あらすじ
時は現代。かつて日本中を騒がせた伝説の六人組、松野おそ松を中心とする松野家の六つ子は、ひそかに成長を遂げていた。そんな六つ子は大人になったにもかかわらず、全員が無職で彼女もいなければ目標もない自堕落な生活を送っていた。六つ子は両親のスネをかじりながら、時には兄弟ゲンカをしながらも、のんびりとニート暮らしを楽しんでいた。腐れ縁のイヤミや幼なじみの弱井トト子、おでん屋のチビ太たちを巻き込みながら、おそ松たちの周りにはさまざまな騒動が巻き起こっていた。そんなある日、いつものように松野松代におやつをねだっていた六つ子だったが、大人になっても当たり前のようにおやつをせがんでくる息子たちに呆れ、ニートの息子よりも番犬の方が役に立つと怒りながら外出してしまう。家に残されたおそ松たちが松代の様子に多少の焦りを見せていると、そんな状況を知らずに怪しい男が松野家に侵入してくる。その男は指名手配中の空き巣だったが、侵入早々に六つ子に気づかれてしまった空き巣は、家の点検と言いながらごまかす。六つ子はその男に見覚えがあると思いながらも適当に相手をしていたが、松野チョロ松に怪しまれた途端に焦り出した空き巣は、とっさにおそ松を人質に取る。(エピソード「六つ子と空き巣の仁義なき戦い」)
私立おそ松学園では、今日も少女漫画のような出来事であふれていた。なかなかあこがれの出来事に巡り合えず恋愛フラグにも恵まれない学生のトト子は、友人たちとは異なる平凡な学園生活にがっかりしていた。そんなある日、トト子は学園のスターとして知られる人気グループ「F6」に遭遇する。ほかの女子たちと同様にF6にあこがれを抱くトト子だったが、平凡な自分とは住む世界が違い過ぎるとあきらめていた。そんな中、偶然トト子と目が合ったF6メンバーの一人であるF6十四松は、トト子に接近。そしてこの日をきっかけにF6メンバーに気に入られたトト子には、平凡な日常を抜け出してイケメンに囲まれる楽しい日々が訪れる。しかし、それはトト子が想像する少女漫画のような展開とは程遠い、奇妙なシチュエーションだった。(エピソード「おそ松学園のスター・F6!」)
弟たちがみんな不自然に出かけたためにヒマになったおそ松は、一人で町中をふらふらする途中でイヤミに遭遇する。おそ松はある仕事をきちんとこなせば、スターの舞台を無料で見られるという話をイヤミから聞く。イヤミから依頼された仕事内容は、係員としてスターの男性・大和台すごろくの接待をこなし、彼を上機嫌のままで舞台に送り出すことだった。さっそく楽屋に向かってすごろくと対面するおそ松だったが、テレビでは見たことがない人物だったことで困惑する。おそ松は周囲を観察しながら、すごろくがなんのスターなのかを推測しようと試みるが、衣装も奇抜で何をしている人なのかすらわからず、さらに混乱するばかりだった。不自然な言動から、すごろくはおそ松が自分のことを知らないと気づくが、世代が違うから無理もないと受け入れる。話がわかる相手だと気づいた途端、おそ松は急にすごろくに対して慣れ慣れしくなり、接待のことをすっかり忘れてしまう。(エピソード「スターが来たよ!」)
いつものようにおでん屋で飲み食いをした六つ子は、金を持っていないことに怒ったチビ太に追い出されて酔っぱらったまま帰ることになる。帰り道で酔い潰れているデカパンを見つけるが、彼は謎のビンを抱いたままゴミ捨て場で眠っていた。ビンの中身を酒だと思って勝手に飲んでいた六つ子は、次の瞬間に全員が猫の姿に変身する。デカパンが酔っぱらって寝ているため、元に戻る方法がわからないまま、猫化した六つ子は街をさまようことになってしまう。しかし、おそ松と猫好きの松野一松だけは、猫になれたことを非常に喜んでいた。さっそく猫にしかできないことをやろうと、チビ太をからかうために向かったおそ松たちはイタズラを楽しんでいたが、路地裏に入った途端にこの一帯のボスらしき野良猫に遭遇して意気消沈する。猫の世界ですらカースト最底辺だと自覚し、がっかりするおそ松たちだったが、実はさっきはぐれた一松がわずかな時間でボス猫と化していたのだ。そこへ元に戻る薬を作ったデカパンが駆けつけるが、ボス猫になった一松は人間に戻らず猫のまま生きたいと言い出す。一松の気持ちを察したおそ松たちは、彼の夢と決意を受け止めて送り出すのだった。(エピソード「もしも六つ子が猫になったら?」)
友人が次々と結婚していき、一人で焦りを感じるトト子だったが、投資に失敗したトト子の父が借金を抱えてしまう。借金返済のために両親から勧められたのは、莫大な資産を持つ不動産王との縁談だった。しかし、縁談相手である不動産王はブルドーザーのような顔をした男で、トト子の父は借金返済のためとはいえ愛娘を簡単に送り出したくないと苦悩する。そんな父親の心配をよそに、友人たちの結婚ラッシュに焦るトト子は、すぐにでも不動産王と結婚してセレブになりたいと言い出す。勝手に聞き耳を立てていた六つ子は、結婚に猛反対するがトト子の意思は変わらず、彼女は性格もいいとはいえない不動産王のもとに嫁いでしまう。その日の夜、セレブな豪邸で暮らすことになったトト子だったが、ベッドが大きすぎて落ち着かず眠れなくなってしまう。ふと窓の外を見たトト子の前には、彼女を心配してやって来た六つ子が届け物を持って現れる。(エピソード「トト子の結婚」)
六つ子が家でのんびりと寝正月を過ごしていると、松野家にはイヤミやチビ太たちが次々と尋ねてきた。イヤミたちは毎年恒例の隠し芸大会に参加するためにやって来ていたが、その目付きや雰囲気はいつもと明らかに違っていた。毎年段ボールを使ったモグラ叩きの隠し芸をやっていた六つ子は、今年もそれで乗り切ることにしたが、今年の優勝者にはハタ坊からの賞金が出ると発表される。それを知った六つ子は目の色を変え、優勝を目指して新しい隠し芸のネタを練るために奮闘する。しかし、六つ子以外の参加者も賞金目当てでギラギラと目を輝かせながら、次々とハイレベルな隠し芸を披露してくる。焦った六つ子は結局自暴自棄となり、去年と同じモグラ叩きを披露する。予想外なことにハタ坊に気に入られた六つ子が優勝を獲得するが、次の瞬間には六つ子を含む参加者が全員、鎖で拘束されてしまう。(エピソード「1億円争奪!かくし芸大会」)
