けた結果、麗一は自他ともに認める美男子になった。背も伸びて容姿も一変した麗一は、1年遅れで私立旭ヶ丘高校に入学。そこでアメリカから戻り、1学年上となったゆみことの再会を果たしたものの、姿が変わってしまっているため、ゆみこには同姓同名の別人だと勘違いされてしまう。
ゆみこが所属する園芸部にすぐさま入部する麗一だが、整形をした顔が苦手というゆみこに嫌われないよう、別人を装いながら高校生活を送る。またある時、自分の姿が変わったのは整形手術だけではなく、もともとは人間であったミスターの魔法によるものであることを知る。その魔法のせいで、麗一はゆみこに接近しようとするともとの姿に戻ってしまうのだった。
こうして麗一は、幸せながらもじれったい日々を過ごしていくこととなる。
登場人物・キャラクター
白鳥 麗一 (しらとり れいいち)
私立旭ヶ丘高校に通う男子。中学生の時は丸い顔にヘルメットのような髪形、ぐるぐる眼鏡をかけており、クラスメイトからは「ヘルメット」と呼ばれ、いじめられていた。内気ではあるが、植物と名作劇場を好む心優しい性格で、同じ園芸部の女子・伊藤ゆみこに密かに想いを寄せていた。ゆみこの愛犬であるミスターを助けようとして交通事故に遭い、1年もの間昏睡状態となったが、その間に整形手術とミスターの魔法により見目麗しい美少年となった。 その後は見た目が変わり、家も引っ越しをしたため麗一の過去を知る者のいない環境で、白鳥蘭や白鳥好子ら義姉の手により、中身も立派な男子となるよう、話題の振り方やファッションセンス、笑顔の作り方を仕込まれ、オタクな面を表に出さないよう教育された。 ちなみに白鳥麗一は母親の連れ子であり、父親の連れ子である義姉たちとは血が繋がっていない。また、高校で1年年上となったゆみこと再会すると、できるだけゆみこのそばにいようとして園芸部に入部する。
伊藤 ゆみこ (いとう ゆみこ)
私立旭ヶ丘高校に通う女子。髪はセミロングで少したれ目。中学、高校と園芸部に所属する。整った顔よりもブサメンに惹かれる傾向があり、中学時代の白鳥麗一をカワイイといったり、ブサイクな飼い犬のミスターを溺愛している。中学3年の時、父親の会社の都合でアメリカに引っ越すも、会社が不景気になってしまい、1年で日本に戻って来た。 麗一とは中学生の頃はクラスの違う同級生で部活仲間であったが、麗一が1年の間昏睡状態になった後に編入したことから、ゆみこは1学年上の先輩となる。整った顔が苦手なため、イケメンになった麗一に対しては特別な想いを抱くこともなく、中学時代に親しかった麗一とは同姓同名の別人だと思い込んでいる。一方で、麗一の言動がたまに中学生の頃の麗一を思わせることがあり、そのたびに昔のことを思い出している。
ミスター
伊藤ゆみこが飼っている犬。グルグルの目に頭に毛が3本、短い手足で一般的には決して可愛いとは言えない容姿をしている。もともとは「ハイランド」という国の美しい王子で、名前は「エドワード」という。大昔に些細な揉めごとにより、当時「エリアス」だった高村に魔法をかけられ、醜い犬の姿にされてしまった。ゆみこがアメリカに引っ越す際、家から飛び出して車にひかれそうになったが、身代わりとなった白鳥麗一に命を救われる。 その礼の意味も込め、魔法を使って麗一の顔を美男子に変えた。ただしこの魔法は、麗一がゆみこに接近しようとすると効力を失ってしまう。
高村 (たかむら)
私立旭ヶ丘高校の教師で園芸部顧問を務める男性。眼鏡をかけたさわやかな人物だが、実は女好きで腹黒い性格をしている。前世は魔法使いの「エリアス」で、奥村の前世である「ブランシュ」とは恋仲であり、奥村が前世の記憶を取り戻してからは、その女癖の悪さで奥村をたびたび怒らせている。大昔に犬に変えたミスターからは酷く恨まれており、また白鳥麗一の姿が魔法によるものだとすぐに見抜く。
