「みーつ」に込められた出会い
本作のタイトルの「みーつ」には、「出会う(meet)」と「肉(meat)」という二つの意味が込められている。これは、甘党のヤンキー少女、カンナと、肉好きの大食いお嬢様、美都の「出会い」を象徴している。立場こそ異なる二人だが、「周囲の目を気にして好きなものを自由に食べられない」という共通の悩みを抱えている。そんな二人が秘密を共有し、二人だけの食事会を楽しむ姿が物語の中心となっている。対照的な二人が食事を通じて心を通わせ、距離を縮めていく過程が丁寧に描かれている。
緻密な料理描写と会話で味わう食の魅力
本作の大きな魅力のひとつは、料理描写の緻密さにある。作中に登場する料理は多彩で、和菓子やケーキ、パフェといったスイーツから、ステーキをはじめとした肉料理まで幅広く描かれている。また、食事の場面で交わされる会話も重要な要素となっており、二人が楽しみながら料理を味わい、その感想を語り合う様子が描かれているため、読者は「食事」と「会話」の両面から満足感を得られる構成となっている。
キャラクター変更と連載化の軌跡
作者の白野アキヒロによる当初の構想では、本作は「甘党の不良少年」と「辛党のアイドル」が織りなすラブコメディとして描かれる予定だった。しかし、芳文社から読み切り作品の執筆依頼を受けた際に、登場キャラクターを二人とも女性に変更したという経緯がある。この変更により、初期構想にあった恋愛要素は「秘密の共有」という形で残され、作中には百合的な描写も多く見られるようになった。読み切り版は「まんがタイムきららフォワード」2021年8月号に掲載され、好評を博したことから連載化が決定した。なお、読み切り版と連載版では、望月美都の苗字をはじめ、一部設定が異なっている。
登場人物・キャラクター
佐藤 カンナ (さとう かんな)
姫宮女学院高等学校に通う2年生の女子。年齢は16歳。誕生日は3月10日。ヤクザ「佐藤組」の組長の一人娘であり、半グレ集団を一人で壊滅させたという噂が広まっている。整った顔立ちだが、金髪のショートカットと鋭い目つきのため、周囲からは「ヤンキー」や「怖い人」として恐れられ、孤立しがち。現在の学校には制服がかわいいという理由で進学を決めたものの、実際に着てみると気恥ずかしく感じ、いつも上にジャージを羽織って誤魔化している。その威圧的な外見とは裏腹に、実は「かわいいもの」や「スイーツ」が大好きな甘党で、乙女らしい一面を持っている。しかし、親の教育方針や自身のイメージとは正反対な嗜好(しこう)であるため、周囲には秘密にしており、こっそりと情報収集をしながらスイーツ店巡りを楽しんでいる。そんなある日、クラスメイトの美都と偶然出会い、お互いに「食の好み」を秘密にしていることを知る。以来、美都と好きな食べ物を交換し合うことを提案し、奇妙な交流が始まった。
望月 美都 (もちづき みと)
姫宮女学院高等学校に通う2年生の女子。年齢は16歳。誕生日は3月10日。カンナのクラスメイトで、学級委員長を務めている。黒い髪を長く伸ばし、大きなリボンを付けている。大企業「望月グループ」の令嬢で、おしとやかで品行方正、優しい性格から「絵に描いたようなお嬢様」として周囲から慕われている。しかし実は大食いで、特に「肉」が大好物。ふだんはお嬢様らしい体裁を保つために小食を装っているが、つねに空腹を抱えている。そのため、学校帰りにはこっそりファミレスに立ち寄り、大盛りのステーキを平らげて食欲を満たすのが日課となっている。ある日、その豪快な食事の様子をカンナに見られてしまうが、同時に彼女がスイーツ好きであることも知る。そこで、二人は「お互いの好きな食べ物を交換し合おう」という約束を交わすことになる。学校で見せるのはあくまで「お嬢様モード」だが、素の彼女は小悪魔的な言動も多く、カンナを振り回すことも多い。互いに周囲から求められるイメージを演じていることに共感を覚え、次第に心を許し合う仲となっていく。
書誌情報
しゅがー・みーつ・がーる! 4巻 芳文社〈まんがタイムKRコミックス〉
第1巻
(2024-03-12発行、978-4832295315)
第2巻
(2024-07-11発行、978-4832295605)
第3巻
(2025-02-12発行、978-4832296138)
第4巻
(2025-09-11発行、978-4832296626)