庭で草むしりをしていた松代のもとに、ある人物から一通の手紙が届く。それは毎年この時期に桃狩りを開催している「桃源園」の園長からの挑戦状であった。松代が率いる六つ子は、いつも桃狩りのたびに桃源園の桃という桃を狩りつくし、桃農家のあいだでは伝説の家族と噂されていた。そんな松野家を出入り禁止にもせず、今年も桃狩りに招待した園長には、六つ子を抑えるためのある秘策があった。いつものように桃を狩りつくそうと走り出す六つ子だったが、若い女子を大量投入した園長の秘策の前に、緊張でもじもじした六つ子はいつものペースで桃狩りができなくなってしまう。(エピソード「松野家VS農園家」)
テレビでボディーハッキングの特集を見たおそ松とチョロ松は、体にカプセルを埋め込むことで生活を便利にするこのシステムに興味を持つ。チョロ松の提案でデカパンにボディーハッキングを頼むことにしたおそ松だったが、実際に使いこなすには金をチャージする必要があり、おそ松は金を使ったボディーハッキングをあきらめる。その日は腕が光ったり、音が鳴ったりする遊び用のカプセルを埋めて帰ったおそ松だったが、次の日には獣耳と尻尾、さらに次の日には動物のヒゲや獣毛を埋め込んだ状態で帰ってくる。整形手術がやめられなくなったかのように、ボディーハッキング中毒に陥ったおそ松だったが、体の見た目も動きもどんどん人間離れしていく彼を見たチョロ松は心配する。しかし、チョロ松を押しのけたおそ松は聞く耳を持たず、さらなるボディーハッキングを求めて外出しようとする。(エピソード「ボディdeハッキング」)
アイドルを目指すトト子は、売れないながらも地道に活動を続けていた。そんなある日、トト子は会場のオーナーにライブを終了するように言われる。ほかのアイドルと違って売れないことに悩むトト子は、とことん飲もうといつものようにチビ太のおでん屋に向かうが、そこには酒におぼれた地下アイドルの橋本にゃーがいた。売れっ子ゆえの悩みを抱えるにゃーはトト子と意気投合し、アイドルを辞める前にオーナーをギャフンと言わせたいと言いながら愚痴をこぼし合う。次の日、酔った勢いでにゃーと連絡先を交換していたトト子は、いつものように話を盗み聞きしていた六つ子の提案で、にゃーとアイドルユニットを組むことになる。だが、お互いの顔を見た途端に素直になることができず、ケンカやいがみ合いばかりしてしまう。(エピソード「アイドルユニット誕生」)
風が冷たい冬のある日、外出していた六つ子は、松野松造から借金しているにもかかわらず、六人とも金がまったくないことに悩んでいた。そんな六つ子たちは急に羽振りのよくなったトト子に遭遇するが、彼女はとある金稼ぎ術に成功したと自慢する。トト子が成功させたのはSNSで使えるスタンプの作成と販売で、六つ子への蔑みをもとにした個性的なスタンプが意外にヒットし、思わぬ収入につながったのだという。トト子の成功を羨み、楽して金を稼ぎたいともくろむおそ松の提案で、彼らはトト子と同様にSNSのスタンプを考えることになる。さっそく帰宅して紙にデザインを起こす六つ子だったが、40種類のスタンプを考えるのは思ったよりも大変で、六つ子が思いつくのは平凡なものや売れそうにないものばかりだった。兄たちのおいしいところをかすめ取ろうともくろんでいた松野トド松ががっかりする中、松野カラ松のデザイン画が何者かに破られてしまう。(エピソード「六つ子流荒稼ぎ法」)
関連作品
テレビアニメ
本作『おそ松さん』は、2015年10月よりテレビ東京ほかで放映されたテレビアニメ『おそ松さん』を原作としている。原作アニメ版は赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』を原作とするギャグコメディで、大人になった松野おそ松を中心とする六つ子たちの騒がしい日常を描いており、舞台化や映画化を中心に多数のメディア化やコラボレーションが展開されている。監督は藤田陽一、キャラクターデザインは浅野直之が務めている。キャストは松野おそ松を櫻井孝宏が演じている。
登場人物・キャラクター
松野 おそ松 (まつの おそまつ)
松野家の長男。目立った特徴のない平凡な容姿で、成長するうちに個性が生まれていった六つ子の基本形となっている。イメージカラーは赤色。私服にこだわりはなく、いつも赤いパーカーとジーンズを身につけ、シンプルな恰好を好む。小学生の頃のメンタルのまま大人になった奇跡のバカで、つねに能天気で明るい性格をしており、笑顔や子供っぽい表情を浮かべている。また照れたときや嬉しいときなどに、鼻の下をこする癖がある。毎日のようにパチンコや競馬を楽しんでいる大のギャンブル好きだが、負けてばかりいる。個性的な弟たちをまとめる六つ子のリーダー的な存在で、六つ子の中で一番ケンカが強い。しかし、計画性がなくいい加減なところがあり、その時の思いつきで、無責任に周囲を巻き込んでいる。六つ子の中では、最もがめつくてせこいために、つねに楽をして金儲けをしようとしているが、面倒くさがりで飽きっぽいためにうまくいかないことが多い。兄弟で張り合うたびに持ち前の要領のよさと、ずる賢さで弟たちを出し抜き、しょっちゅう弟たちを振り回している。兄弟の中では基本はボケ担当でありながら、松野チョロ松がいない時などはツッコミ役をこなすこともある。弟たちの前では大口を叩いているが、意外と人見知りでシャイな一面もあり、一人のときは女性に声をかけることもできない。それでもここぞというときは、長男らしい威厳とリーダーシップを発揮している。ふだんはヒマつぶし代わりに弟たちにちょっかいを出して苛立たせているが、たまに弟思いな一面や兄らしい面倒見のよさを見せることもある。
