これはきっと恋じゃない

これはきっと恋じゃない

「バンド内恋愛禁止」という条件でバンド活動を始めた、高校生の三ツ矢ひびき、六久保唱、四ノ崎律。音楽を通じて絆を深めながら、いつしかお互いをバンド仲間以上に思うようになっていく三人の姿を描く、青春バンドラブストーリー。「LINEマンガ」2015年11月5日から連載の作品。

正式名称
これはきっと恋じゃない
ふりがな
これはきっとこいじゃない
作者
ジャンル
バンド
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あらすじ

第1巻

音楽を愛する熱血ドラマーの高校1年生、三ツ矢ひびきは、友人達と共に高校の軽音楽同好会で活動していたが、ある日突然、自分以外のメンバーが同好会をやめてしまったため、新メンバーを探し始める事となった。そこでひびきは、以前からSNS上で親しくしている「おんぷ」という人物がドラマーを探している事を知り、立候補する。しかし、女性だと思い込んでいた「おんぷ」はなんと、となりの高校の男子高校生、六久保唱であり、しかも唱は大の女性嫌いであった。結果、ひびきは唱に女性だからという理由だけで加入を断られてしまう。激怒するひびきだったが、後日、唱とバンドメンバーの四ノ崎律のライブを見た際に強く惹かれ、思わず二人の演奏に飛び入り参加する。三人での演奏は大成功を収め、ひびきの実力を認めた唱は「バンド内恋愛禁止」という条件でひびきの加入を認め、いっしょにバンド活動を始める事になるのだった。しかし、高校生のひびき達にはスタジオ代は高額で、すぐに練習場所を確保するのも難しくなってしまう。そんなある日、ひびきはSNS上で出会った「くるみ」という人物から、いい練習場があると聞いて「くるみ」に会いに行く。だが、実は「くるみ」事八乙女樹実は、唱と律の元バンド仲間で、しかも唱が女性嫌いになった原因でもあった。しかし、そんな事は露知らぬひびきは、三人を会わせてしまう。

第2巻

六久保唱が女性嫌いになり、女性とは絶対にバンド活動をしないと考えるようになったのは、かつてのバンドメンバー、八乙女樹実が原因であった。以前、唱や四ノ崎律、樹実はもう一人のメンバーと四人で同じバンドに所属し、唱と樹実は交際していた。しかし唱の音楽を愛するあまり、樹実にまるで構おうとしない姿についていけなくなった樹実は、ある日突然、もう一人のバンドメンバーと共にライブをすっぽかし、そのまま脱退したのである。しかし樹実は、そんな仕打ちをしたにもかかわらず今でも唱を思っており、これを機に再びなかよくしたいのだという。三ツ矢ひびきはそんな樹実に困惑しつつも、ひとまずはバンドの当面の目標である、高校生限定バンド大会「ハイスクール・ミュージック・バトル」の出場に向けて準備を進めていた。そこで、バンドが実力を高めるためにはライブ出演が必要であると考えた三人は、スタジオとして利用している児童館「なかよしじどうかん」のクリスマス会に参加する事になる。当日ひびきはバンドの新ドラマーとして自分をアピールしようと意気込むが、ケガが原因でミスをしてしまい、ショックで演奏中に逃げ出してしまう。しかし、そんなひびきを追いかけて来たのは、唱と樹実であった。そこで樹実から演奏に関するアドバイスを受けたひびきは、唱と律に謝罪し、そして自分達が今後「ハイスクール・ミュージック・バトル」で勝ち進むには樹実の力が必要であると提案する。

