概要・あらすじ
中学時代、「悪魔(デビル)まークン」の異名で恐れられた船橋雅矢は、高校入学を機に平穏な生活を願う。たまたま勧誘された部長の姉崎奈緒美の心の広さに魅かれ、茶道部に入部するが、持ち前の性格や過去の因縁などにより平和な日々への道には遠い……。
登場人物・キャラクター
船橋 雅矢 (ふなばしまさや)
『お茶にごす。』の主人公。開架高校1年生。男性。大柄で強面な顔、圧倒的な身体能力と強さを持ち、中学時代は地域の不良達から「悪魔(デビル)まークン」と呼ばれて恐れられていた。本来は優しく曲った事は嫌いな性格で、自分のためではなく他人のために戦う。しかし敵と見做した相手には容赦ないため、倒した相手やその仲間とのトラブルが絶えず、「暴力の連鎖」が続いている。 優しい人間になることを目標にしており、同時に「強くなければ優しくなれない」という信念のもと、ランニング等のトレーニングを欠かさない。小中学生の頃は山田航といっしょに様々な武道も習っていて、柔道の腕前は並みの柔道部員では相手にならないレベルである。小学生の頃にシングルマザーであった母親と死別し、その後母方の祖父と暮していたがこちらも死別。 母が亡くなってから現れた父親が、手切れ金代わりのように買い与えてくれた建物を住居兼家賃収入を得るためのマンションとして、そこで一人暮らししている。
山田 航 (やまだ わたる)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校1年生。男性。小学3年の時に船橋雅矢が転校して来て以来の悪友であり、理解者。雅矢と出会った時は普通の小学生だったが、拾ったセレベスオオヒラタクワガタを6年生に奪われ、それが1年生が落とした物だと知って雅矢といっしょに取り返しに行ってから、彼とつるむようになった。 強くなるため様々な武道を習いに通うも、すぐ喧嘩で使ってしまうため破門されては別の道場に移ることを繰り返している。現在は空手道場に通っており、子供達に指導できるレベル。見た目は軟派の優男で女の子にもモテ、小学校以来隣の席になった女の子とはほとんど付き合ったと豪語する。しかし性格は雅矢以上に短気で好戦的で、「業務用のレンジを心に持つ男」といわれるほど。 雅矢が姉崎奈緒美にフラれるのを見物しようと茶道部に入部する。現在のお気に入りは浅川夏帆。
姉崎 奈緒美 (あねさき なおみ)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校3年生。女性。茶道部の部長。礼儀正しく心の広い人物。新入生の勧誘で船橋雅矢に声をかけ、入部のきっかけを作る。優しく淑やかであるが多少天然ボケ。だが、譲れない場面では一歩も引かない気丈さも持ち合わせており、部員たちから慕われ信頼されている。船橋雅矢と浅川夏帆の憧れの人。
浅川 夏帆 (あさかわ かほ)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校1年生。女性。茶道部員。走るのが好きで、実際足も速い。ツッコミ担当で毒を吐きまくる。曲ったことは許せない性格で、不良相手にも平気で突っかかる。他人を褒めたくても、素直に褒められない性格で本人も自覚はしているのだが、褒めると生命が縮むらしい。姉崎奈緒美が憧れの人。初対面で悪い印象を持ったため、船橋雅矢にやたらと突っかかるようになり、「茶道部の番犬」「狂犬」「ノラ」として雅矢に恐れられる。 雅矢と接するうちに彼の理解者になって行くが態度は変わらない、デレの無いツンの人である。
飯倉 智花 (いいくら ちか)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校1年生。女性。茶道部員。浅川夏帆の親友。夏帆を茶道部に誘った張本人。足が遅いので走るのが苦手。
縦島 洋 (たてじま ひろし)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校教師。男性。茶道部顧問。女子ばかりの茶道部をこよなく愛する教師。女子に礼をさせることが最大の愉悦であるが、姉崎奈緒美以外の部員にはバレバレであり評判も悪い。これまで来た男子の入部希望者は全員彼が追い返してきたが、船橋雅矢と山田航には押し切られる。合宿や運動会を経て、男子部員がいるのも悪くないと考えるようになって行く。