松野 カラ松 (まつの からまつ)
松野家の次男。六つ子の中では最も眉毛が太く、クールで鋭い表情を浮かべることが多い。イメージカラーは青色。私服は革ジャンや革靴、派手なジーパンなどを愛用し、よくサングラスをかけている。自分が大好きなナルシストな性格で、時折自分の顔や名前がプリントされた自作の服を身につけている。自分にしか興味がないほどに自己愛が強く、登山の時ですら自分の写真を持ち歩いている。中二病な言動が目立ち、かっこよく振る舞おうとしたり兄弟愛にあふれた行動を取ったりすることが多いが、大抵は失敗や空回りに終わっている。ファッションに強いこだわりを持ち、松野トド松とファッション対決を繰り広げたこともある。音楽が趣味でギターを演奏し、時折自作の歌を披露しているが、いつも妨害されて最後まで歌うことができない。この強烈で異様なセンスから、兄弟をはじめとする周囲から「痛い人」扱いされることが多い。何かと自分をかっこよく見せようとするものの方向性がズレており、周囲を苛立たせたり無視されたりしている。また兄弟に置いてけぼりにされるなど、理不尽な目に遭ったり冷たい扱いを受けたりすることもあり、特に松野一松からはきつく当たられている。「ブラザー」や「ガールズ」などやたら英単語を多用するが、英語を理解しているわけではなく、英会話もまったくできない。公園で出会った有名プロデューサーに見込まれ、一時は芸能界デビューに燃えていたが、プロデューサーが記憶喪失になっていただけで、ただのカンちがいで終わる。
松野 チョロ松 (まつの ちょろまつ)
松野家の三男。六つ子の中で最も瞳が小さく、眉が垂れている。いつも髪を整えているため、六つ子の中で唯一アホ毛が生えていない。私服は緑色のチェックシャツとジーパンを着用し、リュックを背負っている。イメージカラーは緑色。六つ子の中では比較的まじめな常識人のため、ツッコミ役を担うことが多い苦労人。ただし怒ったときは、ほかの兄弟以上に口や素行が悪くなる。六つ子の中では最も細かいことにうるさく、潔癖で神経質なところがある。自分をはじめとする兄弟全員が無職・童貞な現状に危機感を抱いており、兄弟をハローワークに連れて行こうとするなど、就職や自立をうながしている。六つ子の中で自分が一番まともだと思い込んでおり、就職や結婚、親孝行などにも積極的で大口を叩くが、優柔不断であるために結局は行動を起こすことはなく、口だけで終わるパターンが多い。どんなことも形から入るいわゆる意識高い系で、準備や下調べだけに長い時間を費やしたり、無駄に専門用語を連発したりすることがある。意識の高さが空回りしがちで、細かいところにこだわり過ぎる悪癖を、よく松野おそ松や松野トド松にいじられている。松野カラ松ほど奇抜ではないものの、私服のセンスがダサいといじられている。アイドルやアニメが好きなオタクで、地下アイドル・橋本にゃーの大ファン。
松野 一松 (まつの いちまつ)
松野家の四男。スウェットシャツとジャージを身につけ、つねに半目で猫背気味。眠たそうな表情で笑顔も冷めており、髪はボサボサに乱れている。イメージカラーは紫色。六つ子の中で最もネガティブ思考で、劣等感の塊のような性格をしている。自虐的かつひねくれた言動が多く、基本的にマイペースに振る舞っている。ふだんは無口でおとなしいが、暴走すると兄弟でも予想できない行動に走ることがある。また、いざというときに笑いをこらえるのを苦手としている。兄の松野カラ松を異様に毛嫌いしており、服ごと掃除機で吸い取ろうとしたり、彼のタンクトップを刻んだりするなど、冷たい態度を見せることが多い。兄弟の中では松野十四松と仲がよく、よくいっしょに行動している。大の猫好きでよく野良猫を連れており、困ったときは多数の猫を呼び出す。猫には懐かれているが、人間の友人がいないことにコンプレックスを抱いている。デカパンの薬でうっかり猫の姿になった時は大喜びし、人間に戻らずに猫のままで生きようとしていた。友人はいらないと何かと排他的だが、兄弟と同様に女性に対する興味はあり、モテるための情報や秘訣にはそれなりに敏感。松野トド松と共にラッパーに興味を持ち、彼とラップ対決を繰り広げたことがある。
松野 十四松 (まつの じゅうしまつ)
松野家の五男。目の焦点が合っておらず、口が大きく開いている。頭部には1本のアホ毛がアンテナのように伸びている。袖が長く伸びてダボダボになったパーカーと海パンを着用し、スリッパを履いている。私服は野球の黄色いユニフォームを着用し、野球帽をかぶっている。イメージカラーは黄色。爪のあいだに砂が詰まっているなど、指先が汚れていることが多い。兄弟でも予想できないような破天荒な言動や行動が多い明るい狂人で、いつも元気いっぱいでテンションが高く、話の流れや空気を読むという概念がまったくない奇行癖を持つ。また、全身がねじれたり耳から水を出したりするなど、体の構造がかなり人間離れしており、謎が非常に多い。口からグミのような謎の物体を吐き出すと、記憶をなくしてしまう。テンションに変なスイッチが入って暴走すると、兄弟でも止められなくなる。一見明るく六つ子の中では最も天然な性格に見えるが、金に目が眩んだ松野トド松の観察日記を書くなど、急に腹黒さや思慮深い一面を見せることがある。兄弟の中では松野一松と仲がよく、いっしょに行動していることが多い。無類の野球好きで、自前のバットでよく素振りの練習をしている。体を動かすのが好きで運動神経は全般的によく、思わぬ怪力を発揮することもある。
松野 トド松 (まつの とどまつ)
