概要・あらすじ
3年前までは女子校だった私立桔梗学園は、生徒の3分の2以上が女子。男子生徒は圧倒的な権力を誇る女子に抗えず、不遇の毎日を送っていた。そんなある日、不良男子校を退学させられたワル・海棠林三郎が転校してくるというニュースが飛び込む。「かぎりなく悪にちかい男」として男子生徒の期待を一身に集める林三郎だったが、じつは「かぎりなくアホにちかい男」だった。
登場人物・キャラクター
海棠 林三郎 (かいどう りんざぶろう)
不良の巣窟である右近高校を退学させられ、私立桔梗学園に転校してきた男子生徒。女子生徒に虐げられる毎日を送る男子生徒の期待を一身に受けるが、本人は女子が3分の2以上という夢のような状況に、鼻の下を伸ばすだけのアホで天然な性格だった。車に轢かれてもかすり傷一つ負わないタフさと、高い運動能力を誇る。実家は空手道場で五人兄弟の三男。
山茶花 果林 (さざんか かりん)
私立桔梗学園の生徒会長の女子。圧倒的な数を誇る女子生徒の頂点に君臨し、男子を目の敵にする。小さいころに男の子からいじめられた経験や、父親に捨てられたことから、一生、男の力を借りずに生きると誓う。柔道三段、空手五段の腕前。
教頭先生 (きょうとうせんせい)
私立桔梗学園の教頭。ボサボサ頭にアゴ髭、ガッチリした体型が特徴の男性。既婚者で、6人の子どもを持つ。同僚の男性教師・目白二葉に好かれており、好意を示されると顔を赤らめる。ニヒルで厳格な「鬼の教頭」と呼ばれるが、学園が廃校の危機に陥った際は、我を失いうろたえる。
目白 二葉 (めじろ ふたば)
私立桔梗学園の教師。海棠林三郎、山茶花果林のクラス担任。スキンヘッドが特徴の男性。モデルのように端正な顔立ちと長身で、女子生徒の人気が高い。他校で同じく教師をする双子の兄がいる。のちに、亜月裕の『伊賀のカバ丸』に登場した同名キャラクターの前身だと思われる。
汲取 溜男 (くみとり ためお)
汲取銀行の会長の男性。私立桔梗学園の理事長と懇意で、学園に融資をしている。誘拐された孫を海棠林三郎が助けたため、学園に永続的な融資をする方針を固める。
タマヒカル
サラブレッド。生まれた時から器量が悪く、駄馬と罵られ続けてきたコンプレックスを持つ馬。パドックで罵声を浴びせられていた時、優しい言葉をかけてくれた海棠林三郎に感動し涙を流す。レースでは林三郎の声援に応え、奇跡の優勝を果たす。心を通わせたタマヒカルと林三郎は、誘拐事件を解決するなど良き相棒となる。
場所
私立桔梗学園 (しりつききょうがくえん)
3年前までは女子校だったせいで、女生徒の数が3分の2以上を占める高校。女生徒会長である山茶花果林を頂点に、圧倒的に女性が優位な社会を形成している。年々入学希望者が減っていることもあり、借金がかさんで廃校の危機に陥る。