あらすじ
第1巻
青鹿孝路ら男子大学生ばかりのサークル、漫画・アニメ同好会にある日、姫城しいなが入会する。顔面偏差値が高く、オタク趣味を共有できる理想の異性であるしいなに、メンバーは瞬く間に恋愛感情を抱くようになる。やがて学園祭が近付く頃、しいなはサークルメンバーに、人気アニメ「柑橘コネクション」の考察本を発行しようと提案する。しかしその学園祭の日、しいながサークル部室で死亡しているのが発見された。
第2巻
青鹿孝路のアパートに、死亡した姫城しいなの双子の妹、姫城るいなが押しかけて来た。るいなは、しいなが他殺である事を確信しており、関係者から事情を聞くため、孝路に漫画・アニメ同好会のメンバーを呼び出すように要請する。しかしサークルメンバーである聖生一尊、阿知圭太郎、宮食楽は、しいながそれぞれと性交渉をしていた事実を知って憤慨し、互いに絶縁宣言をしていた事もあって呼び出しに応じない。そこで仕方なく、るいな達はまず、しいなと同じゼミだった学生達に聞き込みを開始する。
第3巻
姫城しいなが変貌したきっかけは、彼女の高校時代からの知り合いであるキョー先輩にあると知った青鹿孝路達だったが、今度はキョー先輩から、漫画・アニメ同好会の部室が盗撮されていた話を聞かされ、サークルメンバー内に犯人がいるのではないかと、騒然とする。その盗撮疑惑はしいなの自作自演である事が判明したが、公開されていたサイトに限定公開状態で残されていた動画には、しいなの本心を語った動画が投稿されていた。
登場人物・キャラクター
青鹿 孝路 (あおしか こうじ)
翔桜館大学の漫画・アニメ同好会に所属する2年生の男子。売れっ子の同人作家でもあり、18禁の二次創作作品を描いている。「鹿っち」または「青鹿先生」と呼ばれている。姫城しいなに恋愛感情を抱いており、学園祭の日に性交渉を行えるのではないかと期待していた矢先、しいなが死亡しているのを発見した。しいながサークルメンバー全員と性交渉に及んでいた事が発覚し、一度は愕然とするものの、生前のしいなの発言の中に本心と思しき違和感を覚え、姫城るいなと協力して真相究明を決意する。
姫城 しいな (ひめぎ しいな)
姫城るいなの双子の姉。翔桜館大学の漫画・アニメ同好会に所属する女子。サークルメンバー達からは「姫」と呼ばれている。青鹿孝路をはじめ、サークルメンバー全員から好意を向けられていた。学園祭の日、部室内で凄惨な死体となって発見される。死後、サークルメンバー全員と付き合っていた事が発覚した。高校時代に片思いしていたキョー先輩を一途に追いかけていたが、地味な容姿と処女である事を理由に罵倒され、派手で男受けする容姿になり、また手っ取り早く処女を捨てるために、テニスサークルにも入会して男遊びを繰り返していた。しかしその反動で、姫城しいな自身の存在価値が性的対象としてしかないと思い込むようになり、他人から求められる事のみで自己肯定感と承認欲求を満たしていた。またそのために、苦手な事や嫌いな事も我慢していた。
姫城 るいな (ひめぎ るいな)
姫城しいなの双子の妹。しいなとそっくりな容姿で、髪だけは金髪に近い色をしている。死の1か月前にしいなから不審な電話があった事を理由に、しいなの死が他殺である事を確信して翔桜館大学にやって来た。誰に対しても上から目線の威圧的な態度で接する。しいなの死の真相をつかむまで、青鹿孝路の家に居候している。かつてキョー先輩から強引に迫られ、その現場をしいなに目撃された事から関係がギクシャクしていた。
聖生 一尊 (せいりゅう かずたけ)
翔桜館大学の漫画・アニメ同好会に所属する2年生の男子。「りゅー君」と呼ばれている。アシンメトリーヘアの茶髪で、右目を前髪で隠している。ゲーマーで、アニメなどに関しては作画にうるさい作画厨。姫城しいなに好意を抱き、性交渉も行った。部室でプレイする事を好む。
阿知 圭太郎 (あち けいたろう)
翔桜館大学の漫画・アニメ同好会に所属する2年生の男子。「あっちー君」と呼ばれている。面長で痩身、長い前髪を五分分けにして、眼鏡をかけている。オタクに媚びた作品には興味がないと断言しており、部室に多くの分厚い専門書を並べている。姫城しいなに好意を抱き、性交渉も行った。赤ちゃんプレイを好む。
宮食 楽 (みやじき がく)
翔桜館大学の漫画・アニメ同好会に所属する2年生の男子。肥満体で、頭頂部の髪だけをトマトのヘタのように伸ばしている事から、「トマト君」と呼ばれている。フィギュアオタクで、自分でカスタマイズなども行う。朝から大盛りの脂ぎったラーメンを食べるほど大食漢。姫城しいなに好意を抱き、性交渉も行った。束縛されるSMプレイを好む。
キョー先輩 (きょーせんぱい)
翔桜館大学に通う男子。姫城しいなとは同じ高校出身で、しいなより1学年上の先輩にあたる。いわゆるスクールカースト上位の存在で、しいなとは帰り道によくいっしょになる事から知り合った。しかし、しいなより姫城るいなに興味を持っており、るいなに近づくためにしいなを利用していた。また大学でも、しいなに無茶な要望を叶えさせたりと、好意を利用していいように使っていた。本名は「山手恭二」。
呪いさん (のろいさん)
翔桜館大学で姫城しいなと同じゼミに所属している女子。本名は不明で、当初は青鹿孝路に聞き込み対象の「学生D」と呼ばれていた。小太りで、そばかすが目立つ容姿に眼鏡をかけている。自分を聡明な女性だと信じており、恋愛にかまける女性やそういった女性をもてはやす男性を全員愚か者だと思っている。「呪い」を趣味にしており、ゼミ生の顔合わせ飲み会で相槌を打ってくれたしいなの事を、唯一話が合う理解者だと思っている。
集団・組織
漫画・アニメ同好会 (まんがあにめどうこうかい)
翔桜館大学のサークル。青鹿孝路、姫城しいな、聖生一尊、阿知圭太郎、宮食楽が所属している。部室内にはメンバーの持ち込んだフィギュアやゲーム、本などが大量に棚に詰め込まれている。学園祭において、柑橘コネクションの考察本を発行した。またその際、姫城しいなは柑橘コネクションのキャラクター、ライムのコスプレで売り子をする予定だった。しいなの死後、無期限の活動停止処分となっている。
その他キーワード
柑橘コネクション (かんきつこねくしょん)
新番組として始まった途端、覇権確定アニメとして漫画・アニメ同好会メンバーが嵌まり込んだ作品。「ライム」と呼ばれるキャラクターが人気で、青鹿孝路の推しキャラでもある。また青鹿がライム推しという事から、姫城しいなは学園祭の時、このライムのコスプレをして売り子をする予定だった。