概要・あらすじ
厳しい母親・祐天寺たか子の重圧から逃れるため、祐天寺芽衣は東京のテレビ局に入社した。そこで芽衣は高校時代の同級生・大崎笑美子と再会し、部署は違うものの同じフロアで働くことになる。笑美子は芽衣にずっと憧れており、芽衣の顔そっくりに整形していた。驚く芽衣だったが、高校時代から想いを寄せていた大手広告代理店勤務の台場克己をはじめ、周りの男性たちがみな笑美子に魅かれているように感じてしまい、芽衣の心は何かとかき乱されていく。
そして「欲しい物は確実に手に入れる」という笑美子は、「東亜グループの御曹司・男鹿篤史と結婚する」ことを宣言。さらに「男は一度寝れば利用できる」と豪語し、篤史の指導社員である四ツ谷進にも手を出すのだった。
そんなある日、芽衣の様子がおかしいことに気付いた笑美子は、芽衣の家を訪れる。そして、芽衣が買い物依存症であり、心に深い闇を抱えていることを知ってしまう。
登場人物・キャラクター
祐天寺 芽衣 (ゆうてんじ めい)
テレビ局「東亜テレビ」の報道局に勤務する新米報道記者の女性。地元の名家に育った東大出の美人ながら、母親・祐天寺たか子の厳しすぎる教育のため、精神的ストレスで身体に変調を来たすことも多い。高校の同級生・大崎笑美子と再会し、自分と同じ顔に整形した笑美子の「欲しい物は確実に手に入れる」という姿勢に、何かと心をかき乱されてしまう。 生真面目な努力型の性格ながら、買い物依存症で、心に深い闇を抱えている。
大崎 笑美子 (おおさき えみこ)
テレビ局「東亜テレビ」の庶務課に勤める女性。祐天寺芽衣の高校時代の同級生で、高校時代はデブでブスだったが、美人で頭のいい芽衣に憧れるあまり、彼女そっくりの顔に整形する。「玉の輿狙いで東亜に入社した」と公言するも、敵を作らない抜群の処世術で東亜グループの御曹司・男鹿篤史に接近していく。「男は一度寝れば利用できる」と四ツ谷進とも関係を持つ、バイタリティにあふれた人物。
台場 克己 (だいば かつみ)
美大から大手広告代理店「E通」に入社し、若手のホープと期待されている男性。祐天寺芽衣、大崎笑美子の高校時代の同級生で、テレビ局「東亜テレビ」とも仕事上関係が深い。高校時代からハンサムで謎めいた雰囲気を漂わせており、芽衣が秘かに想いを寄せていた人物。芽衣に心の病があることを高校時代から知っている。のちに映像作家になりたいとフリーに転身する。
男鹿 篤史 (おが あつし)
東亜グループの御曹司で後継者。周囲から「ジュニア」と呼ばれている。現在はテレビ局「東亜テレビ」の営業として修行中の身。純粋無垢で世間知らずのお坊ちゃんであり、玉の輿狙いの大崎笑美子の術中にまんまとはまっていく。指導社員の四ッ谷進に絶大な信頼を寄せている。
四ッ谷 進 (よつや すすむ)
東亜グループの社員の男性。その優秀さを会長に買われて、男鹿篤史の指導社員役を任命された。大崎笑美子と篤史の仲を邪魔するが、笑美子と寝て以降、彼女の野望を承知しながらもあえて利用されている。腹の底では何を考えているかわからないタイプ。
青山 (あおやま)
テレビ局「東亜テレビ」の報道局に勤務する新人カメラマンの男性。報道記者の祐天寺芽衣とコンビを組むことが多く、機転を効かせ彼女をサポートしている親切な人物。余り人を疑わない純粋なタイプで、大崎笑美子に魅かれている。
蒲田 十々子 (かまた ととこ)
テレビ局「東亜テレビ」の入社2年目の女性アナウンサー。男性視聴者人気No.1で、ぶりっ子キャラが上層部にも受けている売れっ子。「東亜テレビ」放送広告大賞の授賞式で出会った台場克己に一目惚れし、猛烈にアタックする。
田所 (たどころ)
テレビ局「東亜テレビ」の報道局の部長で、祐天寺芽衣の上司。優秀だが心の弱さが見え隠れする芽衣を見守りながら、要所要所で叱咤激励する頼れる上司でもある。「おまえは世界中の男から恋される権利を持っている」と彼女を勇気づける。大崎笑美子の誘惑をきっぱりはねのける、ガードの固い一面を持っている。
大月 京子 (おおつき きょうこ)
テレビ局「東亜テレビ」の30代半ばのベテランアナウンサーの女性。入社当時は「お嫁さんにしたい女子アナNo.1」だったが、清楚なルックスとは裏腹の高飛車な態度が嫌われ、第一線から外された。「御曹司の男鹿篤史に選ばれるのは自分」との思い込みが激しく、秘かに祐天寺芽衣へのライバル心を募らせている。
祐天寺 たか子 (ゆうてんじ たかこ)
祐天寺芽衣の母親。プライドが高く、いつも上から目線で、家柄と学歴のない人間を見下している。密かに男鹿篤史と芽衣を近づけようと、あの手この手を使うが、篤史に近づく大崎笑美子とバトルを巻き起こす激しい性格。生家は父親が一代で財を築いたが、亡くなった途端親戚に全財産を乗っ取られ、人間不信になった過去がある。
芽衣の父親 (めいのちちおや)
祐天寺芽衣の父親で祐天寺たか子の夫。芽衣に対していつも優しく愛情に満ちていたが、たか子の芽衣に対する教育の余りの激しさに、存在感を消していた気弱な一面がある。たか子の名家「祐天寺」に嫁いだことによる気苦労と、彼女の生家の没落も理解しており、芽衣に本当のたか子の気持ちを伝える温かみのある性格。
祐天寺 俊樹 (ゆうてんじ としき)
祐天寺芽衣の4つ下の弟で、祐天寺たか子の息子。大学入学とともに実家を離れ、芽衣と何年振りかで再会する。やんちゃそうな外見だが、母親のプライドの高い態度を、笑ってかわせる余裕を身につけている大人びた一面がある。
神保 (じんぼ)
テレビ局「東亜テレビ」の庶務課をまとめる女性社員。彼氏を横取りした大崎笑美子が女性社員にビンタされるという事件を収めた人物。基本的には男女のことに口を出さないスタンスだが、得したつもりが失っている場合もあると笑美子を諭した。庶務課を取り仕切っているため、裏では笑美子に「神保ママ」と呼ばれている。
三浦 (みうら)
テレビ局「東亜テレビ」の報道局のベテランカメラマンの男性。優しい性格で、祐天寺芽衣の報道記者としてのデビュー時、肩に力が入り過ぎている彼女をリラックスさせようと、常に気遣っていた。のちに成長した芽衣が担当したケーブルカー事故の報道現場に立ち会うことになる。
場所
東亜テレビ (とうあてれび)
東京のテレビ局で、東亜グループの男鹿が会長を務めている。二代目を継ぐ予定の息子・男鹿篤史は「東亜テレビ」の営業として修行中の身。大崎笑美子はキャバクラに勤めていた時の客だった人事部長に口を利いてもらって入社した。報道やアナウンサーなどの花形部署は役員クラスのコネがないと入れないと言われており、のちに祐天寺芽衣は、自身も母親・祐天寺たか子が男鹿会長に頼んだコネ入社であったことを知る。