松野家の六男で、六つ子の末っ子。六つ子の中では黒目が最も大きく、口は小さめでアヒル口のようになっている。いつもジーパンの裾をまくり上げ、ニット帽をかぶっていることが多い。私服はネクタイとYシャツを着用し、中折れハットをかぶっている。イメージカラーはピンク色。兄たちからは、「トッティ」の愛称で呼ばれることもある。六つ子の中では最も交友関係が広く、コミュニケーション能力も高い。人前では愛嬌のある表情を見せることが多く、世渡り上手でもある。おしゃれや流行には敏感で、六つ子の中で唯一スマートフォンを所持している。SNSにハマっていた時はかっこいいハンドルネームを使ったり、ウソをついておしゃれな男性を装ったりしていた。末っ子らしいかわいさを利用するなど、あざとく腹黒い一面を持つ。また、松野おそ松と同様にがめついところがあり、金のために兄たちを利用しようとすることもある。就職・女性関係ともに兄弟たちを出し抜こうとしているが、いつも失敗に終わっている。異様にドライで冷淡な性格から、松野チョロ松やおそ松には「ドライモンスター」呼ばわりされている。末っ子という立場から、兄に損な役回りを押し付けられることも多く、よくツッコミ役に回っている。多数の化粧水やジェルをそろえるなどスキンケアにこだわりがあり、就寝中に布団が濡れるほどに時間をかけている。お化けや幽霊といった怪談が苦手。
弱井 トト子 (よわい ととこ)
六つ子の幼なじみで、松野家の近所にある魚屋「魚忠」の一人娘。濃い茶髪のロングヘアを二つのおさげにまとめ、カチューシャを付けている。ピンクのセーターとミニスカートを着用しており、自他共に認める美少女。よくも悪くも思ったことをはっきりと口にする素直な性格で、かわいらしい容姿とは裏腹に強気で暴力的なところがある。六つ子にとっては昔からあこがれのマドンナ的な存在で、付き合いが長い。松野夫妻やチビ太以外で、六つ子の顔を見分けられる数少ない人物。ふだんは六つ子を冷たくあしらっているが、まったくめげない兄弟からはのぞき見や盗み聞きをされている。さらに六つ子の奇行に振り回されたり、反対に彼らをトラブルに巻き込んだりすることも多い。華奢な見た目ながら肉体は強靭で腕っ節も強く、ボディブローを得意としており、六つ子が束になっても敵わない。六つ子と同様に20歳を超えているが、定職にも就かずアイドルを目指している。しかし、魚をイメージした衣装が奇抜すぎることもあり、CDやグッズなどはまったく売れていない。スタイル抜群ながら、自己中心的な性格が災いしてなかなか男運に恵まれず、友人が次々と結婚していく状況に焦りを感じている。地下アイドルの橋本にゃーとはライバル関係で、会うたびにケンカしているが、ある出来事で意気投合してユニットを組むことになる。周囲の結婚ラッシュと借金をきっかけに不動産王のもとに嫁ぐが、豪邸の暮らしに慣れずに六つ子と再会したことで、結婚をやめて実家に戻った。
イヤミ
六つ子と腐れ縁ともいえる関係の男性。独特の髪型にキツネ目で、赤紫色のスーツをまとっている。大きな出っ歯が特徴。嫌みでずる賢くプライドが高い性格ながら、個性的な人物が多い中で数少ない常識人でもあり、特に六つ子相手にはツッコミ役を担うことも多い。六つ子よりも年上だが、彼らとは幼少期からの付き合いで、友人のようなライバルのような複雑な関係が続いている。語尾に「ざんす」を付けて話し、驚いたときなどは「シェー」と言いながら変なポーズを取るギャグを披露する。自分を「おフランス帰り」だと言い張るが、実際にフランスに行ったことはない。昔から六つ子に何かと絡んでは金儲けのために利用しようとするが、毎回失敗して返り討ちにされたり、六つ子の予想外のクズさに翻弄されて終わったりすることが多い。 弱井トト子やチビ太とは異なり、六つ子を見分けることができず、適当にまとめて「クズ松」呼ばわりしている。何もない殺風景なボロ家で一人暮らしをしており、借金を抱えている。しかし人前では意地を張って、あえて邪魔な物を置かない合理主義者・ミニマリストを自称している。金儲けや仕返しをはじめ、自分の目的のためなら手段を選ばないところがある。また、かつて主役だった栄光を取り戻すことに燃えており、あの手この手で六つ子を蹴落とそうとしている。六つ子と同様に女性との縁には恵まれず、婚活に力を入れた結果、謎の部族の格好をした女性との結婚が決まった。しかし、実際はコンサルタントを装った詐欺師に騙されていただけで、婚活は失敗に終わった。
チビ太 (ちびた)
六つ子の幼なじみの青年。小柄な体型で1本だけ毛が生えたツルツル頭に、猫のヒゲのような3本線が頰にある。独特のべらんめえ口調で、「てやんでぇ」や「バーロー、チクショー」が口癖。幼少期からのおでん好きが高じて、夜には「ハイブリットおでん」という屋台を営んでおり、昼間も別の仕事をしているかなりの働き者。弱井トト子と同じく、六つ子を見分けることができる。かつては六つ子とライバルのような関係だったが、現在は彼らよりもしっかりした大人に成長しており、ツッコミ役を担うことが多い。いつまでもニート生活を続けている六つ子にあきれつつも、なんだかんだで付き合いの長い彼らの理解者でもある。常連客でもある六つ子からは飲食代を払ってもらったことがなく、高額のツケに悩まされている。おでんの作り方には職人気質を超えて狂気的なこだわりを持ち、おでんを馬鹿にされると激怒する。六つ子に馬鹿にされたことで、一時期は流行に乗ったり汚い手段を使ったりして店を繁盛させていたが、あまり楽しそうではないことを指摘されて元に戻した。六つ子以外にもトト子や橋本にゃーも常連客で、彼女たちの酒癖の悪さに悩まされている。
松野 松代 (まつの まつよ)
