イケメン人気小説家と純粋な女子高生の同居生活
憧れの女子大生作家の橘伊織の住み込み手伝いバイトとして上京した月島芽衣は、橘伊織がじつは男性であることにショックを受ける。世に出ているのは、メディア嫌いの伊織の代役を務めている義理の姉、橘花音だった。ひょんなことから超イケメンの伊織とひとつ屋根の下で暮らすことになった芽衣だったが、無愛想で冷たい伊織の態度に挫(くじ)けそうになってしまう。しかし、一緒にいるうちに、不器用なだけで本当は優しい伊織の気持ちに少しずつ気が付き、伊織への憧れの気持ちがやがて恋へと変わっていく。だが、伊織のデビュー前の幻の作品『君のための物語』を読んでしまった芽衣は、伊織が義理の姉、花音へ片思いしていることを知る。「花音が笑っていたらそれでいい」という伊織の言葉を聞き、芽衣は自分の気持ちを封印して伊織を応援しようと決意する。
イケメン二人との三角関係に発展
芽衣が、伊織の花音への気持ちを応援しようと決めた頃、伊織の著作の映画化が決まる。主演は「国宝級イケメンランキング」2年連続1位の超人気俳優、朝日向宙。リハーサルを見学した芽衣が、顔だけしか評価しない多くの人と違って、自分の演技を見てくれるので芽衣に好意を抱く。やがて、共演者との熱愛が疑われマスコミに追われる宙は、しばらく伊織のマンションで暮らすことになる。積極的に芽衣に近づく宙の姿に、無関心を装う伊織だが、自分でも気づかないうちに芽衣のことが気になるようだった。
ついに自分の気持ちを告白するヒロイン
伊織と花音、伊織の担当編集の時枝郁也は幼馴染(なじみ)。花音と時枝は学生時代から交際しており、伊織もそのことは承知していた。クリスマスの夜、時枝とケンカした花音は、伊織のマンションにやってくる。そして、伊織が芽衣に好意を抱いていることに気づいた花音は、芽衣に対して露骨にマウントをとり始める。子供の頃実の父に捨てられ、今は時枝がいなくなるかもしれないと思った花音は、伊織まで失うのが怖かったのだ。しかし、「時枝と付き合っていながら、伊織にも好きでいてほしいという花音は、伊織の気持ちを無視して利用しているだけだ」と感じた芽衣は、思い余って伊織に告白する。
登場人物・キャラクター
月島 芽衣 (つきしま めい)
高校1年生、15歳の少女。京都出身。数年前母親が再婚し、新しい父親と弟の四人暮らしをしていた。ドジなところがあるが、めげずに頑張る明るい性格。辛いときは本の世界に逃げ込む癖があり、そのおかげで大の小説好きになった。特に現役女子大生作家、橘伊織の大ファン。伊織が住み込みのお手伝いさんを募集していることを知り、応募したところ採用され上京することになる。その後、伊織の正体が男性であることを知るが、なりゆきで伊織と同居することになる。
橘 伊織 (たちばな いおり)
現役大学生の小説家で、20歳の男性。15歳でデビューし、史上最年少で直木賞を受賞した天才作家。人見知りが激しく、表舞台では姉の橘花音(たちばなかのん)が伊織になりすましている。無愛想で、住み込みのお手伝いになった月島芽衣にも冷たく接するが心根は優しい。血の繋(つな)がっていない義理の姉、花音に片思いをし続けている。
橘 花音 (たちばな かのん)
橘伊織の義理の姉で幼馴染。20歳で、伊織が想いを寄せ続けてきた相手。メディアに出ることを嫌う伊織の代わりに「女流作家・橘伊織」として表舞台に出ている。実の父がクリスマスの夜にいなくなり、その後母が伊織の父と再婚したため姉弟になった。伊織の担当編集で、幼馴染でもある時枝郁也と交際している。
朝日向 宙 (あさひな そら)
「国宝級イケメンランキング」2年連続1位、女子高生に超人気のイケメン俳優。15歳で、橘伊織の代表作『月明かり』の実写映画で主演に抜擢される。撮影現場に来ていた月島芽衣に好意を抱き、積極的にアプローチする。伊織のマンションに転がり込んでくるほか、芽衣と同じ学校、同じクラスに編入してくる。
時枝 郁也 (ときえだ いくや)
橘伊織の担当編集の男性。伊織、橘花音とは幼馴染で、メガネをかけた優しそうな25歳の男性。。月島芽衣をお手伝いに採用した張本人。学生時代から花音と交際を続けている。
書誌情報
おうちにかえろう 4巻 集英社〈りぼんマスコットコミックス〉
第1巻
(2021-10-25発行、 978-4088676418)
第2巻
(2022-03-25発行、 978-4088676517)
第3巻
(2022-06-23発行、 978-4088676654)
第4巻
(2022-10-25発行、 978-4088676845)