概要・あらすじ
背番号34番の大投手・金田正一が長嶋茂雄から4打席4三振を取った日に生まれた勝三四郎は、父・勝大吉の指導や母に支えられながら、野球選手として成長していく。ライバルとの試合や困難を乗り越えた勝三四郎は、憧れの金田正一のドラフト指名を受けロッテに入団する。プロの厳しい試合に一時は二軍落ちするも、地獄の特訓を経て見事に復活し、勝三四郎はチームを日本シリーズ優勝に導く。
登場人物・キャラクター
勝 三四郎 (かつ さんしろう)
昭和33年4月5日に国鉄スワローズで投手の金田正一が対読売ジャイアンツ戦で長嶋茂雄を相手に4打席4三振を取った日に生まれ、金田正一の背番号が34番であることから、父・勝大吉に三四郎と名付けられた。この父の影響から金田正一に憧れて野球を始め、買い与えられた『金田正一物語』を聖書のように読み、自身の境遇と重ね合わせて野球の才能を発揮する。 左投げ右打ちだったのを金田正一と同じく左打ちにする。墨東中野球部で活躍した頃から金田正一もその野球の才能を知り誠心高校野球部で甲子園大会出場を果たした高校1年で金田正一監督からドラフト指名を受け、ついにロッテに入団する。
勝 大吉 (かつ だいきち)
勝三四郎の父親。国鉄スワローズで金田正一が読売ジャイアンツの長嶋茂雄を相手に4打席4三振を取った昭和33年4月5日に生まれ、金田正一の背番号が34番であることから息子を三四郎と名付けた。金田正一とその父の境遇を自分に重ね合わせ、勝三四郎に野球を始めさせる。 日雇い仕事をしながらも試合の応援に駆けつけ、また病気になりながらも息子を支え続ける。
金田 正一 (かねだ まさいち)
昭和7年生まれ。国鉄スワローズの投手として、昭和33年4月5日の読売巨人戦で、プロデビュー間もない長嶋茂男から4打席4三3振を奪った。読売巨人でも投手として活躍するが昭和45年に引退。昭和48年にロッテ・オリオンズの監督に就任すると、勝三四郎をドラフト指名した。 実在のプロ野球選手であった、金田正一がモデル。
海野 はじめ
漫画家だが野球好きで、野球チーム下町スターズのオーナーをしている。国鉄スワローズの西垣徳雄監督が金田正一を見いだしたように、勝三四郎の野球の素質を見いだして下町スターズに加入させる。
山崎 裕之 (やまざき ひろゆき)
下町スターズが墨田区野球大会で対戦したジャガーズの4番サード。後に金田正一監督のロッテ・オリオンズで好守好打をほこる。実在の野球選手であった山崎裕之がモデル。
大山 大五郎 (おおやま だいごろう)
準決勝で対決する稲荷フォックスの3番打者で8割台の打率を持つ。金田正一が阪神の吉田義男選手に苦戦したように、勝三四郎も小柄な大山大五郎のストライクゾーンや心理作戦に苦戦する。
赤沢 (あかざわ)
勝三四郎が通う墨田小学校野球部のキャプテン。エースで4番を務めている。勝三四郎の一学年上でメガネをかけた優等生。ピッチャーとしての自分の立場を守るために勝三四郎を陥れようとするが、勝三四郎はこれを許した。その友情に感謝した赤沢はキャッチャーに転向し、勝三四郎とバッテリーを組むようになる。 後に墨田区立墨東中学校に進学してからも、二人はバッテリーとして中学野球で活躍した。
団 善平 (だん ぜんぺい)
誠心高校野球部の主将でキャッチャー。新入部員・勝三四郎をイビリ倒す。一方で、三四郎に真剣に男の勝負を挑んでくるようなところもあり、三四郎は彼に対してすがすがしささえ感じるようになった。
迅戸 進一 (はやと しんいち)
甲子園大会の鹿児島代表・桜島学園のセンターでトップバッター。国体の陸上五種競技で個人優勝した俊足によるファインプレーと忍法走塁で、勝三四郎らを苦戦させた。
織田 信虎 (おだ のぶとら)
甲子園大会の愛知県代表・尾張商の主将。一塁手で4番打者。勝三四郎のライバル。
夏 ミチル (なつ みちる)
勝三四郎を翻弄するTVアイドル。
桜子 (さくらこ)
夏ミチルへの恋に破れた勝三四郎が、日本海側を流浪していて出会った敬天塾空手道場の娘。
集団・組織
ロッテ・オリオンズ
『おれとカネやん』に登場する組織。実在した球団。読売巨人の投手を引退した金田正一が、昭和48年に監督に就任した。高校1年の勝三四郎はドラフトで指名されて入団する。
下町スターズ (したまちすたーず)
『おれとカネやん』のグループ。野球好きの漫画家、海野はじめがオーナーの野球チーム。小学生の勝三四郎がたまたまボールを投げ返したことで、下町スターズのリリーフとして参加することになった。
誠心高校 (せいしんこうこう)
『おれとカネやん』に登場する高校。墨田区指折りの野球強豪校で野球部部長・玉置伍郎の誘いに乗って、勝三四郎はこの高校に進学する。
その他キーワード
金田正一物語 (かねだまさいちものがたり)
勝三四郎と父勝大吉が野球の練習場を探していたときに見かけた古本の山から父が買い与えた本。以後、勝三四郎の聖書となる。