さよならミニスカート

さよならミニスカート

ファンに切りつけられた過去を持つ、元アイドルが主人公。スカートを穿く事を止め、過去を隠して暮らす女子高生を中心に、社会での「女性」のあり方を問う、フェミニズム的視点を含んだ作品。集英社「りぼん」2018年9月号より連載。宝島社「このマンガがすごい!2020」オンナ編1位。

正式名称
さよならミニスカート
ふりがな
さよならみにすかーと
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

雨宮花恋はかつて、大人気アイドルグループ「PURE CLUB」の不動のセンターとして活躍していた。しかし、半年前のある日、握手会会場で、熱烈なファンに刃物で腕を切られてしまう。犯人は逃走して今も行方がわからないまま。心と体に傷を追った花恋は、グループを脱退。芸能界を引退して、神山仁那という本名に戻り、過去をすべて隠して高校生活を送っていた。

仁那は、長かった髪もバッサリと切り、スカートを穿くのを止めた。外見はほとんど男子のようで、女の子達の輪にも入ろうとしない仁那は、変人扱いされていた。ある日、すぐ近くの高校の女子生徒が、下校中、変質者に襲われる事件が発生。これを受け、仁那が通う高校では、女子の放課後部活動の中止が決定し、集団下校が勧められた。

数日後、仁那のクラスメイトの美少女、長栖未玖が、変質者に太ももを触られる被害に遭う。クラスの男子は、「短いスカートだから触られて当たり前」「男に媚びを売るために、スカートを穿いている」などと、心無い事を言った。その言葉に激怒した仁那は、男子生徒に歩み寄り、ネクタイを摑んで締め上げながら「スカートは男のために穿いているのではない」と言い放った。

その静かな迫力に、教室は一瞬、静まり返るが、女子達は仁那の言葉に同調した。たじろぐ男子生徒だったが、そこに当の未玖が登場。男子生徒を非難するかと思いきや、にっこり笑って、冗談交じりに怒ってみせた。さらに、「たかが太ももだから、大げさにしないで」と明るく笑う。その様子に、クラスの雰囲気が一変。

逆に仁那のほうが、悪者のようになってしまった。「本当にそれでいいのか」と未玖に言葉を投げかけ、仁那はクラスを後にした。クラス中の男子が仁那を嘲る中、柔道部員の堀内光だけは違っていた。「昼練の時間」と言って、バカ笑いする男子に袈裟固めをきめたのだ。そして光は、仁那の後を追い、屋上で彼女を見つける。

光は、仁那が元アイドルの雨宮花恋である事に気づいていた。自分の正体を知られて動揺する仁那。激しく否定する仁那の手を握りながら、光は自分の妹の事を話す。「PURE CLUB」は、学校の担任にセクハラされ、引きこもりになっていた妹の救いになっていたという。「アイドルになってくれてありがとう」という光の言葉に、仁那の心は揺さぶられた。

アイドルに憧れ、アイドルを目指していたときの気持ちを思い出したのだ。仁那の気持ちが少しずつ変わり始めた。ちょうどその頃、半年前に仁那を切りつけた犯人が、「雨宮花恋=神山仁那」である事に気づき、不気味な笑みを浮かべていた。

登場人物・キャラクター

神山 仁那 (かみやま にな)

高校1年生の女子。大人気アイドルグループ「PURE CLUB」の元センター、雨宮花恋。半年前、握手会会場でファンに刃物で切りつけられ、右腕を負傷。心と体に傷を負い、アイドルを引退。過去を隠し、本名で高校生活を送る。髪の毛を短く切り、スラックスを穿いているため、見た目は小柄な男子学生のように見える。

堀内 光 (ほりうち ひかる)

神山仁那と同じクラスの男子。高校1年生。練習熱心な柔道部員。妹が、アイドルグループ「PURE CLUB」のファン。仁那の正体が、雨宮花恋である事に気づく。

長栖 未玖 (ながす みく)

神山仁那と同じクラスの女子。高校1年生。ボブカットにミニスカートが特徴。学校中の男子の人気の的。同じクラスの堀内光に好意を寄せている。

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