第3巻

三ツ矢ひびき六久保唱四ノ崎律のバンド「Rock for the Sun」は、新たに八乙女樹実をスタッフとして迎える事になった。ひびきはさっそく受けた樹実の辛辣な意見に落ち込みつつ、少しでも実力を上げるため、ほかのバンドのドラマーを観察するためライブハウス「OTW」を訪れる。そこでひびきは、ミュージシャン達に的確な助言をする事で知られるスタッフの五条巧人と出会い、アドバイスを乞う。しかし巧人はひびき達の「なかよしじどうかん」でのライブを見ており、途中で演奏を放り出すようなミュージシャンと話す事はないと、ひびきを冷たくあしらう。そこで改めてあの日の自分の愚かさを痛感したひびきは、猛練習に励み、もう一度巧人に会いに行く。そして演奏で巧人を納得させたひびきは、今後は自分の持ち味を大切にしつつ、もっとボーカリストが映える演奏を意識するのはどうか、と助言されるのであった。これがきっかけで「Rock for the Sun」は一つ成長し、同時に「ハイスクール・ミュージック・バトル」の1次審査通過の連絡が来る。そして次なる2次審査の内容は、各バンドの音源を「ハイスクール・ミュージック・バトル」の公式サイトにアップし、一般投票でその人気を競うという「ネット審査」であった。そこで四人は、審査用の動画を作成するため、樹実の自宅で合宿する事になる。合宿は順調に進んでいくが、その夜ひびきは、樹実から唱とキスをしたという話を聞き、ショックを受ける。だが、深夜一人抜け出したひびきを案じて追いかけて来たのは唱であった。そこで強い絆を感じた二人は、これからも恋愛関係にならず、生涯バンド仲間でいる事を誓い合うのだった。

第4巻

ハイスクール・ミュージック・バトル」用の演奏動画が完成し、新年が訪れた。サイト上にアップされた「Rock for the Sun」の動画は好評で、順調に票を得ていくが、三ツ矢ひびき達はライバルバンドの一つである「WILDy(ワイルディ)」に、六久保唱四ノ崎律八乙女樹実のかつてのバンドメンバー、二神轟太がいる事に気づく。さらに現在ランキング1位のバンド「&0(アンドゼロ)」の実力は圧倒的で、特に彼らとの実力差を感じた律は、内心焦るのだった。結局ネット審査において「Rock for the Sun」は「&0」に続いて2位通過となり「Rock for the Sun」は万全の状態で3次審査を受けるべく、どこかでライブ出演がしたいと考える。そこでひびき達は五条巧人に頼んで、多数のバンドが出演するイベントで、1曲だけ出演させてもらう事になる。しかし当日ひびき達は、イベントに轟太達「WILDy」も出演する事を知り、しかも轟太は「Rock for the Sun」に、ライブの出演順を交代しようと言い出す。轟太はわざと自分達のステージのあとに「Rock for the Sun」を登場させる事で「Rock for the Sun」を自分達のファンばかりの会場に放り込んで、ひびき達を苦しめようと考えたのである。ひびき達は逆境に屈せずライブを成功させるが、終演後、轟太は樹実が「Rock for the Sun」のスタッフとして参加している事に驚く。轟太にとって樹実は唱の身勝手な振る舞いの被害者であり、そんな樹実が今でも唱に協力している事が信じられなかったのである。激怒した轟太は、打倒「Rock for the Sun」に燃える。

第5巻

ハイスクール・ミュージック・バトル」3次審査が始まり、「Rock for the Sun」はライバルバンド19組と、順に観客の前で演奏する「ライブ審査」を受ける事になった。そこで、とうとう謎のロックバンド「&0(アンドゼロ)」の正体が明かされるが、それはなんと、五条巧人がすべてのパートを担当し、ステージでは自分の歌声とベースに、あらかじめ自分で録音したほかのパートの演奏をかぶせるという「お一人様バンド」であった。そんな独自の形態にもかかわらず「&0」は圧倒的で、巧人と同じベーシストである四ノ崎律は自分との実力差に動揺し、演奏中ミスを連発してしまう。それでもなんとか「Rock for the Sun」は3次審査を通過するが、その直後、六久保唱は「ハイスクール・ミュージック・バトル」の審査委員長である百瀬万丈に呼び出される。3次審査を見て「Rock for the Sun」のうち、唱だけは将来有望であると考えた万丈は、唱のソロであればプロデュースしたいというのである。これには万丈の知人である八乙女樹実も一枚嚙んでおり、樹実は結果的にひびきと律を捨てる事になっても、唱をスターにしたいと考え、万丈に進言していたのだ。唱は万丈の誘いを断るが、万丈には「Rock for the Sun」にいる限り、大きな成功はあり得ないと断言されてしまう。

