青春を取り戻したい二人のドタバタラブストーリー
女子高出身のわかばは、高校時代を青春や恋愛とは無縁の「陰キャ」として過ごしていた。大学入学を機にイメチェンを決意し、メイクやファッションで周囲に溶け込もうと努力するものの、理想とは裏腹にうまく馴染めず、経験できなかった青春へのあこがれだけが募る日々を送っていた。そんなわかばが20歳のハロウィンの日、あこがれの制服コスプレをして街へ繰り出すと、偶然高校生の郁斗と出会う。罪悪感を抱きつつも流されるままに制服デートを楽しんでいると、実は郁斗も制服の仮装をした20歳の大学生だと判明する。さらに、同じ大学に通っていることがわかり、二人は顔を合わせる機会が増え、自然と距離を縮めていく。そうして郁斗との交流が深まるにつれ、わかばは彼に恋心を抱いていることを自覚するのだった。
内気な空回り女子×硬派なクール系男子
大学生のわかばは、見た目こそ今時の女子だが、内面は非常に大人しく内気な性格の持ち主。人付き合いが苦手で、親しい友人もいない。まじめで純粋なため、時に考えすぎて空回りしてしまう不器用な一面もある。一方、郁斗は大学のバスケットボールサークルに所属する硬派な青年。端正な容姿を持ちながら、高校時代は部活動一筋だったため、女性との交際経験はまったくない。そんな郁斗は、青春を取り戻したいと願うわかばの切実な思いに理解を示し、制服デートなどの提案も柔軟に受け入れる。ふだんはクールで感情をあまり表に出さない郁斗だが、わかばが懸命に奮闘する姿を見ると、思わず笑みがこぼれてしまう。わかばの純粋なペースに巻き込まれるうちに、気だるげで無表情だった郁斗の意外な一面が次第に明らかになっていく過程が、本作の最大の魅力となっている。
制服デートから始まる青春恋物語
青春を取り戻したいと願うわかばには、長年抱き続けてきた「制服デート」という夢があった。わかばは郁斗と共に文化祭や遊園地を訪れ、その夢を一つひとつ叶えていく。当初は学生カップルらしいデートを楽しんでいた二人だったが、次第に制服という仮の姿を超えて、本当の自分たちを知りたいという気持ちが芽生え始める。そして、デートは私服で過ごすようになり、不可抗力ながら郁斗の家で一泊したことをきっかけに、二人の距離は急速に縮まっていく。しかし、恋愛経験のない二人はなかなか恋人同士の関係に進めず、もどかしい距離感の中でゆっくりと心を通わせながら、やがて本当の恋人へと発展していく。
登場人物・キャラクター
茅野 わかば (かやの わかば)
とある大学に通う1年生の女子。年齢は20歳。女子高出身で大学受験に専念していたため、恋愛経験はゼロ。純粋で何事にも全力で取り組むまじめな性格だが、少し世間知らずな一面もある。大学に進学後は、慣れないながらもメイクやファッションに気を配り、周囲に合わせて努力している。しかし、賑やかな飲み会の場では周囲のノリについていけず、戸惑うことが多い。郁斗と出会ったことで、次第にありのままの自分を出せるようになり、やりたいことや本音を素直に伝えられるようになる。
橘 郁斗 (たちばな ふみと)
わかばと同じ大学に通う1年生の男子。年齢は20歳。キャンパスが異なるため、ふだんはほとんど顔を合わせる機会はない。ハロウィンの日、友人に誘われて渋々制服の仮装をしたが、待ち合わせ直前にキャンセルされてしまう。仕方なく帰宅しようとしていたところ、男性に強引にナンパされていたわかばを目撃し、彼女を助けたことがきっかけで知り合った。整った容姿の持ち主だが、高校時代はバスケットボールに打ち込んでいたため、わかばと同様に青春らしい経験に乏しい。わかばと過ごす時間を楽しいと感じており、ふだんは感情をあまり表に出さないものの、彼女を笑顔にしたいという気持ちが強い。両思いになってからは、嫉妬心も素直に表現するようになった。
書誌情報
おくれまして青春 5巻 講談社〈KC デザート〉
第1巻
(2024-03-13発行、978-4065350737)
第2巻
(2024-08-09発行、978-4065366226)
第3巻
(2025-01-10発行、978-4065381199)
第4巻
(2025-07-11発行、978-4065397800)
第5巻
(2025-11-13発行、978-4065414804)







