同級生の死をきっかけに始まる友人との新生活
主人公の小田千春は、同級生で元彼氏だったトミオの死をきっかけに、同級生の雨海英治、中村聖子と再会し、やがて三人で緩やかな同居生活を始める。食をテーマにしたグルメ漫画で、そんな三人で囲むにぎやかな食卓と日常が、ヒューマンドラマを交えて展開される。和洋中を問わずさまざまな家庭料理をはじめ、時にはラーメンや焼き肉などの外食シーンもあるが、簡単に作れる「おうちごはん」が中心となり、それぞれの料理のレシピも収録されている。
デザイナーのアラサー女性が主人公
デザイナーの小田千春は大学卒業後にあこがれのデザイン会社に就職したが、上司のパワハラに耐えきれず退職してしまった苦い経験があり、仕事に関してトラウマを抱えている。28歳を迎えた今は少しずつ復職に前向きになり、ストレス解消と気分転換の手段として料理にハマっている。そんな千春は、大学時代に付き合っていたトミオの葬儀で雨海英治、中村聖子と再会を果たす。これをきっかけに三人は、亡くなったトミオについて語り合ったり、お互い励まし合うために千春の自宅に集まっては、三人で食事や宅飲みをすることが増えていく。
小田千春と支え合う二人の友人
独身で無職の小田千春の心を支えているのは、趣味で作っている手料理と、大学時代の友人である雨海英治、中村聖子の二人だった。英治は同居する恋人との関係に悩むゲイで、聖子は仕事に燃えるバリキャリながら男性関係に悩んでいるなど、千春と同様に人生につまづいたアラサーという共通点がある。当初は千春目線で物語が描かれていたが、途中からは英治や聖子視点のエピソードも楽しめる。のちに千春の自宅で三人暮らしが始まり、これをきっかけに動き出すそれぞれの生活と恋愛模様も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
小田 千春 (おだ ちはる)
元デザイナーの女性。年齢は28歳。同じ美術大学に通っていた同級生で、元彼氏である男性が自死したことをきっかけに、美大時代の同級生である雨海英治、中村聖子と再会を果たす。大学卒業後はあこがれのデザイン事務所に入社を果たすが、上司のパワハラに心が折れて退職した。現在はリハビリ程度に仕事を再開し、気分転換として料理を楽しむようになった。誰かのために料理を作ることが好きで、一人のときはコンビニ食が多い。
雨海 英治 (あまかい えいじ)
デザイナーを生業とする男性。年齢は28歳。長身で眼鏡をかけており、関西弁で話す。同じ美術大学に通っていた同級生の男性が自死したことをきっかけに、美大時代の同級生である小田千春、中村聖子と再会を果たす。この際二人に、自死した男性とかつて付き合っていたことをカミングアウトした。現在付き合っている男性との関係がうまくいかないことに悩んでいる。
書誌情報
かしましめし 6巻 祥伝社〈FEEL コミックス〉
第1巻
(2017-09-08発行、 978-4396767112)
第5巻
(2022-06-08発行、 978-4396768591)
第6巻
(2023-10-06発行、 978-4396768973)