あらすじ
突然現れた恋のキューピッド
虎賀良喜は告白するために女性を呼び出すものの、いつものように女性は指定の場所に現れることはなかった。通算30回目の失恋で、当分恋愛はしないと心に決めた虎賀だったが、直後に天使のカリタ・エル・クピドーが現れて一目ぼれする。エルは天使として虎賀の運命の人と虎賀を結ばせるために天界からやって来たことを説明するものの、虎賀のエルへの気持ちは変わらなかった。そんな虎賀の気持ちにエルは嬉しく思いつつも、天界から恋のキューピッド役を任された責任感から、「1年間はキューピッドとして虎賀の運命の人を探し、1年後も好きなままだったら気持ちに応える」と、虎賀に伝えるのだった。
増えていく運命の人候補
虎賀良喜の運命の人を探すため、虎賀とカリタ・エル・クピドーは街に繰り出していた。探し始めた直後、エルは一人の女性に目星を付けると、その女性からエルたちは話しかけられる。女性から虎賀の幼なじみの白雪千里だと自己紹介されたエルは、虎賀と白雪の仲をもっとなかよくさせるために天界の道具を使う。しかし効果の違うアイテムを使ったことで、虎賀はトラブルに巻き込まれてしまう。その後、エルは虎賀が通う学校でもキューピッド役を果たすため、神様の力を借りてカウンセリングの先生として学校に入り込む。カウンセリングを行いながら生徒を選別したり、虎賀を通じて愛原愛、剣城さや、中村紅葉と知り合ったりと、運命の人候補が次々と増えていく。
登場人物・キャラクター
虎賀 良喜 (こが よしき)
とある高校に通う2年生の男子。一人暮らしをしており、年齢は17歳。学生服を身につけ、腕まくりしている。死んだ父親との約束でウソは絶対つかないと誓っているため、素直で思ったことをすぐに口にしてしまう。相手が気にしていることもそのまま伝えるためにデリカシーがないと思われ、告白しても毎回振られている。ある日、目の前に天界からやって来た天使のカリタ・エル・クピドーが現れ、一目ぼれして告白するものの、返事を濁されている。エルが虎賀良喜の運命の人を探すためのキューピッド役を担っていると聞いても、エルを思い続けることを決意する。しかし恋愛経験がまったくない虎賀は、白雪千里をはじめとした多くの女性と親密になると心が揺らいでいく。
カリタ・エル・クピドー
虎賀良喜の運命の人を探す恋のキューピッド役を担う天使の女性。巨乳の持ち主で、背中から天使の羽根が生えている。年齢は410歳で、人間年齢に換算すると26歳。母性本能が強く生真面目な性格ながら、不器用なために天界では落ちこぼれ扱いを受けている。200年間ずっと事務作業をしており、今回初めてキューピッド役を任されたためにやる気が満ちあふれている。虎賀は問題が多いものの告白してくれたことを愛おしく思い、キューピッド役ながらも「1年間はキューピッドとして虎賀の運命の人を探し、1年後も好きなままだったら気持ちに応える」と虎賀に伝える。天界の決まりで虎賀の家に住み込まなければならないため、家事全般をこなしながら二人で暮らしている。ふだんは天使の輪っかや羽根が生えているが、擬態モードを使えば消すことができる。虎賀が通う学校でも運命の人探しをするために神様の力を借り、「狩田える」という名前でカウンセリングの先生として学校に入り込む。見た目と面倒見のよさから、すぐに男子生徒から人気を集める。
白雪 千里 (しらゆき ちさと)
虎賀良喜と同じ高校に通う1年生の女子。実家は会社を経営しており、父親が虎賀の父親と仲がよかったために虎賀とは幼なじみ。虎賀には辛辣な言葉をかけたり、つらく当たったりすることが多いが、素直になれないだけで虎賀に思いを寄せているため、彼の周囲に女性がいるだけで嫉妬してしまう。人見知りなために団体競技は苦手だが、合気道の個人戦では全国優勝するほどの腕前。カリタ・エル・クピドーや愛原愛をはじめとした虎賀に親しい女性の中で、胸が一番小さいことにコンプレックスを抱いている。
愛原 愛 (あいはら あい)
虎賀良喜と同じ高校に通う2年生の女子。全校生徒をストーキングしてさまざまなデータを集めており、周囲からは要注意人物として認識されている。カリタ・エル・クピドーや白雪千里が虎賀の恋愛の手助けをしていると聞き、集めたデータを提供して虎賀たちとなかよくなる。恋愛に興味はあるものの恋愛経験は乏しく、虎賀から容姿を褒められると赤面してしまう。
剣城 さや (つるぎ さや)
虎賀良喜と同じ高校に通う2年生の女子。小さい頃から父親に剣道を教えてもらっており、相当な腕前。さらに困っている人を助けるように厳しく指導されているため、人助けを繰り返すうちに周囲からはクールで硬派な人物だと思われている。実際は極度のあがり症とネガティブ思考の持ち主で、男性の顔もまともに見られないことからカウンセリング室を訪ねる。噂の男子が虎賀だと知り、彼とふつうに接することができるようになり、虎賀を通じて白雪千里や愛原愛とも少しずつ会話ができるようになる。
中村 紅葉 (なかむら もみじ)
虎賀良喜と同じ高校に通う3年生の女子。科学部の部長を務めており、周囲から「メイプル博士」と呼ばれている。これまで恋愛に縁がなかったため、今後も寂しい人生を送ることになると考え、モテ薬の研究を行っている。現在は薬学を専攻しているが、本来の得意分野はロボット工学。自分の考えに賛同してくれた虎賀に思いを寄せるようになり、科学部に勧誘する。
書誌情報
えるのわ!~恋愛弱者とペケ天使~ 3巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2022-01-17発行、 978-4065266076)
第2巻
(2022-04-15発行、 978-4065275399)
第3巻
(2022-07-14発行、 978-4065284278)