世界観
1986年、六軒島で殺人事件が発生。当主である右代宮金蔵の遺産を巡って右代宮の親族が相次いで殺され、ただ1人、右代宮絵羽のみが生き残った。この現実に起こった六軒島殺人事件を「ゲーム盤」と称し、その真相を巡って、幻想の存在が住まう上位世界で魔女とニンゲンが争う。現実に起こったこともゲーム上の出来事とされ、さらにそれを高見から操作するという2つの舞台で展開される、特殊な世界設定が『うみねこのなく頃に』シリーズの特徴である。そして、この時の上位世界での戦いを、1998年の現実世界に右代宮家の生き残りとして生存している右代宮縁寿が振り返る形で物語は展開する。
あらすじ
上位世界では、前回の六軒島殺人事件のゲームでは、ベアトリーチェの喪失によってゲーム盤が壊されるという結果に至っていた。新たなゲーム盤を作るゲームマスターには、ラムダデルタによってバトラが選ばれ、バトラはベルンカステルが有する探偵である古戸ヱリカと戦うために六軒島殺人事件の新たなゲーム盤を作る。バトラは魔法を信じる魔女側の存在として、ヱリカを打ち倒そうとするのであった。
関連作品
うみねこのなく頃に EpisodeX ROKKENJIMA of Higurashi crying
竜騎士07の代表作である2つのゲームソフト「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」の登場キャラクターたちが一堂に会したギャグコメディ作品。作画は緋色雪、原作は竜騎士07が担当している。
メディアミックス
ゲームソフト
PC用ゲームソフト「うみねこのなく頃に」シリーズは、本作『うみねこのなく頃に散 Episode6 Dawn of the golden witch』の原作となった同人ゲーム。同人サークル「07th Expansion」が販売し、竜騎士07がシナリオを手掛けた。シリーズはEpisode1からEpisode8までの8作で構成され、Episode5以降は「うみねこのなく頃に散」とタイトルが変わった。本作は、原作ゲームのEpisode6を描いたものとなっている。本編は漫画版と変わりはないが、原作では赤き真実と青き真実のやり取りが可視化されているところが特徴のシナリオ構成になっている。
小説
小説『うみねこのなく頃に散 Episode6』は、原作ゲーム「うみねこのなく頃に散 Episode6」の小説版で、講談社BOXレーベルから発行された。上下巻の2冊が刊行されており、著者は竜騎士07、イラストはともひが担当している。本編は原作ゲームや本作『うみねこのなく頃に散 Episode6 Dawn of the golden witch』と同様だが、グロテスクな表現が多用される原作に対し、描写はマイルドになっている。
うみねこのなく頃に散 ~真実と幻想の夜想曲~
プレイステーション3で発売されたサウンドノベル形式のゲームソフト。内容は原作ゲーム「うみねこがなく頃に散」のEpisode5からEpisode8までのものと同じ。発売元は加賀クリエイトで、キャラクターデザインは江草天仁、FFCなどが担当した。キャラクターボイスは、右代宮戦人役は小野大輔、ベアトリーチェ役は大原さやかが務めた。
登場人物・キャラクター
バトラ
ゲーム盤を操るゲームマスターの魔術師の少年。以前は右代宮戦人としてベアトリーチェのゲーム盤に対抗していたが、ベアトリーチェがゲームを降りたため、ベアトリーチェの魔法を継承した。そのため、彼の二つ名は「黄金の魔術師」もしくは「無限の魔術師」である。後見人はベアトリーチェと同じラムダデルタ。 ゲームマスターとして残忍なこともするが、本来は明るい少年。ベアトリーチェが復活することを切に願っている。
ベアトリーチェ
バトラがゲームマスターになる前にゲームマスターを務めていた魔女。傲慢な性格で、戦人を幾度もうち倒してきた。前回のゲームで右代宮戦人に破れ、消え去ってしまった。バトラはベアトリーチェを想い、新しくベアトリーチェ(妹)を作るも、ベアトリーチェとまったく同じにはならなかった。
ベアトリーチェ(妹)