沢村 崇 (さわむら たかし)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校2年生。男性。茶道部の隣の部室を使うアニメ研究会部員。不良共によって漫画の原稿を破かれた事件等を通じて、船橋雅矢や山田航とは友好的な関係を築いている。
柏井 卓 (かしわい すぐる)
『お茶にごす。』の登場人物。開架高校3年生。男性。茶道部の隣の部室を使うアニメ研究会部長。船橋雅矢や山田航からタメ口をきかれているが、友人扱いされているということで友好的に思っている。中学時代はいじめられっ子だったらしい。
樫沢 光輝 (かしざわ こうき)
『お茶にごす。』の登場人物。軽挙高校1年生。男性。正義感があり、成績優秀で喧嘩も強く、女子にもモテモテ。両親が軽挙高校のオーナーであるため、同校に通っている。思い込みが強く、人の話を聞かない性格。完璧な男子と思われていたが、船橋雅矢によって髭が濃いという事実が発見され、それ以後、雅矢命名の「ブルー」という呼び名が広まって行く。 姉崎奈緒美に惚れてアプローチしたことがもとになり、雅矢と対立するようになる。しかし、雅矢が相手にしないため、不良を使って無理に戦いに持って行こうとするが、裏で糸を引いていたことを浅川夏帆に看過されてしまう。プライドが高いため、そのまま堂々と悪役を演じることを選び、引っ込みがつかなくなるが、その後雅矢に救われたり共闘するうちに和解。 雅矢の心や普段の行動を見るうちに、次第に彼をライバルとしてみるようになる。茶道部合宿の際に幽霊と誤解され、茶道部員達の深層心理に強烈な印象を刻み込んでいる。
桂木 (かつらぎ)
『お茶にごす。』の登場人物。軽挙高校1年生。男性。樫沢光輝を尊敬し、同級生ながら敬語で接している。茶道部合宿の際には茶道部員達によってキツネの霊と誤解された。
古田 (ふるた)
『お茶にごす。』の登場人物。軽挙高校2年生。男性。軽挙高校のリーダー格で、髭の生えた大柄の男。人相は悪いが仲間思いで悪を許さない熱血漢。幅部健人の件で軽挙高校の不良共に騙され船橋雅矢と対立し、山田や雅矢と互角の勝負をする。しかし実際に悪かったのは自分の高校の不良共と知って和解。
幅部 健人 (ふくべ たけと)
『お茶にごす。』の登場人物。大人しそうな外見のいじめられっ子。不良の悪事に加担してしまい、さらにそれをネタに強請られていたところを船橋雅矢に救われるが、後に同じ不良共が古田を担ぎ出するために利用される。父が優秀な教師で、自分の悪事が父に迷惑をかけることを恐れていたが、最終的に戦う決心を固める。
集団・組織
開架高校 (かいかこうこう)
『お茶にごす。』に登場する高校。船橋雅矢や山田航が所属する茶道部がある高校で、比較的大人しめの生徒が多い。
軽挙高校 (けいきょこうこう)
『お茶にごす。』に登場する高校。樫沢光輝の両親が経営する高校で、柄の悪い生徒が多い。
書誌情報
お茶にごす。 11巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2007-08-10発行、 978-4091211682)
第2巻
(2007-11-16発行、 978-4091212160)
第3巻
(2008-02-18発行、 978-4091212900)
第4巻
(2008-05-16発行、 978-4091213877)
第5巻
(2008-08-11発行、 978-4091214485)
第6巻
(2008-11-18発行、 978-4091215062)
第7巻
(2009-02-18発行、 978-4091215932)
第8巻
(2009-04-17発行、 978-4091218988)
第9巻
(2009-07-17発行、 978-4091217004)
第10巻
(2009-09-17発行、 978-4091217868)
第11巻
(2009-10-16発行、 978-4091220462)