第6巻

あくまで「Rock for the Sun」のメンバーとして成功したい六久保唱と、どのような手段を使っても唱に成功してほしいと願う八乙女樹実の意見は対立し、最終的に樹実は「Rock for the Sun」を離れる事になってしまう。三ツ矢ひびき四ノ崎律はショックを受けるが、三人で話し合った結果、これからは樹実が携わった楽曲は封印し、改めて三人だけで頑張って行く事になる。そこで新たなオリジナル楽曲が必要になった「Rock for the Sun」は、唱の自宅で楽曲制作合宿を行う事になる。しかしその夜、唱は事故でひびきの頰にキスしてしまう。これがきっかけでひびきは唱を強く意識するが、バンド内恋愛禁止のルールを思うと、唱に惹かれている自分を認める事はできず、悩む。さらにその直後ひびきは、唱と律が、本当にこのままバンド内恋愛禁止でいいのかと話し合っているのを聞いてしまう。そこでひびきは、唱がやはりバンド内恋愛は絶対にしてはいけないし、そうなった場合バンドは即解散であると考えているのを知り、ショックを受けるのだった。

第7巻

楽曲制作合宿が無事終わり、「Rock for the Sun」の新曲が完成した。しかし合宿中、改めてバンド内恋愛禁止を痛感した三ツ矢ひびきは落ち込んだままで、それを察した四ノ崎律はさりげなくひびきを励ます。そして「ハイスクール・ミュージック・バトル」準決勝が始まり、ひびき達は今度は、準決勝出場の6バンドを二つに分けた3組ずつが同時に45分のライブを行い、最終観客動員数を競う「客とりバトルステージ」を行う事になる。オリジナル曲が1曲しかない「Rock for the Sun」は圧倒的不利となるが、そこで三人は45分間同じ曲を、観客のリクエストに応え、アレンジを変えながら演奏し続けるという方法で乗り切る事を思いつく。その独特のライブは評判を呼び、ガラガラだった「Rock for the Sun」のステージに、少しずつ客が集まって来るのだった。

第8巻

ハイスクール・ミュージック・バトル」準決勝後半戦。六久保唱の柔軟な対応で、圧倒的不利と思われた「Rock for the Sun」のステージは、気づくと満員になっていた。途中四ノ崎律に野次が飛ばされるトラブルもあったが、見事ライブは成功し、「Rock for the Sun」はAブロックで優勝。ついに決勝進出を果たす。一方、Bブロックで優勝したのは「WILDy」であった。しかし僅差であったAブロックに対し、Bブロックは「WILDy」が圧倒的で、三ツ矢ひびき達三人は、これまで決して上位で通過して来たわけではない「WILDy」の突然の変化に違和感を覚える。その秘密は、これまで「Rock for the Sun」をサポートし続けていた八乙女樹実が、今度は「WILDy」の手伝いを始めた事にあった。真っ先にそれを察知した律は樹実に会いに行き、余計な事をしないでほしいと牽制するが、樹実には逆に、律がひびきと唱に秘密にしている事をばらすと脅されてしまう。仕方なく律が帰宅すると、今度は父親に、律はいつバンド活動をやめるのかとたずねられる。

登場人物・キャラクター

三ツ矢 ひびき (みつや ひびき)

ロックバンド「Rock for the Sun」のドラマー。カメリア女学院高校1年B組に在籍する女子。前髪を眉上で切り揃え、肩につくほどまで伸ばした赤紫色のウェーブボブヘアにしている。明るく素直で、猪突猛進な性格。世界に音を響かせるバンドのドラマーになる事が夢で、幼なじみのゆんちゃんら三人と、軽音楽同好会に所属してバンド活動をしていた。 しかし、ある日突然、ギタリストとボーカリストが、部活動よりも恋人を優先したいという理由で脱退してしまい、さらにベーシストであるゆんちゃんの引っ越しが決まった事により、バンドが解散してしまう。そこで新たなバンドを組むべくメンバーを探していたところ、SNS「ササヤキッター」で以前から親しくしていた人物「おんぷ」のバンドがドラマーを探している事を知る。 そこですぐさま立候補したところ、それまで女性だと思い込んでいた「おんぷ」が、実は男性の六久保唱であった事を知るなどの紆余曲折を経て、唱と四ノ崎律の三人で、新バンド「Rock for the Sun」のドラマーとしての活動を始める。その後、音楽活動を通じて唱と親しくなっていくが、結成時「バンド内恋愛禁止」というルールを作ってしまった事から、唱への気持ちを認められず、押し殺したまま活動している。 音楽よりも楽しいものはないという考えの持ち主で、唱に出会うまでは、恋愛には関心が薄かった。また女性扱いされる事を嫌っており、ミュージシャンとして男性と対応に扱われたい、という思いが強い。 そのため、女性の癖にドラムを叩いている、女性の割には演奏がうまいといった事を言われると非常に怒る。しかし、ガールズバンド「ニーアンドハイ」のメンバー達の、自分達の音楽を聴いてもらうためには手段を選ばず、時には女性である事を生かしたアピールを辞さない姿勢に感銘を受け、視野を広げる。軽音楽同好会時代は、活動費は主に親からもらっていたが、「Rock for the Sun」の活動を始めてからは、唱の姿勢に感化され、交通費を節約したり、お弁当を三人分用意して食事代を節約したりするなどの方法で、自力で捻出するようになる。 音楽は大好きだが、家が厳しいために、ライブにはほとんど行った事がない。好きなバンドはSHISHAMOとUNISON SQUARE GARDEN。

