概要・あらすじ
20代後半のサラリーマンの武田夕希は、いわゆるブラック企業で働いていた。徹夜続きのある日、野良犬の顔にマジックで落書きをする職場の先輩に遭遇する。どうやら働きすぎて、おかしくなっているらしい。武田は先輩に仮眠を勧めたあと、犬の顔を洗ってやった。すると犬は、人間の言葉でお礼を言った。彼は修行中の魔法犬だという。お礼に一つだけ願いを叶えてやるという魔法犬に、武田は「女子高生になりたい」と話す。自分の現状と対極のような、平和で楽しそうな暮らしがしてみたかったのだ。魔法犬は、武田の願いを聞き届ける。まばゆい光で意識を失った武田は、学校の教室で目を覚ます。望みどおり、彼は女子高生になっていたが、その容姿は変わっていなかった。どう見ても女装した成人男子のようだったのである。しかし、魔法のせいか、誰もそれに違和感を覚えていなかった。念願の女子高生になったのはよかったが、女子校は武田の想像とはまったく違っていた。優雅さのかけらもない、下品な修羅の地だったのだ。元の世界に戻りたいと武田は願うが、魔法犬は修行中の身で、魔法の解き方がわからないという。魔法犬は、元に戻す方法を調べるために、魔法界へと去っていく。武田は腹をくくり、しばらく事態が変わらないなら、完璧な女子高生になってやると心に誓うのだった。
登場人物・キャラクター
武田 夕希 (たけだ ゆうき)
ブラック企業勤務の20代後半のサラリーマン。あるひを境に、魔法犬の力で、女子高生ライフを送ることになる。外見はサラリーマン時代と変わらず、短髪、太い眉が特徴のガタイのいい青年。そのため、女装した成人男子にしか見えないのだが、魔法の効果で、周囲の人には女子高生に見えている。あこがれていた女子高生の実態が、想像以上に下品なことを知り、元の生活に戻りたいと考えている。
水瀬 真衣 (みなせ まい)
女子高生に変身した武田夕希のクラスメートで、ロングヘアの美少女。小学生の時、高校生だった武田に出会い、痴漢から助けてもらった経験を持つ。そのせいか、女子高生に変身した武田に好意を寄せている。
姫川 (ひめかわ)
女子高生に変身した武田夕希の同級生。ニックネームは「姫」で、バイセクシュアル。元男子校の生徒会長で、武田と同じように側溝にはまった魔法犬を助けて、女子高生に変身した。水瀬真衣に思いを寄せていたが、武田の男らしい一面を見て、彼を好きになる。