概要
神と人とが別れていない時代の古代ギリシャ。その地を支配する神の一族ティターン神族は、支配者ゼウスとその兄である海の支配者ポセイドンとの間で骨肉の争いをしていた。ポセイドンの息子として密かに育っていた少年アリオンは、ゼウスのもう一人の兄である冥界の支配者ハデスによってさらわれ、暗殺者として成長する。
登場人物・キャラクター
アリオン
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の少年。海を支配する神族ポセイドンとその妻デメテルの息子として育つが、冥界を支配する神族ハデスによって誘拐され、弟である神族の王ゼウスに復讐するための暗殺者として育成された。 しかし、その任務に失敗して逃亡中にレスフィーナに出会い、様々な試練を経て、自分を導く謎の男黒の獅子王に出会う。常に頭に嵌めている金の輪がトレードマーク。人間を凌駕するティターン神族の能力に加えて、暗殺者として訓練で身につけた高い身体能力によって、超人的な戦闘力を発揮する。 後に自分の出生の秘密を知り、原住民族ヘロットを率いて神族への反乱に立ち上がった。
アポロン
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の王ゼウスの息子であり、女神アテナの兄。気ままな放蕩息子として振舞っているが、神の王の座を狙う野心家で、強力な力を持つ。その目的のために妹アテナの侍女レスフィーナを利用しようと狙っている。 自分に惹かれているアテナを相手にしていない。
アレース
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族 の王ゼウスの息子であり、女神アテナの弟。神族の軍勢を率いる姉の副官を務めているが、酷薄で好戦的な性格。
ポセイドン
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の王ゼウスの兄の一人であり、アリオンのでもある海の支配者。父自分を差し置いて王位を簒奪し、過酷な支配を敷く弟のゼウスに対抗して反乱を起こした豪放磊落な漢である。 ゼウス暗殺に失敗し、逃亡してきたアリオンと出会い、息子であることを告げた。しかし、冥界の支配者である神族ハデスの亡霊に操られたアリオンに殺された。
ティターン神族 (てぃたーんしんぞく)
『アリオン』に登場する種族。古代ギリシャを征服し、原住民族ヘロットを支配している神の一族。巨大な地母神ガイアによって生み出され、支配されている。その王が親殺しを繰り返す血の連鎖によって王位が継承される。 当代の支配者ゼウスと、その王位簒奪に不満を持つ兄である海の支配者ポセイドンとの間に戦いが勃発している。
ガイア
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族に君臨する巨大な地母神。宮廷オリンポスの奥深いところにある居室万物を創造し、生み出した息子達と交わって子孫を増やしてきた。孫に当たるゼウスをそそのかして父を殺させ、王位を就けるという「親殺し」の連鎖を通じて支配している。
黒の獅子王 (くろのししおう)
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族のハデスに操られ、父親であるポセイドンを殺してしまい錯乱するアリオンの前に現れた、黒い獅子の仮面を被った謎の男。その正体は、かつて神族に支配されている原住民族のヘロットを率いて反乱を起こした神族プロメテウスだった。 実はアリオンとも深い縁がある。
ギド
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族のハデスにさらわれたアリオンが冥界で出会った三つ目の巨人。幼いアリオンを殺そうとするが、逆に倒されて仕えるようになった。それ以後はアリオンにつき従い、家来のような存在となる。
ヘラクレス
古代ギリシャの原住民族ヘロットの一部族の王リュカオーンに仕える大男。征服者である神の一族ティターン神族への反乱に立ち上がったアリオンに従う。
レスフィーナ
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の女神アテナの侍女である少女。言葉を話すことが出来ない。神族の王ゼウスの暗殺に失敗してアテナの率いる軍勢に捕えられたアリオンと偶然出会い、強く惹かれあう。 ゼウスに封印されている力を持ち、アテナの兄アポロンに強い関心を示されている。
デメテル
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の女神であり、アリオンの母。アリオンの出産後、視力を失った。人目を忍んで、幼いアリオンと共にひっそり暮らしていた。しかし、神族の王ゼウスへの復讐を企む冥界の支配者ハデスに、アリオンを奪われる。
ヘロット
『アリオン』に登場する種族。古代ギリシャの原住民族であり、オリンポスに降臨した神の一族ティターン神族によって征服され、被支配民族として過酷な境遇に置かれている。かつてティターン神族の王ゼウスに反旗を翻した神族の戦士プロメテウスに率いられて反乱を起こすが鎮圧され、雌伏を余儀なくされている。 リュカオーンやヘラクレスがこの民族に属する。
ゼウス
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の王であり、息子のアポロンとアレース、娘のアテナがいる。宮廷のオリンポスに君臨し、原住民族のヘロットに過酷な支配を強いていた。神族の地母神ガイアにそそのかされて父を殺し、兄のポセイドンやハデスを差し置いて王位に就いた。 そのために恨まれており、ポセイドンの反乱やハデスの仕掛ける暗殺の脅威に晒され、疑心暗鬼に囚われている。 神族の戦士プロメテウスに「自らの子に殺される」と予言され、アリオンをその運命の子として、極度に恐れる。
アテナ
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の王ゼウスの娘であり、その軍勢を率いる戦大将。美しく武芸に優れ、意思の強い女傑。兄の神族アポロンに強く惹かれているが相手にされていない。そのため、兄が強い関心を示すレスフィーナに激しく嫉妬している。 弟の神族アレースを副官にしている。
セネカ
小麦色の肌をした人間の孤児。盗賊稼業で独り戦乱の世を生き抜いてきた。神族の王ゼウスの暗殺に失敗して逃亡中のアリオンと出会い、行動を共にする。実は、ある秘密を抱えている。
ハデス
古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の兄の一人。弟である神族の王ゼウスによって冥界に追いやられた恨みから、兄弟の神族ポセイドンの息子アリオンをさらって、暗殺者として育成する。 しかし、ゼウス暗殺に失敗し逃亡中のアリオンに出会って殺される。死後、亡霊としてアリオンを操り、ポセイドンを殺させた。
リュカオーン
古代ギリシャの原住民族ヘロットの一部族の王。自分達の地を征服した神の一族ティターン神族に対して、神族の戦士プロメテウスに率いられて抵抗したが、戦い敗れて山の中で隠遁している老人。大男のヘラクレスが護衛として仕えている。 アリオンと出会い、その宿命を教え、共に再び神族への反乱に立ち上がる。
場所
オリンポス
『アリオン』に登場する城。古代ギリシャを支配する神の一族ティターン神族の暮らす宮殿。荒涼たる山の上にあり、その内部に神族の地母神ガイアや王のゼウスがいる。