ロックバンド「Rock for the Sun」のボーカリスト兼ギタリスト。小石ヶ丘高校に通う1年生の男子。六久保咲の兄でもある。「Rock for the Sun」を組む前は「フォース」のボーカリス... 関連ページ:六久保 唱

四ノ崎 律 (しのざき りつ)

ロックバンド「Rock for the Sun」のベーシスト。栄成高校1年A組に在籍する男子。以前は「フォース」のベーシストとして活動していた。そのため元バンド仲間である八乙女樹実には「りっくん」と呼ばれている。超進学校の栄成高校に通う成績優秀な優等生で、穏やかで物腰柔らかい、紳士的な人物。つねに沈着冷静で性格なため、バンドメンバーである三ツ矢ひびきと六久保唱にも頼られている。 一方で敵とみなした者には辛辣で、特に樹実の事は快く思っておらず、要注意人物だと考えている。中学2年生の頃、校内で歌っていた唱と出会い、演奏に付き合った事がきっかけでベースを始めた。その後は「フォース」のメンバーとして活動していたが、樹実と二神轟太が起こしたトラブルにより「フォース」が解散してからは、唱と二人で新メンバーを探しながら活動していた。 そして高校1年生の秋、唱の紹介でひびきと知り合い、お互いの性別を勘違いしてさっそく喧嘩になったひびきと唱の関係を取り持って、「Rock for the Sun」を結成する。その後、音楽活動を通じてひびきに思いを寄せるようになっていくが、ひびきは唱に惹かれている事を理解している。 また、結成時「バンド内恋愛禁止」というルールを作ってしまった事から、ひびきに思いを打ち明ける事もできずにいる。しかし四ノ崎律は、今後も「バンド内恋愛禁止」を続ける事について疑問を持っている。

八乙女 樹実 (やおとめ じゅみ)

高校1年生の女子。六久保唱の元恋人。以前は「フォース」のキーボーディストとして活動していた。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。SNS「ササヤキッター」でのハンドルネームは「くるみ」。抜群の美少女であるうえ、おしとやかでかわいらしい雰囲気から男性に非常にもてる。しかし実際は抜け目のない、計算高い性格。 目的のためなら手段を選ばず、悪気のないふりをして、巧みな言動で他人をあやつろうとするところがある。このため同性には嫌われがちで、女性の友人は三ツ矢ひびきしかいない。中学生の頃に唱と出会って親しくなり、ある日事故でキスしてしまった事がきっかけで唱と交際を始める。並行して「フォース」のメンバーとしても活動していたが、やがて八乙女樹実よりもバンド活動を優先しがちな唱の態度に腹を立てるようになる。 そこである冬の「フォース」のワンマンライブ当日に、二神轟太と共にライブをボイコットし、そのまま脱退した。高校進学後は唱、律、轟太とは疎遠になっていたが、高校1年生の秋、バンドの練習場所を探しているひびきに声を掛けた事から、唱や律と再会する。 そこで音楽に関する知識と実力を買われ、高校1年生の年末から「Rock for the Sun」のスタッフとして、プロデューサーやマネージャー、宣伝部長などを兼ねる多種多様な役割を果たすようになる。しかし「ハイスクール・ミュージック・バトル」の3次審査のあと、唱との意見の相違が理由で「Rock for the Sun」を離れて轟太の新バンド「WILDy」の手伝いを始めた。 父親は有名レコード会社の役員で、家は非常に裕福。しかし多忙なために両親はほとんど家におらず、豪邸で一人で過ごす事が多い。料理が得意で、ひびき達にもよく振る舞っている。さまざまなバンドの貴重な音源を多数所持しており、ひびきと初めて会った日も、SHISHAMOの話で意気投合した。

