概要・あらすじ
部員が3人しかいないためろくな活動ができていない演劇部部長の高井正太郎は、来月の新入生歓迎会で部員が入らなければ廃部だと教師に告げられた。そんな中、高井は、同級生で演劇部の幽霊部員である遠藤君子が本屋で宝塚歌劇団の雑誌を買っているところを目撃する。遠藤が、単なる宝塚ファンというわけではなく宝塚音楽学校の受験を目指していること、そのことに大反対している親に内緒でダンス教室に通っていることなどを知った高井は、新入生を集めるためにやれるだけのことをやる決意をするとともに、遠藤の味方になろうと決める。
登場人物・キャラクター
高井 正太郎 (たかい)
「すみれの花咲く頃」の主人公である高校2年生男子。同級生で幽霊部員の遠藤君子を含めても部員数3人という弱小演劇部の部長であり、来月の新入生歓迎会で部員が入らなければ演劇部は廃部と告げられている。幽霊部員ながら「部長は遠藤に任せたほうが良かったか」と言われるほど教師に信頼されている遠藤に当初は反発心を抱いていたが、彼女が宝塚歌劇団という夢を追い、一人で頑張っていることを知ってから、その味方になろうとする。
遠藤 君子 (えんどう きみこ)
高井正太郎の同級生である高校2年生女子。高井と同じ演劇部員だが、幽霊部員に近い。宝塚歌劇団に入るという夢を持っているが親に認められておらず、修学旅行の積立金を密かに丸山のダンス教室の月謝に回すなどしている。また、同級生の誰にもその夢のことは話していない。宝塚音楽学校の受験をめぐっての両親との対立が原因で高校入試の際に1浪しているため、同級生たちより歳は一つ上で、クラスでは「サン」付けで名前を呼ばれている。
三本 (みつもと)
高井正太郎、遠藤君子と同じ演劇部に所属する高校1年生女子。眼鏡にショートカットで、笑顔の多い明るい性格だが、成績は非常に悪く留年寸前。
若林 美智代 (わかばやしみちよ)
高井正太郎、遠藤君子と同級生である高校2年生女子。修学旅行の委員を務めており、遠藤君子が積立金をなかなか払わないことに腹を立てている。
丸山 (まるやま)
遠藤君子が通っているダンス教室「丸山ダンススクール」を経営している中年女性。宝塚歌劇団卒業生であり、遠藤君子の夢を応援しつつ心配もしている。