魔術師バトラによってベアトリーチェの欠片から生み出された魔女。幼い心と純粋さを併せ持ち、バトラを愛し、誠心誠意尽くそうとしているが、バトラには拒否され続けている。ベアトリーチェ(姉)に出会い、ベアトリーチェとバトラの関係を知る。
ベアトリーチェ(姉)
ベアトリーチェの傲慢不遜な部分の欠片から生み出され、右代宮の屋敷内を闊歩する自由な魔女。彼女によって魔女伝説は作られていった。魔女らしく魔法を尊び、それをベアトリーチェ(妹)に伝え、ベアトリーチェとバトラの関係を彼女に教えた。
右代宮 金蔵 (うしろみや きんぞう)
右代宮当主の壮年男性。彼の死によって、六軒島での後継者争いが加速する。親族には厳しく接している。ベアトリーチェを盲信するところがあり、彼女を一目見るためなら、どんなことでも行う。
右代宮 蔵臼 (うしろみや くらうす)
右代宮次期当主で、右代宮金蔵の長男。右代宮夏妃の夫で、右代宮朱志香の父親。実質的に当主代行として右代宮家を支えている。弟たちのことはあまり信用しておらず、高圧的な態度を取っている。手掛けた事業がうまくいかず負債を抱えてしまったため、金蔵が言う魔女伝説にある隠し財宝を喉から手が出るほど欲している。
右代宮 夏妃 (うしろみや なつひ)
右代宮蔵臼の妻で、右代宮朱志香の母親。プライドが高く、義弟夫妻を見下したところがある。次期当主の妻として、一刻も早く右代宮家の後継ぎを産みたかったもののなかなか子宝に恵まれず、ようやく授かった子も女児であった。そのため、周囲からは右代宮家の妻としてふさわしくないと見なされており、それがコンプレックスとなっている。 右代宮家の血縁でないことから、片翼の鷲の紋様を身につけることができない。
右代宮 朱志香 (うしろみや じぇしか)
右代宮蔵臼と右代宮夏妃の娘。蔵臼の次の当主候補ではあるが、女児は当主になることができないため、当主には右代宮朱志香の夫がなることが決められている。ただし未婚のため、後継者に就けるのはまだまだ先になる。夏妃からたしなめられながらもバンド活動を続けている、利発で活動的な女の子。
右代宮 絵羽 (うしろみや えば)
右代宮金蔵の長女で、右代宮秀吉の妻にして右代宮譲治の母親。右代宮蔵臼と右代宮夏妃の間に長く子供ができなかったため、右代宮家の血を絶やさぬように、かつ夏妃へのあてつけとして秀吉を婿養子に迎えて右代宮家に留まり、譲治をもうけた。六軒島殺人事件の唯一の生存者で、右代宮縁寿の養育権を持っているが、縁寿に対してつらく当たっており、彼女からは嫌われている。
右代宮 秀吉 (うしろみや ひでよし)
右代宮絵羽の夫で、右代宮譲治の父親。外食チェーンの経営で成功を収めた男性。朗らかで陽気な性格で、人を警戒させない器の大きさを持っている。絵羽への愛情は深く、絵羽が狂気にかられそうになった時には、彼女をたしなめる役割も果たす。
右代宮 譲治 (うしろみや じょうじ)
右代宮絵羽と右代宮秀吉の息子で大学生。真面目で人当たりのいい青年で、右代宮戦人とは正反対の性格だが、お互いを認め合っている。紗音と交際しており、六軒島殺人事件が起こった際には、紗音にプロポーズした。これが原因となってゼパルとフルフルに恋の試練を与えられ、紗音とともに、他の恋する者たちと戦う羽目になってしまう。
右代宮 留弗夫 (うしろみや るどるふ)
右代宮金蔵の次男で、右代宮霧江の夫かつ右代宮戦人と右代宮縁寿の父親。前妻に明日夢という女性がおり、戦人は明日夢との子供とされている。縁寿は霧江との間にできた子である。女好きで、節操のない性格。ビジネスパートナーだった霧江を後妻に迎えたことで戦人との間に溝を生じさせたが、現在はなんとか関係は修復されている。
右代宮 霧江 (うしろみや きりえ)
右代宮留弗夫の後妻にして、右代宮縁寿の産みの母親。義理の息子となる右代宮戦人からは姉のように慕われていて、「霧江さん」と呼ばれている。行動力があり頭の回転も速い女性で、長い間留弗夫とはビジネスパートナーとして付き合っていた。前妻である明日夢に留弗夫を寝取られたと考えており、今でも憎んでいる。
右代宮 戦人 (うしろみや ばとら)