五条 巧人 (ごじょう たくと)

ライブハウス「OTW」で、ドリンクカウンターのスタッフとして働く男子高校生。実はロックバンド「&0(アンドゼロ)」の全パートを担当する凄腕ミュージシャンでもある。前髪を右寄りの位置で分けて、左目が完全に隠れるほどまで伸ばした、癖のあるショートカットヘアをしている。非常に寡黙でめったに人と話さないが、音楽に関して的確なアドバイスをすると評判で、ぜひ五条巧人からアドバイスを受けたいと「OTW」に集まるミュージシャンから強い信頼を得ている。 「Rock for the Sun」の事は、高校1年生の12月に出演した「なかよしじどうかん」のクリスマス会ライブの時から知っていたが、その際演奏中に逃げ出した三ツ矢ひびきに腹を立て、ミュージシャンとして最低の行為だと軽蔑していた。 しかしその直後ひびきから教えを乞われ、彼女の努力を認めてアドバイスをした事で親しくなる。音楽に対する理想が非常に高く、また自分の望む音が出せるミュージシャンが周囲にいないため、バンド活動するのは難しいと考えている。そのため、すべてのパートを自分で演奏して録音し、ライブ出演時はボーカルとベースを演奏し、残りのパートはあらかじめ録音したものをかぶせて流す、という独特の演奏形態をしている。 しかし「ハイスクール・ミュージック・バトル」出場時に「Rock for the Sun」の面々が三人なかよく楽しげに演奏する姿を見て興味を持ち、その後三人といっしょにセッションしたのを機に、バンド活動への考えを改める。

二神 轟太 (ふたがみ ごうた)

ロックバンド「WILDy」のドラマー。高校1年生の男子。「WILDy」を組む前は「フォース」で活動していた。前髪を眉上で短く切って刈り上げた茶色のショートカットの髪型をしている。中学時代は「フォース」のメンバーとして活躍していたが、六久保唱に振り回され、疲弊する八乙女樹実の姿を苦々しく思っていた。そこでワンマンライブ当日、樹実を誘って二人でボイコットするという形でバンドを去った。 現在でも唱の事を、樹実を傷つけた許せない人間だと考え、強くライバル視している。そのため「ハイスクール・ミュージック・バトル」でも、打倒「Rock for the Sun」を誓っている。

ゆんちゃん

カメリア女学院高校1年B組に在籍する女子。三ツ矢ひびきの友人。前髪を目の上で切り揃え、胸につくほどまで伸ばしてゆるくウェーブがかったロングヘアを、耳の高さで結んでツインテールにしている。「ゆんちゃん」はあだ名で、本名は不明。ひびきとは幼なじみで、昔から非常に親しく、ひびきに熱心に誘われる形で軽音楽同好会に入会。いっしょにバンドを組んでいた。 バンドではベーシストとして活動していたが、ボーカリストとギタリストが脱退したのと同時期に、マレーシアへの引っ越しが決まり、ゆんちゃん自身も脱退する事になってしまった。この事に責任を感じており、バンド脱退後もつねにひびきを案じている。

百瀬 万丈 (ももせ ばんじょう)

日本を代表する人気音楽プロデューサーの中年男性。「ハイスクール・ミュージック・バトル」の今年度の審査委員長も務める。八乙女樹実の知人。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたショートカットの髪型で、顎ひげを生やしている。名前に「百」と「万」が入っている事から、ニックネームは「ミリオン」。樹実の父親とは友人で、樹実とも古くからの付き合い。 そのため、樹実にはやや甘い。将来性の高いミュージシャンとしか仕事しない主義で、「Rock for the Sun」では、六久保唱のみが有望であると認識している。

六久保 咲 (ろつくぼ さき)

中学3年生の女子。六久保唱の妹。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばした内巻きボブヘアにしている。美形で大人っぽい雰囲気だが、気さくで明るい性格。三ツ矢ひびきとは、ひびきと四ノ崎律が、六久保家を訪れた事がきっかけで知り合った。唱がSNS「ササヤキッター」のアイコン画像に、咲が写っている写真を使用していたため、ひびきは唱と出会うまで、咲こそが「おんぷ」の正体であると勘違いしていた。

