自分の未来を知った女子高生が変わっていく姿を描く
高校2年の花園佳代は、幼なじみの相川真之介のことをずっと好きだった。だが、中学生になって自分が女の子扱いされていないと感じ、周囲からモテだした真之介を見て、告白もせずに諦め、真之介から離れていく。かわいくて男の子からそこそこモテていた佳代は、24〜25歳で結婚するだろうと未来を安易に考えていた。ところが突然現れた30歳の自分(通称アラサー)から、佳代は30歳まで独身で、誰とも付き合ったことのない処女だという衝撃の事実を告げられる。30歳まで真之介への気持ちを引きずったまま、誰とも付き合えずにいたのだった。13年後の真之介は高校時代に付き合った初めての彼女と結婚する。だから、その彼女の座を得られれば、未来は大きく変わるとアラサーは言う。佳代は自分の運命を変えるべく、真之介にアプローチを開始する。
3枚目のヒロインと善人過ぎるライバル
佳代は、かわいいという設定なのに、変な顔になる、鼻水をたらして泣くという3枚目キャラ。意地悪だったり、少し腹黒かったり、時には流されたりすることもある人間くさくて魅力的なヒロインだ。一方、佳代のライバル・櫛田陽は、好きな相手が幸せなら、付き合えなくてもかまわないという、善人すぎて後光が差してしまう強力なキャラ。各所にギャグが挟まれており、コメディ要素が強いものの、学校で1、2を争う二人のイケメンが佳代に思いを寄せ、せつない場面や胸キュンシーンも多数ある、ラブコメディとしてバランスのとれた作品である。
両思いなのにうまくいかない幼なじみの真之介と佳代
佳代はその見た目から男の子からチヤホヤされていたが、実際には非モテで奥手。意地っ張りな性格から、真之介にうまく気持ちを伝えられない。真之介はバスケ部のエースでイケメン。頭も性格もよく女子ファン多数。完璧男子なのだが、幼なじみの佳代のことをいつも気にしている。アラサーの出現をきっかけに佳代が行動を起こし、二人の距離はぐっと縮まるものの、真之介の未来の嫁となる女子バスケ部の陽が真之介に告白。佳代の起こした行動が裏目に出て、アラサーが持っていた卒業アルバムの櫛田と真之介の写真が、より親密なものへ変わってしまう。また、真之介と佳代は両思いなのに、さまざまな事件や誤解が生まれ、真之介と佳代はすれ違いを繰り返す。
チャライケメン・瀧涼一の登場で波乱が巻き起こる
櫛田に正論を言われ、困っていた佳代をスマートに助けたチャライケメン・瀧涼一。彼は女子の取り巻きを多数連れている遊び人で、学園でも評判のモテ男だった。彼はあまりにアプローチが下手な佳代を見かねて、真之介とうまくいくように協力してくれるという。遊び半分で関わった瀧だったが、しだいに懸命でけなげな佳代に惚れてしまう。佳代は真之介ひとすじだったのに瀧と一緒にいるために、真之介は二人が付き合っていると思い込み、櫛田と交際することを決めてしまう。
登場人物・キャラクター
花園 佳代 (はなぞの かよ)
高校2年生の女の子。2年E組に所属している。外見はかわいく、男子からもよく告白されているが、実は非モテ女子。タレ目で少し髪にクセがある。幼なじみの相川真之介のことがずっと好きだったが、中学からモテだした真之介を見て、思いを伝えないまま諦めてしまう。負けず嫌いで、意地っ張り。勢いで思っていないことを口にしてしまうこともある。勉強は苦手。
相川 真之介 (あいかわ しんのすけ)
花園佳代の幼なじみで高校2年生の男子。バスケ部キャプテンでエースを務めている。勉強もスポーツもできるイケメンで、神レベルにモテる。かわいい子から告白されても、相手のことをよく知らない場合は断ってしまうなど、自分から好きにならないと付き合えないタイプ。素直でまっすぐな性格をしている。小さい頃、佳代を誘って、一緒に庭でバスケをしていた。
アラサー
30歳の花園佳代。13年後の未来からタイムトラベル装置を使って、17歳の自分に警告に来る。30歳の時、相川真之介が結婚して初めて本当の自分の気持ちに気づく。内巻きのボブカットで服装はコンサバ系。怒ったり、泣いたりと喜怒哀楽が激しい。ほうれい線が目立つと17歳の佳代から言われている。神出鬼没で17歳の佳代から迷惑がられている。
櫛田 陽 (くしだ よう)
高校2年生の女子。女子バスケ部で部長を務めるなど周りからの人望が厚く、素直で前向きな性格をしている。ショートカットで飾り気がなく、女子力はさほど高くないが、スタイルがいい。悪口を言ったり、人を妬んだりすることのない、聖人のような心を持つ。相川真之介が好き。アラサーによると、真之介と高校から付き合い、結婚することになっている。
瀧 涼一 (たき りょういち)
高校2年生の男子。2年B組に所属している。つり目で黒髪、耳にピアスをしたチャライケメン。学校内で相川真之介と1、2を争うほどモテており、いつも取り巻きの女の子を連れて歩いている。花園佳代が真之介のことを好きだと知り、協力しようとするが、佳代のことを本気で好きになってしまう。分析力が高く、要領がいいため、勉強をしなくても学年20位以内をキープしている。
書誌情報
こんな未来は聞いてない!! 全7巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2016-04-26発行、 978-4091382856)
第7巻
(2019-01-25発行、 978-4098703333)