右代宮留弗夫と明日夢の間に生まれた息子。義理の妹である右代宮縁寿のことをとても可愛がっている。下ネタを言ったり、「乳を揉ませろ」などと放言することもあるが、基本的には女性に優しい性格。かつて駒としてベアトリーチェのゲーム盤の中で戦い、ついには上位世界にも呼ばれ、ゲーム盤を俯瞰的に見ながらベアトリーチェと戦いを繰り広げた。
右代宮 縁寿 (うしろみや えんじぇ)
右代宮留弗夫と右代宮霧江の間に生まれた娘。唯一六軒島には訪れず、六軒島殺人事件に巻き込まれなかった少女。気が強い性格で、六軒島で過去に何があったのかを追及するために、六軒島や、八城十八に会いに行くことを決意した。十八、ひいてはフェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラによってフェザリーヌの巫女となり、バトラの物語を読むことになる。
右代宮 楼座 (うしろみや ろーざ)
右代宮金蔵の次女で、右代宮真里亞の母親。夫が蒸発したため、シングルマザーとして真里亞を育てている。蒸発した夫とは結婚はしているが籍は入れなかったため、今も右代宮姓を名乗っている。真里亞に虐待を加えており、真里亞との関係はとても悪い。
右代宮 真里亞 (うしろみや まりあ)
右代宮楼座の娘で、のちに「原初の魔女」マリアとなる少女。素直な性格で右代宮戦人の冗談も真に受けてしまう。ベアトリーチェとは友人だと思っており、彼女のことを否定されると怒る。「うーうー」という口癖があるが、これは彼女なりの笑顔になれる魔法の言葉であり、やめられない言葉でもある。
呂ノ上 源次 (ろのうえ げんじ)
右代宮家に仕えている使用人頭の男性で、右代宮金蔵に対して強い忠誠心を持つ。金蔵からも信頼されているが、逆に右代宮蔵臼からは疎まれている。紗音や嘉音からは父親のように慕われている。
郷田 俊朗 (ごうだ としろう)
右代宮家の使用人の1人で、料理人の男性。右代宮家に仕えてまだ間もない。料理の腕前は一流。片翼の鷲を許された家具たちに対し、優位に立とうとするところがある。料理の説明が長く、それが右代宮の一族からは少し敬遠されている。
熊沢 チヨ (くまざわ ちよ)
右代宮家で家事全般を行う老齢の女性。明るい性格だが、高齢のためあまり活発には動くことができない。怪談話が好きで、右代宮金蔵の孫にあたる右代宮譲治や右代宮戦人たちに語り継いでいる。
紗音 (しゃのん)
右代宮家の家具の少女。孤児院「福音の家」の出身である。本名は「紗代」。幼い頃から右代宮家に仕えており、右代宮譲治とも付き合いは長い。突然譲治からプロポーズされ、それを受け入れてからは、ゼパルとフルフルに恋の試練を与えられて他の恋する人たちと戦う羽目になり、同じ家具仲間の嘉音とも戦う運命を受け入れる。
嘉音 (かのん)
右代宮家の家具の少年。孤児院「福音の家」の出身でもある。本名は「嘉哉」。幼い頃から右代宮家に仕えており、右代宮朱志香にはずっと心を寄せていた。ゼパルとフルフルに恋の試練を与えられて、紗音や他の恋する者たちと戦う羽目になり、朱志香とともに戦った。
古戸 ヱリカ (ふるど えりか)
探偵を自称するベルンカステルが送り込んだ駒の1つ。ミステリーや謎に対して強い関心を示す女の子で、魔法の存在を真っ向から否定する。自分の推理に絶対的な自信を持ち、それを破られると強い怒りと憎しみを露わにする。駒でありながら、上位世界にも存在する稀有な人物。
八城 幾子 (はちじょう いくこ)
自らを「フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ」と名乗る、メッセージボトル偽書作家の1人。本名は「八城幾子」だが、作家としては「八城十八」という名を名乗り、表向きは男性だが、実は女性。メッセージボトル偽書作家としての名前は「伊藤幾九郎」。感情を見せず、右代宮縁寿に対して「人の子よ」と語りかけるなど不自然な点が目立つ。
小此木 鉄郎 (おこのぎ てつろう)
右代宮秀吉の取引先の社長の男性。その縁から、右代宮縁寿が成長した1998年の世界においては、右代宮グループを牽引する存在となっている。一見冷酷そうな人物だが、縁寿に対してはできる限りの支援をしようとしている。