六つ子の母親で主婦。髪をお団子状にまとめた細身の中年女性で、丸い眼鏡をかけている。成人してもニート生活を送る息子たちに悩まされているが、かわいさゆえにつき放せずにいる。ふだんは六つ子を甘やかしながらも、時折正気に戻ってはさまざまな手段を用いてプレッシャーをかけ、就職・自立・結婚をうながしている。六つ子に厳しく接することも多いが、息子たちを追い出すことなく結局は面倒を見ており、ふだんは家族八人でなかよく暮らしている。母親らしく優しい気遣いを見せ、家族の健康が一番と考えている。夫の松野松造に小言や愚痴を言うこともあるが、二人で旅行に出かけるなど夫婦仲は良好。趣味のコンテンポラリーダンス教室に通っている。
松野 松造 (まつの まつぞう)
六つ子の父親で、職業はサラリーマン。松野家の大黒柱だが、妻の松野松代には頭が上がらない。ぽっちゃり体型の中年男性で、丸い鼻の下にひげを生やしている。息子たちが就職していないため、一家では唯一の稼ぎ手となっている。六つ子の父親らしいクズな根性と鋼のメンタルを持ち、いつも松代から小言を言われているため、多少の悪口ではめげることはない。無職の息子たちに厳しく接することも多く、長年のサラリーマン経験や満員電車通勤を通して培った小技の数々で渡り合おうとするが、彼らに団結されると勝ち目がなくなる。若い頃、生まれてくる息子が六つ子だと聞いた際は、賑やかで楽しそうだと言って楽しみにしていた。
ハタ坊 (はたぼう)
松野おそ松たち六つ子の幼なじみ。オーバーオールを着て、頭のてっぺんに旗を刺しており、周囲からは「ミスターフラッグ」と呼ばれることもある。外見は幼い少年のようだが、れっきとした成人男性。語尾に「ダジョー」と付けるのが口癖。コンサルタント業などで成功を収めて大企業の社長となった。金持ちで、移動にはもっぱらヘリコプターを使用している。
デカパン
松野家の近所にある研究所に住む、穏やかな性格の中年男性。名前の通り、ストライプ模様の大きなパンツを穿いている。「ホエホエ」が口癖で、語尾には「ダス」を付けてしゃべる。発明家でもあり、怪しい薬やロボットなどを作っているが、これらの発明品が松野おそ松たちを巻き込むトラブルのもとになることが多い。
ダヨーン
大きな顔に大きな口の、怪人のような見た目をした謎の多い中年男性。一方で服装は、スーツに革靴を着用した、普通のサラリーマンスタイル。語尾に「ダヨーン」を付けてしゃべる。大きな口で何でも吸い込むことができ、イヤミの家をボロボロにするほどの吸引力を持つ。
おそ子 (おそこ)
松野おそ松の女性バージョン。茶髪のボブヘアで、グレーのスーツを身につけたOL。サバサバした性格で、頼れるお姉さんタイプ。交友関係が広く、会社の後輩などを誘って合コンをセッティングするのが得意。個性的なじょし松さんたちをまとめる姐御肌としてリーダー役を務めることが多いが、うまくまとめられずケンカになることが多い。よくツッコミ役も担っている。ふだんはサバサバ系を装っているが、なかなか出会いに恵まれないことに焦っているため、男絡みのことになると肉食系と化す。
カラ子 (からこ)
松野カラ松の女性バージョン。おそ子の友人。色黒の肌にタンクトップ、筋肉質な体格、太い眉毛が特徴で、長い黒髪を後ろにまとめている。大食いで酒にも強く、男勝りな性格。インストラクターをしている肉体派で腕力が強く、マグカップを素手で割ることができる。
チョロ子 (ちょろこ)
松野チョロ松の女性バージョン。おそ子の友人。パーカーにミニスカート、水玉模様のニーソックスを着用している。黒髪をおだんごにまとめており、黒目が小さめで眼鏡をかけている。同人誌漁りやBL妄想を趣味にしている腐女子で、現実の男性を妄想の対象にすることもある。年末にはコミケに出かけている。
一子 (いちこ)
松野一松の女性バージョン。おそ子の友人。色白の肌と半目に黒髪のロングヘアで、耳にはイヤリング、両手にブレスレットをはめている。服装はロングスカートのワンピース。スピリチュアルでミステリアスな雰囲気をまとった、クールな性格の女性。その印象に違わず、占いを得意としている。
十四子 (じゅうしこ)
松野十四松の女性バージョン。おそ子の友人。大きなリボンで結んだ金髪のポニーテールにガングロメイク、目にはカラーコンタクトを入れている。ミニスカートのワンピースに厚底サンダルなど、派手なギャルファッションが特徴。常に明るくテンションが高いミーハーな性格。
トド子 (とどこ)
松野トド松の女性バージョン。おそ子の友人。栗色の髪を三つ編みにまとめ、カラーコンタクトで黒目を大きく見せている。ベレー帽にロングスカートなど、森ガール風のファッションでゆるふわ系女子を装っているが、合コンで目立とうとするなど、計算高く腹黒い一面を持つ。
橋本 にゃー (はしもと にゃー)
松野チョロ松が追っかけをしている、人気地下アイドルの女性。猫耳と尻尾を付け、赤い学生服のようなアイドル衣装を身につけている。アイドルのときは語尾に「にゃー」を付けて話す天真爛漫な元気系で通しているが、本性は腹黒く、ライバルの弱井トト子とは仲が悪い。売れっ子ならではの悩みを抱えており、愚痴をこぼしながら酒に溺れていた際にトト子と出会って意気投合する。その後は六つ子たちの提案で、トト子とアイドルユニットを組むことになった。
F6おそ松 (えふしっくすおそまつ)
松野おそ松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の長男。アイドルグループ「F6」のリーダーを務める。髪の色は赤。女性を魅了する笑顔とシンプルなかっこよさがコンセプトの爽やか系イケメンで、「爽やかジャスティス」の異名を持つ。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。雨が降っても一瞬で晴れに変えてしまうほどの晴れ男。リーダーとして、また長男として個性的な弟たちを落ち着いた態度でまとめるリーダーシップを発揮している。
