婚渇女子

婚渇女子

成年向け作品も執筆している小林拓己の代表作の一つ。現代日本を舞台に、売れない漫画家の伊藤小夏と敏腕編集者の黒田芽衣子が、理想の結婚相手を求めて奔走する姿を描いた婚活奮闘ラブコメディ。少年画報社「ヤングキング」2015年16号から2017年2号まで連載。本作の続編として、『黒田芽衣子 ~婚渇女子~』がある。

正式名称
婚渇女子
ふりがな
こんかつじょし
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
YKコミックス(少年画報社)
巻数
全4巻完結
関連商品
Amazon 楽天

アラサー女子二人の婚活物語

本作は、結婚願望がないアラサー女子の婚活をテーマにしている。売れない漫画家の小夏と、やり手のファッション雑誌編集者の芽衣子が主人公で、何かと正反対な二人だが結婚に消極的なことは共通している。自分の望む人生を送っていた二人だったが、さまざまな出来事を経験して挫折感に苛(さいな)まれ、理想の結婚を目指して婚活に足を踏み入れていく。そんな小夏と芽衣子の日常生活と恋愛模様が、ラブコメディ要素を交えて展開される。

崖っぷち漫画家とモテモテ編集者が主人公

連載獲得を目指す漫画家の小夏は、高校時代からの友人である芽衣子の家に居候しており、漫画中心の生活を送っていた。そんな小夏は、イケメン漫画編集者の山縣から新連載の話を持ち込まれたことで、仕事と共に恋のチャンスも訪れる。一方、芽衣子はキャリアウーマンの自信家で、仕事でも注目を集めており、行く先々で男性を惹きつけている。そんな順風満帆な日々の中、「結婚なんていつでもできる」と公言していた芽衣子だったが、30代を目前にその余裕が打ち砕かれる出来事が続き、人生や結婚に関して焦りを感じるようになる。

自由を謳歌してきた二人への試練

連載と共に恋愛のチャンスを逃した小夏は漫画家の道をあきらめ、伸ばしていた髪をバッサリ切って婚活を開始する。母親から勧められたお見合いはうまくいかなかったが、友人から紹介された漫画好きのオタク青年と知り合い、いい雰囲気になっていた。一方、独身の気楽さを捨て切れずにいた芽衣子は、歯の治療で出会ったイケメン歯科医の桐生と付き合い始めていた。しかし、桐生が小夏の知り合いのオタク青年と同一人物だと判明し、プライドを傷つけられた芽衣子はある行動に出る。20代は自由を謳歌(おうか)していた小夏と芽衣子に降りかかる試練の数々と、二人が友情や仕事にも悩みながら、理想的な結婚のために奮闘する姿が見どころとなっている。また、アラサー独身女性の結婚あるあるネタがリアルに描写されている。

登場人物・キャラクター

伊藤 小夏 (いとう こなつ)

売れない漫画家の女性。友人の芽衣子の家に居候している。初登場時の年齢は29歳。明るい茶髪のロングヘアで、連載を獲得するまで髪を切らないと宣言している。「私の人生は私のもの」がモットーで、漫画で一発当てたいという理由から、現在は結婚願望はない。芽衣子の家に居候する代わりに家事をこなしており、料理も得意としている。担当編集者の山縣の後押しを受けて連載獲得のチャンスをつかむが、若い新人女性漫画家にその機会を奪われ、失望のあまり髪をばっさり切ってショートヘアにした。これを機に母親から見合いを勧められ、これまでまったく興味がなかった婚活を始める。

黒田 芽衣子 (くろだ めいこ)

人気ファッション雑誌の編集者を務めるバリキャリ女子。初登場時の年齢は29歳。濃い茶髪をロングヘアにした美人で、スタイル抜群。大手広告代理店勤務するツカサという彼氏がいる。恋愛経験が豊富で、男性から非常にモテる。居候している友人の小夏と二人暮らしをしている。仕事の充実感と独身ならではの自由を謳歌したいという気持ちが強く、結婚はいつでもできるとの余裕から、現在は結婚願望はない。「モテる女はいくつになってもモテる」を公言している。しかし、何人もの男性との出会いと別れを経て次第に焦りを感じ始め、30歳を迎えてからは婚活という大きな壁に悩まされるようになる。

書誌情報

婚渇女子 全4巻 少年画報社〈YKコミックス〉

第1巻

(2015-12-25発行、 978-4785956967)

第4巻

(2017-02-13発行、 978-4785959548)

SHARE
EC
Amazon
logo