天草 十三 (あまくさ じゅうざ)
右代宮グループのボディガードを務める、かつて傭兵だった男性。すぐに軽口を叩くため、右代宮縁寿からは疎まれているが、身近にいるので縁寿が一番よく話す相手でもある。縁寿のことを「お嬢」と呼ぶ唯一の人物。
ヱリカの昔の恋人 (えりかのむかしのこいびと)
古戸ヱリカの捜査能力によって浮気を疑われ、ヱリカと別れた男性。ヱリカ自身は彼に捨てられたと思っており、それが今でも心に引っかかっている。本当に浮気をされていたかどうかは、ヱリカ自身にも分からない。
フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ (ふぇざりーぬあうぐすとぅすあうろーら)
八城幾子の魔女としての姿。幾子が執筆している「メッセージボトルの偽書」内に出てくるキャラクターでもある。「観劇と戯曲と傍観の魔女」であり、かつてのゲームではゲームマスターを務めたこともある。ゲーム盤に干渉することのない「観測者」として、ゲーム盤を見る際には巫女を選び、物語を観測させている。
ラムダデルタ
「絶対の魔女」と呼ばれる1000年を生きた魔女。「努力は実を結ぶ」を形作った存在であり、努力を重ねてきた人に対して、魔法を与えることができる魔女。ベルンカステルとは敵対しつつも、ベルンカステルとの勝負を長引かせるために、ゲーム盤を楽しく観劇しており、時には手を出すこともある。ベアトリーチェとバトラの後見人。
ベルンカステル
「奇跡の魔女」と呼ばれる1000年を生きた魔女。可能性が0でない限り、必ず成し遂げられるという力を持つ。強い力の持ち主だが性格が破綻しており、どんな残酷なことも躊躇せずに行う。古戸ヱリカを駒としてゲーム盤と上位世界の双方に置いたのは彼女の仕業である。
プブリウス・ワルギリア・マロ (ぷぶりうすわるぎりあまろ)
ベアトリーチェの顧問魔術師であり、師匠であった魔女。かつては「ベアトリーチェ」の名前を有していたが、ベアトリーチェに名前を譲ってしまったため、今は「プブリウス・ワルギリア・マロ」と名乗っている。優雅な貴婦人を思わせる、思慮深い女性。
マリア
右代宮真里亞の魔女としての姿。「原初の魔女」であり、さくたろうを生み出した。優秀な魔女であり、魔女同盟「マリアージュ・ソルシエール」を結成した人物でもある。人々を幸福にする魔法を生み出したが、右代宮楼座に対しては非道な仕打ちをすることがある。
エンジェ・ベアトリーチェ (えんじぇべあとりーちぇ)
右代宮縁寿の魔女としての姿。「黄金の魔女」「無限の魔女」「反魂の魔女」の称号を得ているがその名で呼ばれることはなく、以前のゲーム盤で魔女と魔法を否定するような発言をしたことから、「魔女狩りの魔女」と呼ばれるようになった。マリアから魔女としての手ほどきを受けたため、元々は魔女同盟「マリアージュ・ソルシエール」の一員であったが、魔法の力を否定したことを理由に破門されている。
ドラノール・A・ノックス
魔女に対する主席異端審問官の1人で、女性の姿をしている。聖職者のような服を身に着けており、ノックス十戒に則り行動する。古戸ヱリカとは友達であり、かりそめの主人でもある。彼女の真実を証明するために赤き剣を振るう。
ガートルード
ドラノール・A・ノックスの上級補佐官で、同じく聖職者のような服を身に着け、女性の姿をしている。任務中は冷静で、無表情、無感動。ドラノールの補佐が主な仕事で、その関係上古戸ヱリカと行動をともにする。
コーネリア
ドラノール・A・ノックスの補佐官で、同じく聖職者のような服を身に着け、女性の姿をしている。正義感が強く、ガートルードとともにドラノールを上司と仰いでいるため、職務に忠実。任務中は冷静で、無表情、無感動。
ロノウェ
ベアトリーチェに仕える大悪魔の男性。家具頭を務めており、同じベアトリーチェの家具として煉獄の七姉妹をクッキーで手懐けている。皮肉屋で慇懃無礼。ベアトリーチェが消滅したため、今は魔術師バトラに仕えている。
ガァプ
