人気マンガ家になるための15の法則

人気マンガ家になるための15の法則

高校在学中にデビューを果たしたものの、その後は鳴かず飛ばずなまま読み切り作品で糊口をしのぐ少女漫画家と担当新人編集者の二人が、人気の漫画を生み出そうと四苦八苦する姿を描く、ドタバタギャグコメディ。「ComicWalker」で2018年4月11日から2019年2月26日にかけて配信された作品。

正式名称
人気マンガ家になるための15の法則
ふりがな
にんきまんがかになるためのじゅうごのほうそく
作者
ジャンル
作家・漫画家
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

上京してすでに6年。高校在学中にデビューを果たした漫画家の相沢幸枝は、デビュー直後をピークに鳴かず飛ばずの時期が数年間続いていた。帰郷も選択肢に入っていた幸枝は、新作を描き上げて担当編集者との打ち合わせに挑むことになる。そこで新たに担当となった新人編集者の喜多村莉奈を紹介された幸枝は、彼女からいきなり新作の原稿をすべて没にされてしまう。ショックを受ける幸枝に対し、自分のことを覚えていないかと問う莉奈。なんと莉奈は、高校で幸枝と同じ漫研に所属していた後輩の女の子だったのだ。昔と違い、すっかり垢ぬけてしまった莉奈の容貌に驚いた幸枝に対し、莉奈は「こんな駄作量産マシーンになり下がっていたなんて」という毒舌を吐きまくったうえで、プライドを捨てて上達を目指すように進言する。(第1話。ほか、13エピソード収録)

第2巻

新しい雑誌用の選考用ネームの進捗状況を確認するために、相沢幸枝のアパートを訪問した喜多村莉奈が見たのは、布団に入ってスマホをいじり、ソシャゲに夢中になっている幸枝の姿だった。訪問客やさまざまな誘惑が多く、まともな創作活動ができない状況に悩んでいた幸枝は、莉奈の家でネームの作業をすることを提案。微妙に渋る莉奈を説き伏せ、強引に承諾させるのだった。莉奈が暮らしていたのは姉夫婦の家で、莉奈以上に押しの強い姉と、無邪気に騒ぐ甥と姪との対話でインスピレーションを得た幸枝は、難航していたネームを一気に仕上げることに成功する。その後、幸枝はツイッターでバスって書籍化までいった漫画家のことをネットで知る。自分もツイッターで作品をあげようとするものの、弟の相沢龍太からはふつうにネームを描いて出版社に持ち込み、地道に作品を描くことが最も堅実な道であるという、ぐうの音も出ないド正論をかまされてしまう。(第15話。ほか、8エピソード収録)。

登場人物・キャラクター

相沢 幸枝 (あいざわ ゆきえ)

売れない少女漫画家の女性で、年齢は24歳。漫画家としてのペンネームは「愛澤ここな」。背が高く、スタイル抜群の美女で、高校時代から文武両道の目立つ存在だった。高校では漫研に所属しており、在学中に少女漫画家としてデビューを果たすが、ヒット作には恵まれず現在に至るまで鳴かず飛ばずの日々を送っている。勉強から運動まで、漫画以外のことは基本的になんでも器用にこなせる。新たに担当編集者となった高校時代の後輩である喜多村莉奈から漫画に対する態度への厳しい指摘を受け、ヒット作を生み出すべく一念発起。自分なりに日々努力を重ねるようになる。学生時代からほかの生徒のあこがれの的で、さらに人目を引く容姿のため、男性からよく声を掛けられていた。男装も似合うため、執事喫茶でピンチヒッターとして執事の格好をした時は、複数の女性をときめかせていた。しかし、元来コミュニケーション能力が低く、メンタルが弱いことから、ネットで作品の悪口を書かれるだけで3日は寝込んでしまう。高校卒業以来、人との交流が少なかったことから見知らぬ人との会話が非常に苦手で、自宅で誰とも対話せずにこもっていることが多い。莉奈の指示でコンビニエンスストアで働くようになってからは、自然体で人を魅了する会話術を身につける。布団に入ったままご飯やネットを済ませ、冷蔵庫にご飯がないとそのまま寝てしまうなど、かなりの出不精でもある。女子高校生時代は莉奈とさほど交流がなかったが、漫画に対する態度がまじめな莉奈のことを、ひそかにかわいいと思っていた。少女漫画家ながら、実は少女漫画を描くのが苦手。

喜多村 莉奈 (きたむら りな)

