陶芸教室が舞台の大人のラブストーリー
本作は、過去のトラウマから男性恐怖症を抱える陶芸教室の講師でアラサー女性のランを主人公とした大人のラブストーリー。陶芸教室に集う、年齢も性格も異なる五人の男性たちとの交流を軸に、繊細な人間模様が丁寧に描かれている。男性に触れられないランが、生徒たちとのあたたかな交流によって心の傷を癒し、新たな恋へと踏み出していく姿が、物語の大きな見どころとなっている。また、陶芸教室を舞台にしているため、陶芸に関する豆知識や小ネタも随所に散りばめられている。
陶芸女子がイケメン生徒たちと織りなす新たな日常
ランは、祖父が営む陶芸教室「コーダ陶房」を手伝っている。過去の恋愛がトラウマとなり男性恐怖症を抱えるランは、生身の男性に触れることを避けてきた。29歳になった今も、周囲の友人たちは結婚や婚活に関心がなく、ラン自身も二次元キャラクターの推し活に夢中で、恋愛や結婚とは無縁の生活を送っている。そんなある日、ランの陶芸教室にデザイナーの名取、ブランド眼鏡店勤務の梶原、大手広告代理店勤務の田辺というイケメン三人が生徒としてやってきたことで、彼女の平穏な日常は一変する。さらに、祖父が体力の限界を感じて講師を引退。そこに新人講師の亮やヤンキーの青山も加わり、コーダ陶房は一気に男性だらけの教室へと変わってしまう。
陶芸教室で紡がれる癒しと恋の物語
陶芸教室の夜の部は、いつしか男性ばかりになってしまった。男性恐怖症のランは、生徒と体が触れ合わないよう細心の注意を払いながら、なんとか日々をやり過ごしていた。そんな中、これまで恋愛から遠ざかっていた友人たちが次々と婚活を始める。さらに、ランが夢中になっていた推しキャラクターのアプリがサービス終了となり、彼女の日常は少しずつ変わり始める。クールで無愛想な新人講師の亮に男性恐怖症の秘密を知られてしまったり、順調に見えた生徒たちのあいだで恋が芽生えたりと、それぞれの複雑な事情が明らかになっていく。やがて、ランは男性恐怖症の原因となった元彼との辛い過去と向き合うことになるが、亮や生徒たちとの温かい交流を通じて、固く閉ざしていた心は少しずつ癒されていく。
登場人物・キャラクター
幸田 ラン (こうだ らん)
祖父が経営する陶芸教室「コーダ陶房」で講師を務める女性。年齢は29歳。かつて年下のクズ男に騙された経験から、男性に触れられることに強い恐怖心を抱いている。その事実は教室では隠しているものの、新任講師の亮や、新たに入会した四人の魅力的な男性生徒たちによって、いつの間にか職場は男性に囲まれる環境になってしまう。現実の男性が苦手な一方で、アイドル育成ゲームに登場するイケメンキャラクターに夢中になっている。
佐久間 亮 (さくま りょう)
ランの祖父にスカウトされ、陶芸教室「コーダ陶房」の新人講師としてやってきた大学生の男性。一見クールで、何事にも無関心な態度をとっているが、初対面のはずのランの過去を知っているかのような、不可解な言動を見せることがある。ぶっきらぼうな物言いでランと衝突することも多いが、彼女のトラウマを知ってからは、よき理解者の一人となる。
書誌情報
それでも男は信じません 全5巻 双葉社〈ジュールコミックス〉
第1巻
(2020-07-17発行、978-4575338157)
第4巻
(2022-11-16発行、978-4575339000)
第5巻
(2022-11-16発行、978-4575339017)