ベアトリーチェの友人の大悪魔の女性。彼女の持つ瞬間移動の魔法は、ゲーム盤の世界では密室ミステリーを壊すような魔法と忌避されている。明るく楽しい性格だが、人に変わったあだ名を付けることでも有名。ベアトリーチェが消滅してからは、魔術師バトラに正式に仕えるようになった。
ゼパル
恋愛を司り、試練を課す大悪魔の1人。少女の姿をしているが、性別不明。フルフルとコンビで現れる。恋するものたちに試練を与え、恋の如何なる場にも怯えない勇気をくれる。性格は残忍で、今回は紗音と嘉音、右代宮譲治と右代宮朱志香に与えた恋の試練を楽しんでいる。
フルフル
恋愛を司り、試練を課す大悪魔の1人。少女の姿をしているが、性別不明。ゼパルとコンビで現れる。恋するものたちに試練を与え、恋の如何なる壁にも恐れない勇気をくれる。性格は残忍で、今回は紗音と嘉音、右代宮譲治と右代宮朱志香に与えた恋の試練を楽しんでいる。
さくたろう
魔女同盟「マリアージュ・ソルシエール」のメンバーで、マリアの一番の友達。少年の姿をしているがそれは偽物で、本体は右代宮楼座が右代宮真里亞の誕生日に送った手作りのライオンのぬいぐるみ。優しい性格で、ゼパルとフルフルの手からマリアを守ったこともある。マリアが何もない状態から彼を生み出し、「原初の魔女」と呼ばれるきっかけとなった。
集団・組織
シエスタ姉妹近衛兵 (しえすたしまいこのえへい)
ベアトリーチェの友人の竜王ペンドラゴンが所有している兵団。盟約によりベアトリーチェが一時的に借り受けており使役できるが、彼女たちの召喚には膨大な魔力が必要なため、滅多なことでは召喚しない。ベアトリーチェが消滅した後はベルンカステルに協力し、ニンゲン側の存在として戦っている。
煉獄の七姉妹 (れんごくのななしまい)
ベアトリーチェの家具たちで、魔力をもって杭の形をして対象者を串刺しにすることができる。姉妹同士で口喧嘩することも多いが、召喚された場合は召喚者に忠実に動く。七姉妹はそれぞれ7つの大罪に合わせた悪魔の名前と性質を持っている。
マリアージュ・ソルシエール (まりあーじゅそるしえーる)
マリアとベアトリーチェによって設立された魔女同盟。「相互を魔女と認め、魔法を尊重すること」を同盟の柱としている。同盟の中にはさくたろうやエンジェ・ベアトリーチェも含まれていたが、エンジェは魔法を信じなくなったため破門されている。
右代宮家 (うしろみやけ)
膨大な財を一代にして成した当主の右代宮金蔵をはじめ、息子や孫たちを含めた一族のこと。直系の子や孫は「片翼の鷲」という紋様を服か体のどこかにつけることができるが、婿養子である右代宮秀吉など血の繋がりのない者はつけることができない。
場所
ゲーム盤 (げーむばん)
上位世界の魔女、魔術師であるベアトリーチェやバトラというゲームマスターたちが駒を操って六軒島殺人事件を起こす舞台のこと。魔法という名前を借りて、好きなように事件を起こすことができ、ここでの出来事が、現実世界に反映される。六軒島殺人事件が魔法によって成り立つことを証明できれば魔女側の勝ち。 対して六軒島殺人事件をミステリーとして推理で現実的に説明できればニンゲン側の勝ちとなる。
六軒島 (ろっけんじま)
右代宮金蔵が所有している右代宮家の島。辺鄙な場所にあり、六軒島へは本島から小さなボートで数名ずつ渡る以外に方法はない。天候が変わりやすく、六軒島殺人事件が起きた時は、酷い嵐だった。
福音の家 (ふくいんのいえ)
右代宮金蔵が全面的にバックアップしている孤児院。ここで育った孤児たちの多くは右代宮家に引き取られ、家具として主人に仕える未来が待っている。紗音や嘉音は福音の家の出身。
上位世界 (じょういせかい)
ゲーム盤を俯瞰して見ることができる、魔女や魔術師たちの世界。ゲームマスターが作ったゲーム盤を置いて、ゲームの行方を観戦しながら相対する相手と赤き真実と青き真実をもって戦う場所でもある。
イベント・出来事
六軒島殺人事件 (ろっけんじまさつじんじけん)
1986年に起きた、六軒島で右代宮家の親族たちが殺されてしまった事件。唯一の生存者が右代宮絵羽で、六軒島で行われた親族会議に出席していなかった右代宮縁寿も生き延びた。誰が犯人なのかは分かっておらず、1998年の世界ではメッセージボトルだけが六軒島殺人事件のことを語る。
