たくあんとバツの日常閻魔帳

たくあんとバツの日常閻魔帳

鬼ノ怪を裁くために現世にやって来た閻魔大王の娘・妭によって獄卒とされた九十九多九郎が、鬼ノ怪に取り憑かれた人間の悪意と戦う姿を描いた、ちょっとエッチな学園妖怪ファンタジー。「週刊少年ジャンプ」2016年51号から2017年12号にかけて掲載された。

正式名称
たくあんとバツの日常閻魔帳
ふりがな
たくあんとばつのにちじょうえんまちょう
作者
ジャンル
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

平凡な日常生活を営んでいた少年・九十九多九郎は、下校中に遭遇した閻魔大王の娘であるに、現世に逃げ込んだ鬼ノ怪を裁くための捜査協力を依頼されてしまう。秩序と均等をやたらと重んじる妭の言動に戸惑いながら、巷で暴れる蛙男の情報を集め続ける多九郎。その過程で、事件の犯人が知人の笹嶋寿明であると看破した多九郎は、妭と別れた後に、単身で寿明のもとに乗り込むのだった。

蛙男と化した寿明の攻撃を受けるが、実は母親を殺害された復讐心から鬼に取り憑かれていた多九郎は、鬼へと変化してこれを撃退。悪意の衝動のままに寿明を殺害しようとするが、その寸前に、現場に乱入した妭によって止められるのだった。事件の解決後に妭の獄卒となった多九郎は、人々の日常を守るための活動に従事し、自らの悪意を克服していく。

登場人物・キャラクター

九十九 多九郎 (つくも たくろう)

平穏な日常をこよなく愛する男子高校生。穏やかな性格をしたツッコミ気質な少年。全校集会で「食卓を幸せにしているのは(ステーキなどのご馳走ではなく)いつものたくあん」と叫んでしまい、それ以来友人やクラスメイトに「たくあん」というあだ名で呼ばれている。巷を騒がせていた蛙男の事件を知っていたことがきっかけで、人間に憑依する鬼ノ怪を裁きに現世に来た妭と知り合った。 秩序と均等を重んじる妭の言動に、ひたすらツッコミを入れることになる。実は2年前に母親の九十九陽子を百舌野創平によって殺害され、復讐心に反応した鬼ノ怪によって取り憑かれている。そのため、相手に殺意を抱くと頭部に角が生え、強大な力を持つ鬼と化してしまう。自身の内に潜む悪意の衝動に長らく苦しんでいたが、蛙男事件の解決後に妭の配下となり、鬼ノ怪と戦い続ける中で、少しずつ自身の悪意を克服していく。 母親の影響で、自身や他人の日常を守ることに人一倍のこだわりを持っている。多い時には、1日に4回も入るほどの風呂好き。いつも湯飲みを持ち歩いており、お茶をすすって精神を落ち着かせる妙な癖がある。

(ばつ)

地獄出身の少女。閻魔大王の一人娘。背は小さいが、スレンダーな体形をした、八重歯がチャーミングな美少女。父親の遺志を継ぎ、人間に取り憑く鬼ノ怪を裁くため、現世にやって来た。そこで九十九多九郎に出会い、のちに鬼に取り憑かれていた彼を、現世の獄卒として採用する。とても生真面目な性格で、特に秩序と均等を重視する。 ただし、少々行き過ぎな面もあり、多九郎の股間を頭突きする失態を犯したら、多九郎に自分の股間を頭突きさせたり、多九郎の裸を見てしまったら、多九郎に自身の裸を見せようとするなど、罪や恥の均等化を過剰なまでに徹底させるタイプ。そのため、ことあるごとに均等化を実行して、多九郎を大いに困惑させていた。のちに多九郎の勧めで、同じ学校に高校生として入学することになる。 「閻魔槌」という大きな槌を振るい、血判を押すことにより、「針地獄」や「極寒地獄」といった、さまざまな能力を発動させる。また、相手の悪意を暴いて食べると閻魔大王となり、罪人に「判血」を下して、裁きを与えられるようになる。「シシシシシ」という笑い声が特徴。

