すもう甲子園

すもう甲子園

相撲部屋に生まれ、力士としての才能にも恵まれていた少年が、部屋の廃業、事故による視力低下などの困難に襲われながらも、相撲道に邁進していく姿を描く熱血格闘技漫画。タイトルに「甲子園」とあるが、物語は主人公が中学生力士として全国大会で活躍するところで終了する。

正式名称
すもう甲子園
ふりがな
すもうこうしえん
作者
ジャンル
相撲
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概要・あらすじ

祖父が親方を務める相撲部屋・雷電部屋に生まれた少年大和男は、まだ小学1年生ながら火のような性格とすばらしい運動神経を持ち、厳しくも優しい祖母の下ですくすくと成長していた。しかし、祖父が突然癌に倒れ、雷電部屋は廃業を余儀なくされてしまう。仲のよかった部屋の力士たちとも別れることになったは、強い力士となって必ず部屋を再興することを決意する。

だが、さらなる不幸がを襲う。不慮の事故により左目に傷を負い、視界が半減してしまったのだ。この体では戦うことはできないと、1度は土俵から遠ざかるだったが、後にライバルとなる少年力士沖田竜二との出会いをきっかけに、再び相撲の道を歩み始めるのだった。

登場人物・キャラクター

大和 男 (やまと おとこ)

小さな相撲部屋の親方である祖父雷電為五郎と祖母大和はな代によって育てられた。物語開始時点では小学1年生であり、父母の記憶は無い。体は小さいが、闘争心に溢れた真っ直ぐな気性と並外れた運動神経を持つ。事故により左目の視力をほぼ失ってしまったことでいったんは相撲をあきらめるが、沖田竜二と出会ったことで再び力士となることを決意する。

雷電 為五郎 (らいでん ためごろう)

オトの祖父であり雷電部屋親方。有望な若手力士を育てつつあったが、突然癌に倒れ、そのまま息を引き取った。物語序盤で死亡してしまうため、セリフはまったくなく、ベッドに横たわる姿で登場するのみである。

大和 はな代 (やまと はなよ)

オトの祖母であり雷電部屋のおかみさん。愛情深く気丈な女性で、夫である雷電為五郎親方の死亡後、部屋の実権を握ろうと画策する後援会長大文字剛造の意に逆らって、雷電部屋をたたむことを決める。オトが力士となり、いつか部屋を再興してくれることを望んでいるが、それを強制しようとはしていない。

沖田 美也子 (おきた みやこ)

オトの実の母親だが、雷電親方と大和はな代の息子であった夫の死によりオトを残して大和家を離れた。現在は大島に住み、網元の男性と再婚しているが、オトを気にかけ続けている。

張手川 (はりてがわ)

雷電部屋の「三羽ガラス」と言われる力士の1人。その名の通り張手を得意技としており、実力も十分だが、張手一本やりの取り口から評判はよろしくない。雷電部屋の廃業後は浅間部屋の一員となるが、そこでの不当な扱いと大文字剛造らの相撲道に反する振る舞いに怒りを覚え、髷を落す。引退後は大島に居を移し、島の子供たちに相撲を指導していた。 再び力士の道を目指し始めたオトの師となる。

若虎 (わかとら)

雷電部屋の「三羽ガラス」の1人。アンコ型の力士で、頭からぶつかるハズ押しが得意技である。恩義に篤く、優しい心根の男で、雷電部屋廃業後、浅間部屋へ移ってからも、オトとはな代の元を何度となく訪れている。足首の故障で番付を落とし、雷乃海の付き人にまで落ちぶれるが、それでも各界にしがみつき、オトによる雷電部屋再興を待ち続ける。

雷乃海 (らいのうみ)

雷電部屋の部屋頭で「三羽ガラス」の1人。恵まれた体とそつの無い応対で、若手のホープとして人気が高い。しかしその性格は計算高く、雷電親方が倒れると同時に後援会長大文字剛造の計画に乗り、雷電部屋の親方の座に着こうと画策した。しかし、おかみさんである大和はな代が雷電部屋をたたむことを選んだため、その計画は頓挫し、他の弟子共々浅間部屋へと移った。

大文字 剛造 (だいもんじ ごうぞう)

雷電部屋後援会会長を務める財界の大物。全てを自分の意のままに運ぼうとする人間で、雷電親方の病状を知るやいなや金にものを言わせて雷乃海をその後釜に据え、部屋における自身の発言力を高めようと計画した。雷電部屋の廃業後は、浅間部屋の後援会長となるが、自身の計画を邪魔した大和はな代とオトに恨みを抱き続ける。

武蔵 一人 (むさし かずと)

大文字剛造の外孫。オトよりも1歳年上で、わんぱくずもう大会では常勝を誇る実力の持ち主。人前では大人びた口調で話すが、実は小心でわんぱくずもう大会に飛び入りしたオトの実力を感じながらも、自分に言い訳をしつつ対戦を避けた。吹き矢で遊ぶのがお気に入りで、いたずら心からオトを狙い、左目に傷を負わせている。

粕賀野理事長 (かすがのりじちょう)

現役時代は「西木栃」の四股名で活躍した日本相撲協会の理事長。わんぱくずもう大会に飛び入り参加したオトに大器の片鱗を感じる。さらに大和はな代の意を汲み、オトが大横綱になるまで雷電親方名義の年寄株を相撲協会で預かることを約束する。

沖田 竜司 (おきた りゅうじ)

全国中学生相撲選手権大会に参加するため、大島から東京にやってきた中学生。張手川から指導を受けており、全国でも屈指の実力を誇る。左目の視力をほとんど失い、土俵から遠ざかっていたオトは、彼と出会ったことで再び力士を目指す決意を固めた。実はオトの母親である沖田美也子の継子であり、オトとは義理の兄弟の関係にある。

尾崎 牛太 (おざき ぎゅうた)

大島でオトが参加することになった中学生相撲大会に特別招待された青森の怪童力士。中学生離れした巨体から繰り出すぶちかましを得意技とする。終始にこやかな笑顔を崩さないが、八百長などの卑怯な振る舞いを目にすると、獣のようにするどい表情に変わる。

雷電 為右衛門 (らいでん ためえもん)

雷電部屋の初代親方であり、大相撲史上最強と謳われる伝説の力士。劇中では目指すべき力士の理想像としてたびたびその名が口にされる。また、オトが夢の中で雷電となり、その少年期を体験するという一幕があり、オトが雷電の再来となるべき存在であることが匂わされている。実在した力士、雷電為右衛門がモデル。

集団・組織

雷電部屋 (らいでんべや)

『すもう甲子園』に登場する相撲部屋。主人公オトにとっては、生家でもある。伝説の力士雷電為右衛門を初代の親方としており、170年の歴史を持つ由緒ある部屋として知られている。ここしばらくは低迷が続いていたが、最近になって雷乃海張手川若虎の「三羽ガラス」が入幕を果たし、弟子たちの意気も上がっていた。しかし、その矢先に当代の雷電親方が癌に倒れ、その長い歴史にいったん幕を下ろすことになってしまう。

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