F6カラ松 (えふしっくすからまつ)
松野カラ松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の次男。アイドルグループ「F6」の一員で、髪の色は青。キリッとした顔つきでワイルドな雰囲気を漂わせている。ぶっきらぼうな俺様タイプの肉食系イケメンで、ふだんは口が悪いが情熱的で優しい一面を秘めており、ケンカも強く頼りがいがある。狙った獲物は一撃必中で、「肉食系肉」の異名を持つ。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。トト子のことをブスとからかいながらも、彼女には優しい態度を見せる。
F6チョロ松 (えふしっくすちょろまつ)
松野チョロ松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の三男。アイドルグループ「F6」の一員で、髪の色は緑。理知的なガリ勉タイプのイケメンで、つねに本を持ち歩いている。実はハーバード大学准教授であり、「ビューティージーニアス」の異名を持つ。かなりの博識で、豊富な知識を生かして六つ子をサポートしている。知的で冷静な性格ながら、女性に対しては照れ屋でウブな一面を見せることがある。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。
F6一松 (えふしっくすいちまつ)
松野一松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の四男。アイドルグループ「F6」の一員で、髪の色は紫。無口でクールなミステリアスタイプのイケメンで、「F6」の中では特に謎めいている。ふだんはおとなしくマイペースな性格だが、女性を助けたり口説いたりするときは魔法のような不思議な力を使う。カリスマ性のある圧倒的な求心力の持ち主で、「ミステリアスクール」の異名を持つ。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。
F6十四松 (えふしっくすじゅうしまつ)
松野十四松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の五男。アイドルグループ「F6」の一員で、髪の色は黄。お菓子が大好きな明るい王子様タイプのイケメンで、甘い笑顔と口説き文句で女性を魅了している。いつも楽しそうにしているがかなりの天然で、時折行動が読めないところがある。1万人斬りの王子様として知られ、「スイートプリンス」の異名を持つ。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。
F6トド松 (えふしっくすとどまつ)
松野トド松の美青年バージョンで、私立おそ松学園に通う男子高校生。赤塚不二夫財閥の御曹司であり、六つ子の六男。アイドルグループ「F6」の一員で末っ子。髪の色はピンク色。あざといところのあるイケメンで、女子力が高く料理や裁縫を得意としているほか、少女漫画やスキンケアを好むこともあり、女性とは友人感覚で話せる。愛らしい奇跡的なルックスから「キューティーフェアリー」の異名を持つ。野生のイルカなど動物と会話ができる。同級生の学生であるトト子に思いを寄せている。
SENNIN (せんにん)
雪山の奥で暮らしている老齢の男性。長い白ヒゲを生やし福耳の目立つ仙人のような見た目で、和服をまとっている。長年の修行を経て人智を超えた力を持っていたが、力をなくしてからは人々に見捨てられてしまい、人と人とのかかわりを断ち、力を取り戻すために山小屋にこもっている。一人だけで静かに暮らしていたが、遭難した松野おそ松と松野カラ松に無理やり家の部屋を占領される。部屋にはコタツやエロ本などがふつうに置かれており、文明に頼り切っていることをおそ松に指摘されるが、意地を張って、拾って来ただけだと主張した。おそ松たちに帰って欲しいと強く願ったことで、大量の雪を動かすほどのパワーを取り戻した。その正体は超能力者。
学生トト子 (がくせいととこ)
私立おそ松学園に通う女子。弱井トト子の高校生バージョン。濃い茶髪のロングヘアを二つのおさげにまとめ、カチューシャをしている。周囲が少女漫画のような出来事にあふれている中、これといった恋愛フラグもないまま、平凡な高校生活を送っている。しかしある日を境に、学園の人気グループ「F6」に気に入られ、逆ハーレムのような日々が続いている。平凡な日々が大きく変わった一方で、F6の大胆な行動や謎の能力に驚かされることも多い。また、F6に気に入られていることから、たびたびほかの女子の嫉妬を買っている。部活は家庭科部に所属している。
レイカ
イタコの女性。小柄な老婆のような姿で、白い和服を着ている。松野チョロ松が頭を打って幽体離脱した際に、彼の遺言を聞くために松野おそ松が連れて来た。チョロ松の霊を自分に憑依(ひょうい)させたかのように装っているがインチキで、死者への手向けを口実に、依頼者からお金をだまし取る手口を使っている。しかし、チョロ松がどんな性格なのか理解していないため、名前の印象だけの雑なキャラ付けしかできていなかった。おそ松たちから金をだまし取ろうと目論むが、チョロ松が復活した途端に逃亡した。
若様 (わかさま)
地球以外の星からやって来た宇宙人の男性。散歩をしていた松野一松と松野十四松を、地球人のサンプルとして宇宙船に連れ去る。サンプルをもとに化けた部下を地球に紛れ込ませ、侵略の第一歩とすることが目的だったが、一松と十四松に妨害されて失敗に終わる。
大和台 すごろく (やまとだい すごろく)
