あらすじ
ある日の夜、当直勤務中の新米小児科医の平野太一は、外来患者や救急搬送される患者の対応に悪戦苦闘していた。それでも平野は自分にできることをこなしていたが、先輩医師と比べて自分の手際の悪さに自己嫌悪に陥る。ひと段落して医局に戻って来た平野は、先輩小児科医の神辺が医局内の当直室で調理しているのを目撃し、状況がわからないまま救命救急医の眞島ひかりといっしょに神辺が作った料理をごちそうになる。神辺の食と医療の関連性の持論を聞きながらご飯を平らげた平野は、落ち込んでいた気分が晴れやかになっているのを実感するのだった。(1食目「毎日のごはん」)
登場人物・キャラクター
神辺 (かんべ)
市内唯一の夜間小児診療を受け入れている総合病院で、小児科医を務める男性。マイペースな性格で、医局の自分の机で水耕栽培をしている。住民票の登録が医局と噂(うわさ)されるほど自宅に帰っておらず、ソファーで寝泊まりしている。当直勤務は気が休まるヒマがなく、夜通し働いたあとに次の日もそのまま働くことになる。そんな当直を乗り越えるためには温かいご飯が必要だという信念があり、医局に食材や調味料、調理器具を持ち込んで本格的な料理を作っている。そのため、神辺のことをよく知らない同僚からは変人とカンちがいされている。
平野 太一 (ひらの たいち)
市内唯一の夜間小児診療を受け入れている総合病院で、小児科医を務める男性。研修期間を終えたばかりの新米医師。生真面目で実直な性格で、患者のことを第一に考えて診療に当たっている。しかし、経験不足からほかの科との連携がうまくいかないなど、手際の悪さを認識して自己嫌悪に陥ることが多い。先輩医師の神辺や眞島ひかりから医師としての意識の持ち方や、リラックスする方法を聞いて少しずつ精神的にも成長していく。
眞島 ひかり (まじま ひかり)
市内唯一の夜間小児診療を受け入れている総合病院で、救命救急医を務める女性。看護師への指示が的確で判断力にも長(た)け、気風もいいため、女性看護師からもあこがれられる存在。しかし料理の腕はさっぱりで、研修医時代はインスタントラーメンや、実家から送られてきた野菜を生のまま食べていた。神辺とは1年前に小児科研修の時に指導医についてもらったことで知り合う。神辺といっしょに仕事する中で、神辺の医療や食への信念に感銘を受け、さらに自分が医師を目指していた初心を思い出す。救命救急医となったあとも神辺との付き合いは続き、実家から野菜が届くと神辺におすそ分けしたり、当直時は神辺が作ったご飯をごちそうしてもらっている。
クレジット
- 原作
-
ちんねん
書誌情報
神辺先生の当直ごはん 3巻 KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉
第1巻
(2021-12-08発行、 978-4046807885)
第2巻
(2022-06-08発行、 978-4046813718)
第3巻
(2023-03-09発行、 978-4046819512)