概要
大学の教室で出会った彼に惹かれる花。だが彼の正体はおおかみおとこだった。お互いに惹かれあい、やがて2人の子供たちが生まれるが、彼は突然の死を迎え、花たち一家は東京から田舎のオンボロな一軒家へと引っ越す。
登場人物・キャラクター
花 (はな)
大学に通っている頃に教室で見かけた彼に惹かれて恋に落ちる。彼の正体を知っても気持ちが変わる事は無かった。彼と死別して田舎に移り住んでからは、慣れない田舎での生活に苦労しながらも、彼との間に設けた2人の子供を育てる。
韮崎のおばさん (にらさきのおばさん)
ふっくらとした外見で気の良い中年婦人。韮崎の娘で、都会から田舎に引っ越してきた花に親切にしてくれる。
雨 (あめ)
花の子供で雪の弟。雨の日に生まれた事から名づけられた。臆病で内気な性格だったが、次第におおかみの本能に目覚め、人間として生きようとする姉の考えと対立する。
彼 (かれ)
本名は出てこない。運送会社で働きながら人間社会で生活しているが、その正体はおおかみおとこの末裔。自分の意思でおおかみの姿に戻れる。花と結ばれ子を成した後、雨の日に用水路で絶命してしまう。
韮崎 (にらさき)
自給自足のための家庭菜園に何度も失敗する花に助言を与えた農家の老人。愛想が無くぶっきらぼうだが、花を何かと気にかける。
草平 (そうへい)
雪のクラスメイトの男子。「獣臭い」と言った事から雪に避けられていた。自制できずにおおかみになった雪が傷付けてしまうが、誰にもその事実を告げずに雪をかばった。
先生 (せんせい)
小学校をさぼりながら雨が度々山に通っては野性の生き方や大自然の教えを乞うていたキツネ。花はキツネを紹介されるまで、雨の口ぶりから人間の先生だと思っていた。
雪 (ゆき)
花の子供で雨の姉。雪が降る日に生まれた事から名づけられた。活発で明るい性格だが、小学校の入学を境に大人しく振舞うようになる。興奮するとおおかみの姿になってしまう。
草平の母 (そうへいのはは)
母子家庭で育てたせいもあり、溺愛する息子に怪我を負わせた雪に厳しく当たる。再婚相手の子供を妊娠している。