あらすじ
第1巻
高校生時代は地味であか抜けない印象の萩野紫苑は、就職してビューティーアドバイザーとなり、人をキレイにする仕事にやりがいを感じていた。仕事柄、紫苑自身も容姿に気を遣うようになり、男性から褒められることも多くなったものの、今から10年前の高校生の時、片思いをしていた長谷川に酷い言葉でふられたことがトラウマになり、未だに恋愛ができずにいた。そんなある日、飲み会に参加した紫苑は、ふとしたきっかけで過去のトラウマがよみがえり、高校生の恋愛を引きずっている自分に嫌気が差す。すると突然、紫苑は10年前の長谷川にふられた次の日にタイムスリップしてしまう。17歳当時の容姿に戻った紫苑だったが知識はそのままで、ビューティーアドバイザーとして身につけたメイク技術を活かして、あか抜けた大人っぽい女性に変身し、2度目の高校生活を送ることになる。そんな中、紫苑は親友の美月が、自分が片思いをしていた長谷川に思いを寄せていることに気づく。自分より美月の恋が成就して欲しいと願う紫苑は、二人をくっつけるべく奔走する。しかし紫苑は、昔のように長谷川の言動に胸をときめかせてしまうのだった。
第2巻
萩野紫苑、長谷川、美月たちは修学旅行先の京都を楽しんでいた。旅行中、紫苑は長谷川と二人きりになる機会も多くなり、胸のときめきが止まらないでいたが、美月のためにも平静を装っていた。しかし、長谷川は何かと紫苑にちょっかいを出し、美月はそんな二人をうらやましく眺めていた。そして最終日の夜、美月は長谷川と二人きりで話す機会を得る。そこで美月は、以前長谷川からの告白を断ったが、今は好きだと告白する。一方の長谷川は昔は美月が好きだったが、今は紫苑に片思いをしていたことを正直に話す。そして、長谷川が紫苑の告白を断ったのは、美月が自分の代わりに紫苑をあてがおうとしているとカン違いしたからであり、本当は紫苑のことが好きだったと打ち明ける。一連の話を偶然聞いてしまった紫苑は、長谷川と両思いであったことに幸せを感じていた。また、美月も紫苑と長谷川に幸せになって欲しいと、心から二人を応援することを誓う。すべてがうまくいきそうになった瞬間、紫苑は空間がゆがむ音を耳にする。
登場人物・キャラクター
萩野 紫苑 (はぎの しおん)
ビューティーアドバイザーを務める独身女性。年齢は27歳。10年前の高校生の時、長谷川に告白をして酷い言葉を浴びせられふられてしまう。その一連の出来事がトラウマとなり、これまで恋愛ができずにいる。ある日の飲み会で突然そのトラウマがよみがえり、自暴自棄になっていたところで、記憶や経験は27歳当時を保ったまま、長谷川にふられた次の日にタイムスリップしてしまう。最初に17歳だった時は地味であか抜けない見た目をしていたが、タイムスリップ後はビューティーアドバイザーの経験を活かし、大人びた美しい容姿に変貌を遂げる。そして、親友の美月が長谷川に片思いをしていたことを知り、二人の恋を応援するために奔走するが、その一方で、萩野紫苑自身も長谷川に対してときめきを覚えてしまい、どうすればいいのか悩んでいる。また、タイムスリップに関しては夢だと思い込もうとしている。
長谷川 (はせがわ)
10年前、萩野紫苑がタイムスリップをする前に彼女から告白され、酷い言葉でふった男子高校生。年齢は17歳で、紫苑と同じクラスに在籍している。紫苑から告白を受けたあとは、そのまま疎遠になっている。タイムスリップ後は紫苑の見た目が変わっただけでなく、長谷川自身に対して積極的に声を掛けてくるようになったこともあり、親しく接するようになる。非常に整った顔立ちのイケメンで、周囲から恋心を寄せられることが多い。しかし、以前好意を寄せてくれた女性と適当に交際をして、相手を傷付けてしまった過去があり、これからは本当に好きな相手としか交際しないと決めている。紫苑をはじめ、告白してきた相手に対してわざと酷い言葉を口にするのは、中途半端なことを言って相手に希望を持たせないためである。また、かつて美月に告白をしてふられた経験がある。
美月 (みつき)
既婚者の女性。萩野紫苑とは高校時代からの親友。年齢は27歳で、現在は妊娠中。10年前に紫苑が長谷川に告白をして、酷い言葉でふられたことを知っており、それがトラウマで紫苑が現在も恋愛できないことを心配している。紫苑がタイムスリップして、2度目の17歳になってからも変わらず親しくしている。紫苑には隠しているが、長谷川から告白をされた過去があるが、当時は気持ちがなかったために断っている。しかし、いつしか長谷川に思いを寄せるようになるが、その時は紫苑が長谷川に恋心を抱いていたため、美月自身は何もせずに終わっている。非常にかわいらしい容姿の持ち主で、メイクもうまくファッションセンスもいい。素直な性格で、誰からも好かれる人気者。さらに明るくコミュニケーション能力も高いため、彼氏が途切れることがない。今でも紫苑との友情を大切にしている。
佐原 (さはら)
10年前、萩野紫苑と同じ高校に通っていた男子。長谷川とはクラスメートで親しくしている。紫苑がタイムスリップをする前の17歳の時には紫苑とかかわることはなかったが、紫苑がタイムスリップしたあとは美月に恋をしたこともあり、紫苑とも会話を交わすようになる。
橘 かず実 (たちばな かずみ)
10年前、萩野紫苑と同じ高校に通っていた女子。クラスメートだった。紫苑がタイムスリップをする前の17歳の時は紫苑とかかわることはなかったが、タイムスリップしたあとの17歳の紫苑のことは、自分と対等に向き合ってくれるからと気に入っている。メイクのうまい紫苑を見て、自分もメイクして欲しいとお願いしたことで親しくなる。明るく楽観的な性格で、すぐに男子を好きになってしまう恋愛体質。とりあえず好きだと感じた相手とは、軽いノリで交際をスタートさせる悪癖がある。