その他キーワード
メッセージボトル
右代宮真里亞が作ったとされる、六軒島殺人事件の真実を記したもの。六軒島殺人事件当時に真里亞が海に放ったが、メッセージボトル偽書作家たちは、これを真似て偽のメッセージボトルや自分たちなりの真実を捏造している。
黄金蝶のブローチ (おうごんちょうのぶろーち)
魔法の結晶であり、恋を許されない者たちに恋を許すことができるようになる、魔法のブローチ。信じる力が魔女の魔法になるこの世界においては、このブローチの力を信じなければ、恋を成就させることはできない。
封印のガムテープ (ふういんのがむてーぷ)
前回のゲームから、古戸ヱリカが主であるベルンカステルより、探偵権限の中の1つの道具として手に入れたガムテープ。完全な密室を作り上げることができるもので、今回のゲームではバトラによってヱリカに3回分が与えられた。これを使うことによって、ニンゲン側に有利な、トリックとしての密室を作り上げることができる。
魔女 (まじょ)
魔法を使って、ニンゲンに対して魔法を認めさせることのできる存在。幻想の存在のため、存在を否定されると消えてしまう。魔法により自分が存在することをニンゲンに証明できれば、魔女は顕現することができる。男性の場合は「魔術師」と呼ばれる。
ニンゲン
ゲーム盤の中で、魔女を信じない人のこと。または、上位世界において魔女と対等にゲームに参加する人のこと。上位世界においては青き真実を使うことができ、右代宮戦人は以前のゲームにおいてニンゲン側として魔女を認めないという立場でベアトリーチェと戦った。
魔女伝説 (まじょでんせつ)
六軒島で語られるベアトリーチェの伝説のこと。ベアトリーチェという魔女が夜な夜な六軒島の本邸の中を徘徊し、いたずらを行うとされている。またベアトリーチェの肖像画とともに碑文が受け継がれており、それも魔女伝説の1つとなっている。
碑文 (ひぶん)
ベアトリーチェが残したとされる言葉。「懐かしき、故郷を貫く鮎の川。」から始まる、六軒島に隠された財宝への道を示した文章。この碑文を解くことができた者は、黄金にたどり着くと言われている。
魔法 (まほう)
現実的に実現可能な方法を、手品やミステリーではなく、「魔法」という言葉で括っている事柄のこと。上位世界の魔女たちは魔法を信じ、手品ではなく魔法であることを主張するが、相対する探偵側、古戸ヱリカはすべてをミステリーとして片付けようとし、魔法を認めない。
探偵権限 (たんていけんげん)
前回のゲームから、古戸ヱリカが主のベルンカステルから授けられた有力な権限。ゲーム盤の駒は探偵であるヱリカの現場検証を止めることはできない、探偵であるヱリカは検証可能な情報を誤認しない、探偵であるヱリカは決して犯人にはならない、という3つのルールで成り立っている。
ゲームマスター
六軒島殺人事件を起こすゲーム盤を作る上位世界の魔女、魔術師のこと。ゲームの進行役を務め、ゲームに必要な魔法を使い、碑文に沿って事件を起こす。ゲームマスターは魔法で起こした事件のことを、すべてトリックで説明できるように設定しなければならないというルールがある。
巫女 (みこ)
フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラのために、メッセージボトルを読むことを許された存在のこと。1998年の世界で、八城幾子に請われた右代宮縁寿が巫女となり、彼女のために幾子が書いた物語を読むことを許された。
赤き真実 (あかきしんじつ)
上位世界において、魔女側、今回はバトラとベアトリーチェが使うことを許された真実。主に復唱要求で使われる。青き真実に対して有効な一手であり、魔女側が魔法で殺人を行ったことを証明するためのもの。使うことによって、ニンゲン側が出してきた青き真実を打ち消す効果がある。
青き真実 (あおきしんじつ)