集団・組織

Rock for the Sun (ろっく ふぉー ざ さん)

高校1年生の男女三人で構成されるロックバンド。メンバーは、ボーカル兼ギターの六久保唱、ベースの四ノ崎律、ドラムの三ツ矢ひびき。「フォース」解散後、唱と律が二人で活動していたところに、唱のSNS上の友人であるひびきが加入して結成された。「六久保」「四ノ崎」「三ツ矢」と、メンバー全員の苗字に数字が入っており、それを「6(ろっく)」「4(ふぉー)」「3(さん)」の順で並べ、自分達の魂であるロックミュージックを太陽に捧げるという意味で「Rock for the Sun」という言葉にした事がバンド名の由来。 「フォース」が恋愛がらみのトラブルで解散した事から、唱の強い意向によりバンド内恋愛が固く禁止されている。三人が高校1年生の秋に結成され、結成してすぐに「ハイスクール・ミュージック・バトル」に出場する。 また「ハイスクール・ミュージック・バトル」の2次審査直前の12月から3次審査終了までは、「フォース」の元メンバーである八乙女樹実がスタッフとして参加し、ミュージシャンとして演奏面でのアドバイスを行ったり、マネージャーとしてメンバーに食事を振る舞ったり、宣伝部長としてSNSの更新や動画を制作したりと、多岐にわたってサポートを行った。 オリジナル楽曲に「Because」があるが、この曲はもともと「フォース」の楽曲であったため、「Because」の作詞担当も樹実である。また、樹実がバンドを離れる「ハイスクール・ミュージック・バトル」3次審査終了までは、バンドの評判は樹実の手腕によるところも大きかった。 しかしその後は三人のみでの活動となり、「Because」を封印して、三人で作った曲だけを演奏する方針になる。

フォース

ボーカル兼ギターの六久保唱、ベースの四ノ崎律、キーボードの八乙女樹実、ドラムの二神轟太で構成された四人組ロックバンド。すでに解散している。活動当時はメンバー四人とも中学生という若年ながら、200人の客を動員した超人気バンドとして知られていた。しかし当時唱と交際していた樹実が、唱の音楽中心すぎる生活に不満を感じた事により亀裂が生じ、ワンマンライブの当日、樹実と轟太がボイコットした事で、そのまま解散した。

こけこもも

双子の男子高校生「果(あきら)」と「実(みのる)」のアコースティックデュオ。「天使の歌声」として知られている。六久保唱と四ノ崎律とは以前からの知り合いで親しい。

ニーアンドハイ

音楽大学付属高校に通う女子高校生四人で結成されたガールズロックバンド。通称「ニーハイ」。ボーカリスト兼ギタリスト、ベーシスト、ドラマーに加え、ヴァイオリニストがいるのが構成上の特徴。さらにメンバー全員が「ミスJK」のファイナリストに選出されるほどの美形揃いで、演奏技術も超高校級である事から、高い人気を誇っている。しかし、メンバー全員が美形すぎる事と、衣装の露出度が高い事から、よくも悪くもアイドル視されがちで、熱心なファンと強烈なアンチが同時に存在している。

イベント・出来事

ハイスクール・ミュージック・バトル (はいすくーるみゅーじっくばとる)

レコード会社「K-Danレコード」が主催する、高校生限定のバンドコンテスト。通称「スクバト」で、優勝したバンドはメジャーデビューが約束されるため、業界大注目のイベントとして知られている。応募資格は、バンドメンバー全員が高校生である事と、オリジナル楽曲を所持している事。まず1次審査としてオリジナル楽曲審査が行われ、応募者は100組まで絞られる。 2次審査以降は毎年内容が変わり「Rock for the Sun」が出場した年の2次審査は、公式サイト上にアップされた各バンドの楽曲を、一般視聴者が人気投票を行い、投票数上位20組までが3次審査に進むという「ネット審査」。3次審査は残った20組がくじ引きの順で、審査員と観客の前で1曲披露する「ライブ審査」。 準決勝は残った6組をAブロックとBブロックの二つに分け、3組が同時に45分間のライブを行い、最終観客動員数を競う「客とりバトルステージ」であった。

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