一流出版社で編集者をしている女性で、年齢は23歳。ウエーブのかかったロングヘアで、つぶらな瞳が特徴の愛くるしい美人。華奢な体型で背も低い。見た目とは裏腹に毒舌家のドSで、かなりの酒豪。相沢幸枝の高校時代の後輩で、幸枝と同じ漫研に所属していた。漫画が大好きで、漫画にも真摯な姿勢で取り組んでいる。しかし漫画を描くことはなく、もっぱら読む専門だった。高校時代はふくよかな体型だったが、現在はすっかり垢ぬけており、担当編集者となった喜多村莉奈を見ても、莉奈自身が言い出すまで幸枝は彼女が漫研時代の後輩だと気づかなかった。高校時代から幸枝の漫画の大ファンで、彼女を再び売れっ子にするために、志願して幸枝の担当編集者となった。編集者としては有能で、こと漫画に関しての姿勢は非常に厳しく、かなりの毒舌家。幸枝が描く漫画に対しても、容赦なく辛辣なダメ出しをする。何事にもズボラな幸枝に対してスケジュール管理や、創作に没頭できる環境作りの大切さを説いていた。コミュニケーション能力が低く、さらに出不精な幸枝にコンビニエンスストアで働くことを強く勧めたり、勝手に幸枝の部屋の合鍵を作ったりするなど、かなりアグレッシブな性格の持ち主。幸枝が成功することを微塵も疑っておらず、幸枝の能力を絶対的に信頼している。幸枝がほかの人間に笑顔を見せると、つい嫉妬してしまう。酔うとテンションが異様に下がり、限界を超えると目を開けたまま寝てしまう。ホラー映画を苦手としている。

綺羅星 姫歌 (きらぼし ひめか)

少女漫画家で、端正な顔立ちをした美人。ツインテールの髪型にゴスロリ風の服を身につけている。デビューは相沢幸枝より遅いが、連載作品が漫画雑誌の表紙をよく飾っている売れっ子の漫画家。かなりの速筆で、締め切りもしっかり守る。担当編集者は喜多村莉奈が務めている。自尊心が高く、漫画家としての能力と容姿に強いこだわりを持っている。しかし内面は非常に繊細で、すぐに緊張してしまう。とある出版社のパーティーに出席した際に、幸枝と知り合った。幸枝のことを読み切りでよく見かける漫画家であると皮肉ったうえ、綺羅星姫歌自身の漫画の自慢話を矢継ぎ早に披露していた。だが、コミュ障の幸枝からは、自分の代わりにたくさんしゃべってくれるいい人として認識されていた。実は幸枝の漫画の大ファンで、幸枝の一作目からの作品や読み切り漫画を欠かさず読んでいる。それを莉奈にバラされて、赤面して現場から逃げ去ってしまう。なお、莉奈からは漫画に出てくるような酷いツンデレであり、いつもダサい格好をしている女性だと思われている。連載作家として第一線で活躍していることからプロ意識が非常に高く、頻繁に経験に基づいたアドバイスを幸枝に送っていた。アドバイスのあとに赤面しながらアンタのためにやっているのではない、と言い訳するのがパターン化している。幸枝となかよくなってからは、適当な理由をつけて幾度となく彼女のアパートを訪問していた。ホラー映画を非常に苦手としており、内容を想像しただけで失神してしまう。

相沢 龍太 (あいざわ りゅうた)

高校1年生の男子で、相沢幸枝の弟。身長が180センチを超える大柄な体型で口調はぶっきらぼうながら、本当は優しい性格をしている。イケメンで、学校では女生徒から非常にモテていた。文武両道で何事にも完璧だった幸枝を尊敬しており、漫画家になって数年間、一向に芽の出ない幸枝のことを歯がゆく思っている。幸枝が漫画家を辞めればかつての完璧な姉に戻ると考えており、上京して幸枝のもとを訪れて「才能ねーよ」と言い放ち、漫画家を辞めるように強く進言する。しかし、本音では幸枝の漫画が面白いと思っており、幸枝の漫画のファンである綺羅星姫歌と、過去作の内容や登場人物について語り合い、意気投合していた。喜多村莉奈のことは知っていたが、彼女の過去から現在への変わりように驚愕していた。菓子作りが趣味で、プロ顔負けのハイレベルなケーキを作ることが可能。背が高いことから、初めて会った姫歌に「巨木樹」という変なあだ名を付けられる。

玉木 かなえ (たまき かなえ)

少女漫画家としてデビューして8年目の女性。最近は全然ネームを描いておらず、綺羅星姫歌のもとでアシスタントをすることで生計を立てている。喜多村莉奈の勧めで、見聞を広めるために姫歌のもとで一時的にアシスタントをすることになった相沢幸枝と出会った。初対面の幸枝に対し、少女漫画誌では受けない絵を描く人という嫌みを言い放つが、日頃から辛辣な物言いに慣れている幸枝には素直に受け止められ、逆に肯定される。アシスタントに甘んじている現状を憂いており、同じ境遇なのに自然体でいられる幸枝の強さに嫉妬している。飲み会で仕事をエサにセクハラをする男性から助けてもらったことで、幸枝となかよくなった。

松田 (まつだ)

執事喫茶でアルバイトをしている青年。長身のイケメンで、同じくアルバイトをしていた相沢幸枝に、漫画についてのアドバイスを送った。たくさんの漫画を読んでいると自慢しているが、会話中に出てくるのは誰もが知る超有名作品ばかりで、漫画に関する知識は非常に浅い。無思慮で無神経なうえに知ったかぶりなため、幸枝を侮辱した際に、喜多村莉奈から必殺のラリアットを食らって失神に追い込まれる。

書誌情報

人気マンガ家になるための15の法則 全2巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2019-02-22発行、 978-4040654874)

第2巻

(2019-03-22発行、 978-4040655482)

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