スターとして知られる中年男性。小柄で小太りな体型をしている。イヤミの依頼で係員となった松野おそ松が接待を担当した人物。芸歴は50年を超えているが、おそ松とイヤミにはなんのスターなのか知られておらず、衣装が奇抜過ぎて何をやっている人なのかすら不明。しかし、おそ松が自分のことを知らないとわかっても怒らずに受け入れるなど、スターらしいおおらかさを持つ。その正体は物マネ芸人。
バーテンカラ松 (ばーてんからまつ)
松野カラ松のバーテンダーバージョン。Bar JINANのマスターを務める青年。店内で何が起こっても動じないこと、あらゆる客を酒だけでなく雰囲気や言葉で酔わせることをモットーにしている。しかし、店内のあちこちに自分を主張するアイテムを置いているため、別の意味で客を酔わせている。弾き語りイベントを1日に何回も開催している。客に絡まれていたところを助けられたのをきっかけに、ある人物を師匠と仰ぐようになる。
トト子の父 (ととこのちち)
弱井トト子の父親。妻のトト子の母と共に、松野家の近所にある魚屋「魚忠」を営んでいる。頭にハチマキを巻いており、一人娘のトト子をかわいがっている。店は繁盛していたが投資に失敗して借金を抱え込んでしまい、不動産王から肩代わりの話を持ち込まれる。しかし、その条件がトト子との結婚であったために、彼に娘を渡したくないと苦悩する。結局はトト子が結婚をやめて家に戻り、借金は妻のへそくりのおかげで解決した。
トト子の母 (ととこのはは)
弱井トト子の母親。細身の体型で、フォックス眼鏡をかけていた。夫のトト子の父と共に、松野家の近所にある魚屋「魚忠」を営んでいる。一人娘のトト子をかわいがっているが、20歳を超えてもアイドル活動に夢中な彼女を心配している。ずっと貯めていたへそくりを忘れるなど、うっかり屋な一面がある。
不動産王 (ふどうさんおう)
資産2000億円を超える不動産屋の男性。小太りな体型で大きな出っ歯が特徴で、ブルドーザーのような顔をしている。弱井トト子の両親の借金を肩代わりする条件として、トト子に結婚を申し込んだ。図々しく傲慢で見た目も性格もよくないが、金持ちなため多くの愛人がいる。
怪盗十四松 (かいとうじゅうしまつ)
松野十四松の怪盗バージョン。予告状を送ったうえであらゆる宝を盗み出す怪盗の青年。とある資産家の屋敷に予告どおり現れるが、屋敷内でもっとも高価な金塊を盗まずに、砂利やおもちゃのアヒルなど価値の低い物ばかりに興味を持つ。資産家に金塊の価値をアピールされても頑(かたく)なに盗まないため、資産家と警察を困惑させる。
園長 (えんちょう)
桃農園「桃源園」の園長を務める男性。定期的に桃狩りを開催しているが、松野松代が率いる六つ子に桃を狩りつくされている。しかし、園長としてのプライドを保つために松野家を出禁にもせず、桃狩りのたびに松代に挑戦状を送っている。今回は過去の開催とは異なり、農園に若い女子を投入するなど六つ子対策を整えている。
ムラサキ式部 (むらさきしきぶ)
松野一松の紫式部バージョン。黒髪ロングヘアの女性で、松模様の着物をまとっている。女流作家として活躍しており、今までに出版した作品は大ヒットしている。新作として絶世の美男子、ヒカル源氏と女たちの恋物語を執筆中だったが、席を外しているあいだに友人のアカ式部たちにイタズラされ、作品の設定やストーリーを改変されてしまう。
ひかる
子供の日に松野家に預けられた男児。胚芽米のような髪型で丸い眼鏡をかけている。年齢は5歳。幼いが非常にしっかり者で勉強もできる。松野松代が知り合いから預かってきたが、六つ子が子守を任されることになり、生意気な態度から彼らの反感を買う。昔から親に厳しい教育を受けており、あらゆるゲームや一般的な遊びを含むすべての娯楽を遮断されながら生きてきたため、ボードゲームはもちろんジャンケンすら知らない。六つ子が始めた遊びの数々に興味を持ち、彼らにさまざまな娯楽を教わったことであこがれを抱く。しかし、六つ子の大人げないところを目の当たりにし、彼らのようにはなりたくないと考えを改めた。
彦星 (ひこぼし)
七夕の日に空から落ちて来た謎の青年。六つ子と顔がよく似ている。地球とは異なり、まともな男性がいない星に住んでいるため、六つ子と同じ顔ながら非常にモテる。「織姫」という名の美人の彼女がいるが、毎年会っているうちに飽きてしまい、別の女性に会うために地球にやって来た。地球では全然モテないことを六つ子に指摘され、ナンパも失敗続きなことにショックを受け、織姫を大切にすると心に決める。
おそ松先生 (おそまつせんせい)
松野おそ松の熱血教師バージョン。問題児だらけの生徒が多いことで知られる赤塚男子高校にやって来た男性で、「荒らしの四天王」と呼ばれている問題児の在籍しているクラスを任される。不良生徒が相手でもきちんと話をして理解しようとする熱血漢で、当初はトド岡をはじめとする生徒たちから警戒され信用されていなかったが、交流を深めながら徐々に彼らと信頼関係を築く。目標は女子生徒の制服をチャイナ服にすること。
赤ん坊 (あかんぼう)
唐突に松野家に現れた謎の赤ん坊。頭に毛が数本だけ生えた小さな子供の姿をしている。捨てようとしても呪いの人形のように戻って来るなど、その正体は謎に包まれている。近くにいる者に幸福をもたらす不思議な力を持つが、使うたびにやつれてしまう。実は神社で祀(まつ)られている神様で、初詣で大量の力を使ったために一時的に小さくなっていた。本来は和服をまとったロングヘアの美女の姿をしている。
春一番 (はるいちばん)
風をあやつる精霊。風界のルーキーとして春一番を吹かせることを任されている。腰布を巻いた半裸の少年の姿をしており、髪を一つの三つ編みにまとめている。イタズラ好きなやんちゃ坊主で、強い風を吹かせて人々を驚かせたり困らせたりすることを楽しんでいる。屋根でイタズラをしようとしていたところを六つ子に見られ、能力を彼らに利用される羽目になる。能力を使い過ぎると姿を消してしまう。
弟子 (でし)
