概要・あらすじ
2010年、ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」は、解散の危機を迎える。メンバーの3人が六本木駅でもみ合いとなってホームに落ちると、見ていた1人を含むメンバー4人全員が1961年(昭和36年)にタイムスリップしてしまう。1961年は、まだビートルズがレコードデビューしていなかったため、ファブ・フォーは盗作をする形でビートルズの楽曲を発表していく。
登場人物・キャラクター
蜂矢 翔 (はちや しょう)
本作はショウの独白で幕を開ける。ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」のメンバーで、パートはリードギター(ジョージ・ハリスンの担当)。マコトの1年後輩。小学校3年の夏に父のCDを聞いて以来のビートルズファン。2010年から1961年へとタイムスリップした際はマコトと一緒で、流しの竜や竜の行きつけのバー「来夢」のママ・ヨネの世話になった。 やや強引にことを進めるマコトの陰にあって、常に罪悪感を感じていた。のちに園田鹿之子に好意を持つようになった。
鳩村 真琴 (はとむら まこと)
ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」のメンバーで、パートはベース(ポール・マッカートニーの担当)。本来は右利きだが、楽器を弾くときはポールと同じ左利きとなるよう矯正した。2010年から1961年へとタイムスリップした際はショウと一緒で、流しの竜や竜の行きつけのバー「来夢」のママ・ヨネの世話になった。 本来のビートルズと競うという野望を持つようになり、ショウをはじめとする「ファブ・フォー」のメンバーや周囲を巻き込んでいく。
鶴野 コンタ (つるの こんた)
ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」のメンバーで、パートはドラムス(リンゴ・スターの担当)。2010年から1961年へとタイムスリップした際、他のメンバーとは離れ離れとなり、子連れのストリッパー・海老名ローズに救われて同棲をするようになった。ローズがショウとマコトにファンレターを送り、コンタは「ファブ・フォー」の活動を再開することになった。
鷹津 礼 (たかつ れい)
ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」のメンバーで、パートはギター(ジョン・レノンの担当)。2010年から1961年へとタイムスリップした際、他のメンバーとは離れ離れとなり、飯場で働いて生活していたが、ギターの練習は欠かさなかった。飯場では亀田と知り合いになり、ギターも教え、さらにオリジナル曲で猿丸薫に見出されるなどした。 当初、マコトとショウがビートルズの楽曲でレコードデビューしたことに憤っていたが、その意外な結果に衝撃を受け、責任を取ろうとするようになる。
竜 (りゅう)
青森出身で標準語で話すが、興奮すると青森弁が出る。2010年から1961年へとタイムスリップしたショウとマコトの可能性を見抜き、弟子として世話をするようになった。2人を「来夢」のママ・ヨネにも引き合わせ、のちに「ファブ・フォー」のマネージャー的なポジションに納まった。 エルビス・プレスリーの熱狂的なファン。
ヨネ
流しの竜の行きつけのバー「来夢」のママ。「夢楽荘」というアパートの大家もしており、2010年から1961年へとタイムスリップしたショウとマコトを支えた。2人がハワイアンのダンスパーティーに出演した際も拍手をしてブーイングを抑えた。
卯月 マキ (うづき まき)
マキ・プロダクションの社長を務める女性。アメリカへの留学歴があり、父親はジャズメン。先見の明があり、「ファブ・フォー」の可能性を高く評価して飛躍のきっかけと活躍の場を与えたが、イギリスである疑念を抱くようになる。
園田 鹿之子 (そのだ かのこ)
ラジオで流れた「ファブ・フォー」の曲、『抱きしめたい』を聞いてファンになる。ファンレターを送ったことでショウと知り合い、レコードをプレゼントされる。その後、音楽への考察を深め、新たな道を歩みはじめる。
猪狩 (いがり)
大手のセントラル・スターレコードの社員だったが、卯月マキから教えられた「ファブ・フォー」に衝撃を受け、会社を辞めて、「ファブ・フォー」のレコーディング担当となる。
海老名 ローズ (えびな ろーず)
子連れのストリッパーで、情が深い。2010年から1961年へとタイムスリップしたコンタを救い、同棲をするようになった。ローズがショウとマコトにファンレターを送ったことが、コンタが「ファブ・フォー」で活動を再開するきっかけとなった。
亀田 (かめだ)
2010年から1961年へとタイムスリップしたレイが働いていた飯場の同僚。いじめにあっていたがレイに救われて慕うようになる。レイからギターを習い、「ファブ・フォー」の音楽に触れることで、新しい時代の空気を感じ取り、音楽活動をはじめる。
猿丸 薫 (さるまる かおる)
オリオンレコードの制作担当部長。ヒットを見抜く確かな力があり、大ヒットを出している。1人で活動していた鷹津礼に可能性を感じ、ソロデビュー作の制作をした。
ブライアン・エプスタイン (ぶらいあんえぷすたいん)
作中のビートルズの運命を握っているともいえる人物。はじめ「ファブ・フォー」の音楽を褒めたが、次第に違和感を感じるようになり、ある決断をした。
集団・組織
ファブ・フォー (ふぁぶふぉー)
『僕はビートルズ』に登場するバンド。テクニックだけなら本物より上だと自負しているビートルズのコピーバンド。メンバーはリーダーでギターのレイ(鷹津礼)、ベースのマコト(鳩村真琴)、リードギターのショウ(蜂矢翔)、ドラムスのコンタ(鶴野コンタ)の4人。2010年、解散話がきっかけで六本木駅ホーム上でメンバーがもみ合い、全員が1961年にタイムスリップしてしまった。
クレジット
- 原作
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藤井 哲夫