上位世界において、ニンゲン側、今回は古戸ヱリカが使うことを許された真実。主に復唱要求で使われる。赤き真実を引き出すため、または殺人がトリックであることを証明するために使う一手。使うことによって、魔女に対して推理を青き真実として言うことで、殺人事件が魔女による魔法であることを否定することができる。
メッセージボトル偽書作家 (めっせーじぼとるぎしょさっか)
六軒島殺人事件を記した謎のメッセージボトルの文章を捏造して発表する者たちのこと。彼らはよく似た贋作、もしくは真相を自分なりに解釈した新説を、右代宮真里亞の名を騙ってインターネットに流している。その中でも、「伊藤幾九郎」の名を使った八城幾子が最も高い評価を得ている。
駒 (こま)
ゲーム盤における人物たちのこと。例外としてさくたろうは人間ではないが、1人のキャラクターとして駒扱いになっている。ゲーム盤が用意されるたびに駒は新しく設定されるため、ゲームマスターやゲームを観戦している魔女たちは、ゲーム盤における死を気にしない。
反魔法 (はんまほう)
魔女たちが忌み嫌う、ニンゲンたちが持つ魔女を否定する言葉の力のこと。「反魔法の毒素」ともいう。反魔法の力を持つニンゲンに見られただけで、魔女たちは力を失う。しかし、魔女が大きな魔力をもってニンゲンに存在を認めさせることができれば、反魔法の効果が消え、ニンゲンの前に顕現できるようになる。
ノックス十戒 (のっくすじゅっかい)
現実のノックス十戒をもとにしてあるが、この世界独特の意味を持つ十戒のこと。ドラノール・A・ノックスが主にこれを用いて、相手側の赤き真実を打ち倒すことがある。第一条から第十条まであり、第一条は「犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず。」である。
赤鍵 (せきけん)
ドラノール・A・ノックスが有する力の1つ。標的自体の存在否定を目的とした概念武装。存在否定をするための剣であるため、標的を否定するだけの真実があれば、抜刀することができる。抜刀すると、ノックス十戒に則って青き真実を切り、否定することができる。
復唱要求 (ふくしょうようきゅう)
上位世界において魔女側に赤き真実で、真実を語らせるために行うニンゲン側の行為のこと。ニンゲン側はこれを行うことで、真実を見極めることができる。対して魔女側は復唱要求に答えない「拒否」を行うことができ、「魔法で行ったことだから」という理由づけをすることができる。
ロジックエラー
ゲーム盤上での手品やミステリーが、実現不可能となってしまうこと。魔法は現実的には手品やミステリーと同一の存在であるため、これが不可能になると魔法を認めさせたい魔女側は最大最悪のミスを犯したことになる。ロジックエラーは悪手であり、反則手とされる。
家具 (かぐ)
魔女、魔術師の使用人のこと。煉獄の七姉妹や、ロノウェなどが該当する。またゲーム盤においては、紗音、嘉音が該当する。家具と呼ばれる謂れは心なきもの、また人間ではないものとして扱うから、というところからきている。
片翼の鷲 (かたよくのわし)
右代宮家の一族であることを示す紋章。右代宮金蔵が有していた金塊の印に片翼の鷲が描かれていたことから、右代宮家の紋章となった。妻や婿養子など、右代宮家の直系の血縁でない人には与えられない。
魔女の手紙 (まじょのてがみ)
ゲーム盤の中で、ゲームマスターから右代宮一族に与えられる手紙のこと。大抵は次に行う殺人について知らせる内容になっている。以前のゲームでは右代宮戦人が受け取り人になっていることが多かったが、今回のゲームでは古戸ヱリカが受け取っている。
悪魔の証明 (あくまのしょうめい)
実証不能な証明のこと。悪魔がいるかどうかは、世界中のすべてを隅々まで調べ尽くさなければ分からない。この行為が不可能である以上、悪魔が存在する可能性は排除できない、という理論。魔女とニンゲンの戦いにおいても用いられ、魔女側のメリットとしては、この悪魔の証明を使うことによって魔女が存在することを否定できなくすることができる。 一方のニンゲン側は、赤き真実によって否定されない限り、特定の出来事に対して証拠を見つけられない場合でも、それが魔女の魔法によるものであることを主張できる。
クレジット
- 原作