就職活動に失敗した大学生の青年。六つ子の噂(うわさ)を聞きつけ、ニートの修行をするために松野家に押しかけた。頰がふっくらしており、小太りな体型をしている。調子に乗った六つ子にニートとしての振る舞いや暮らし方を教わり、彼らを師匠と仰ぐようになる。しかし、まじめな性格から「修行」と称した怠惰な生活に耐えられず、罪悪感やストレスで胃潰瘍になって寝込んでしまう。療養したあとはニートをあきらめ、就職活動を成功させて会社のエース社員として活躍している。
レイドン
ハタ坊の土地を買い占めた謎の人物。宇宙人のような姿で、赤塚区全域の土地を手中に収めている。イヤミたちからは、地球のあらゆる土地を買い漁(あさ)って地球自体を支配しようとしていると推測されていたが、松野おそ松たちの説得を受け、彼らの地球への愛着を感じて身を引いた。
集団・組織
六つ子 (むつご)
松野家に住む六人兄弟で、年齢は20代。東京都赤塚町にある一軒家で、父親の松野松造、母親の松野松代といっしょに暮らしている。六人全員が同じ顔と体型で、幼少期は特徴に違いがなく見分けがつかなかった。しかし成長と共に少しずつ個性が芽生えていき、性格や見た目などに微妙な違いが生まれている。ただし両親と弱井トト子、チビ太以外は、現在も六つ子を見分けることができない。成人したあとも無職童貞で彼女もおらず、両親のスネをかじりながら目標もなく、のんびりとニート生活を続けている。長男の松野おそ松を筆頭に、個性が芽生えても全員がクズでバカという共通点は変わっておらず、些細なことで兄弟ゲンカをしたり足を引っ張り合ったりしている。ただし、利害が一致したときは誰が相手でも団結して協力し、時折強烈な行動力や根性を見せる。ふだんは家にこもってダラダラしており、時には無職や童貞を卒業するために行動を起こしているものの、結局は挫折や失敗で終わっている。兄弟仲は基本的に良好だが、状況によってはお互いを切り捨てる薄情な態度を取ったり、金や女性、食べ物などを巡って争ったりすることもある。全員が幼い頃からトト子にあこがれており、現在も彼女をアイドルのように慕い、バレンタインのたびにチョコレートをしつこくねだっている。パチンコや麻雀といった共通の趣味を持つが、ヒマを持て余しているためにボードゲームやしりとりをはじめ、大半の遊びをやり尽くしている。服装は松のマークが描かれた各自のイメージカラーのパーカーを普段着や部屋着として着ているが、着こなし方にも微妙に個性が現れている。また、水色のスーツを共通の正装として着用していることがある。
F6 (えふしっくす)
六つ子の美青年バージョン。乙女ゲームに登場するスラリとしたイケメンのような容姿を持つ。全員の頭身が高くなり、顔つきや髪型、服装なども大きく変わっている。顔がそっくりな六つ子だが、髪色は各自のイメージカラーとなっているために見分けがつく。私立おそ松学園に通う赤塚不二夫財閥の御曹司で、学生をしながらアイドルグループ活動をしている。学園内の生徒はもちろん女性からの人気が高く、熱狂的なファンが多い。グループ名の「F6」は不二夫の「F」が由来となっている。六人全員が学生のトト子に思いを寄せており、何かと彼女の前に現れてはアプローチを繰り返している。その愛情表現は独特かつ大胆で、いつもトト子たちを驚かせている。世界的な人気を誇るために、たとえ彼氏持ちの女性であってもバレンタインのプレゼントはF6に渡すのが常識となっている。豊富な財力で、大ケガをしても最新の医療設備ですぐに復活する。また、天候を変えたり人を抱えたまま飛んだり動物と会話したりなど、時折人間離れした行動や超人的な能力を見せる。
じょし松さん (じょしまつさん)
六つ子の女性バージョン。リーダー格のおそ子を中心に、カラ子、チョロ子、一子、十四子、トド子の六人組で、血縁関係はないが友人同士である。服装・性格・職業・好みなどは全員バラバラだが、異性にモテない独身女性という共通点がある。余裕のある女性を装いつつも、結婚できないことを焦っている。出会いや結婚を求めて合コンを開いたり旅行に出かけたり、婚活を始めるなど試行錯誤しているものの、意見がまとまらずケンカになったり男性に逃げられたりと、失敗に終わることが多い。
クズ組 (くずぐみ)
六つ子の歌劇団バージョン。クズ等塚歌劇団に所属する舞台俳優で、おそ風、カラ風、チョロ風、一風、十四風、トド華の六人組。全員が濃いメイクをして派手な舞台衣装をまとっている。クズ界のシンデレラストーリーとして知られる「3年寝太郎」を初演目として演じることになる。しかし荷が重く、演じるのが面倒という理由で全員が主役をやりたがらず、立っているだけでいい木の役を希望したため、木の役を巡って醜い争いを繰り広げることになる。
ホスト松 (ほすとまつ)
六つ子のホストバージョン。ホストクラブ「松」でホストをしている男性。古株のおそや、自称店の頭、カラヤ、無遅刻無欠勤のチョロヤ、孤高のホスト、一也、嵐を呼ぶ男、十四矢の五人組。しかし、五人全員がまともなホストといえるような仕事をしていないため、あまり店は繁盛しておらずオーナーを悩ませている。そんな中、ホストクラブ「エリート」のトドヤがメンバーに加わり、店の起爆剤となっておそやたちを刺激してくれることをオーナーから期待されていたが、トドヤも大した実力がなかったために不発に終わった。さらにはおやつのプリンを巡って争うなど、いつもホストらしからぬ理由でケンカしてはオーナーをがっかりさせている。
クレジット
- 原作
- 監修
-
おそ松さん製作委員会
ベース
おそ松くん (おそまつくん)
腕白な六つ子の男の子たちとクラスメートやご近所さんのドタバタ模様を描いたギャグ作品。基本的に1話完結形式で、多彩なキャラクターが登場する。特に、自称フランス帰りのナゾ紳士イヤミの発するギャグ「シェーッ... 関連ページ:おそ松くん