奥村 (おくむら)
私立旭ヶ丘高校に転校して来た女子。目の鋭い長い黒髪の女性で、神社の娘として暮らしている。前世は「ブランシュ」という女性で、ミスターの前世である「エドワード」とは幼なじみかつ恋仲であったが、高村の前世である「エリアス」に一目惚れし、エドワードを捨ててそちらに走った。のちに交通事故に遭って前世の記憶が甦ってからは、高村を追いかけて園芸部に入部する。
大前 リカコ
私立旭ヶ丘高校に通う女子。大柄でふくよかな体型で、髪は黒いおさげ髪。顔にはそばかすがあり、黒ぶちの眼鏡をかけている。1学年下の美少年である白鳥麗一に恋心を抱くも、自分の姿にコンプレックスを持っているためになかなか告白ができずにいる。しかし、麗一にとっては過去の自分を見ているように感じられるため無碍にできずにおり、そのため気があると勘違いして積極的にアプローチし、一時的に恋人同士となる。
白鳥 蘭 (しらとり らん)
白鳥麗一の義姉。髪が長く切れ長の目をしたスタイルのいい女性で、愛煙家。空手の有段者でもあり、男が相手でも平気で殴り飛ばす。父親の連れ子であり、義母の連れ子である麗一とは血が繋がっておらず、この理由と男にフラれた憂さを晴らすために麗一に迫り、肉体関係を持つに至った。それ以来、麗一に恋心を抱くようになったが、麗一の方は白鳥蘭のことを怖がっており、家でも外でも会わないようにと逃げ回っている。
白鳥 好子 (しらとり よしこ)
白鳥麗一の義姉。外はねのショートヘアで、左の目の下に泣きボクロがある。麗一が交通事故に遭い、整形によって外見が大きく変わった後は、オタクで内気な精神を叩き直し、外見に伴う立派な男子に変身させようと試みる。その一環として、高橋まりなの家庭教師のアルバイトを強制的に斡旋し、女性に慣れさせようとする。
高橋 まりな (たかはし まりな)
白鳥麗一が家庭教師を受け持った小学生の女子。ウェーブがかった長い髪で、丸くキラキラした目の少女。母親の高橋真子とともに、麗一のことを気に入っている。自分を頼ってくれるうえ優しく微笑みかけてくれるということで、麗一にとっても高橋まりなの存在が癒しとなっていく。
高橋 真子 (たかはし まこ)
高橋まりなの母親。ショートヘアで、いつも赤い口紅をつけている。夫はいるが単身赴任中で月に1回しか帰ってこないため、普段は娘のまりなと二人暮らしである。まりなと同様に家庭教師の白鳥麗一をいたく気に入っており、授業の後に夕飯を振舞ったりして、麗一に癒しを与える存在となっている。
鈴木 (すずき)
私立旭ヶ丘高校に通う男子。細身の体型に細長い顔で、四角い眼鏡をかけている。伊藤ゆみこに惹かれて園芸部に所属するが、ドジなためによく植木鉢を割って周囲から怒られる。しかし、そんな姿はゆみこに中学時代の白鳥麗一の面影を感じさせており、やがてゆみこに告白して恋人同士となる。
奈央 (なお)
私立旭ヶ丘高校に通う女子。黒髪の外はねセミロングヘアで、真ん丸な眼をしている。伊藤ゆみこの親友であり、彼女の良き理解者でもある。ゆみこが鈴木に惹かれていることを知った時には、その背中を押した。
場所
私立旭ヶ丘高校 (しりつあさひがおかこうこう)
白鳥麗一や伊藤ゆみこたちが通う高校。高村はこの学校で教師をしている。ごくごく一般的な高校だが、園芸部がの活動の場である植物園は非常に大きく、さまざまな植物がある。
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