百舌野 創平 (もずの そうへい)

混沌に取り憑かれた少年。閻魔大王を殺害した犯人。事件で両親を亡くし、担当刑事だった九十九陽子が自宅に引き取ったため、九十九多九郎とは兄弟のように育った。2年前の陽子の誕生日に彼女を殺害し、多九郎の殺意と悪意を吸収した後に閻魔大王も殺害している。鬼ノ怪に取り憑かれた人間によって両親を殺された。その復讐を地獄の獄卒に止められたため、閻魔大王を殺して秩序ごと崩壊させ、世界を混沌に導くことを決意した。 混沌の力で閻魔大王の力を取り込んでおり、すべてを裁く閻魔大王の力を行使できる。多九郎と同じで、どこでも湯飲みを持ち歩き、お茶をすする癖がある。

麻狛 (まこ)

地獄からやって来た髪を後ろに束ねた少年。閻魔大王が飼っていた地獄の犬。直情的でアクティブな性格をしている。閻魔大王が人間に殺されたため、人間を強く憎んでいる。そのため、自分を差し置いて妭の獄卒になった九十九多九郎が気に食わず、彼に直接勝負を挑んでいた。本来は大きな狛犬に似た姿をしており、ビルの壁を軽くブチ抜けるほどの突進力を発揮する。 何事にも優劣をつけたがる癖があり、多九郎の股間を見た際は、自身とのサイズの違いにショックを受けていた。

馬頭 (ごず)

男性の上級獄卒官。和風な格好をしたクールな雰囲気を漂わせる。牛頭のパートナー。閻魔大王亡き後、乱れた地獄と現世を憂い、鬼ノ怪に取り憑かれた人間をすべて殺そうとしている「極刑派」の1人。九十九多九郎の動向を見極めるために、彼の通う高校のスクールカウンセラーとなった。ウソを本当に見せかけられる能力の持ち主で、爆弾をアメに見せるなどの幻覚を得意とする。 ただし、メンタルは激弱で、他人からウソをつかれた場合は、ものすごくヘコんでしまう。熱いものが大の苦手。

牛頭 (めず)

ふんどしをした、グラマラスな女性の上級獄卒官。馬頭のパートナー。「私お前食べる」など、微妙にカタコトな日本語を使うのが特徴。閻魔大王亡き後、乱れた地獄と現世を憂い、鬼ノ怪に取り憑かれた人間をすべて殺そうとしている「極刑派」の1人。通常状態の妭ではとてもかなわないほど戦闘力が高い。九十九多九郎を殺そうとしていたが、彼の作った料理を食べて感激し、多九郎と結婚しようとする。 どんな物でも食べることができ、食べた物をいつでも吐き出せる特殊能力を持つが、魚を食べるとお腹を壊してしまうのが弱点。

綺芽 水季 (あやめ みずき)

クラス委員長を務めている女子高生。九十九多九郎のクラスメイト。明るく社交性も高い少女だが、他人と握手する時に必ず手袋をつけたり、教室に入る生徒全員にアルコール消毒することを提案するなど、極端な潔癖症。敗北は気持ちに汚れがつく、という理由で負けるのも大嫌い。とある理由で鬼ノ怪に取り憑かれており、雷を自在に操れる「雷神の子」へと変身できる。 自分の中にある悪意を許すことができず、自分を殺そうとしていた。

(るい)

地獄に住んでいる八咫烏。妭の従者で、性別はメス。妭に付き添って現世までやって来た。妭の配下となった九十九多九郎が気に入らず、ことあるごとに彼の顔にフンを落としていた。羽根の生えた人間の姿にも変身できるが、その際は悪口がギャル風になる。

九十九 陽子 (つくも ようこ)

お茶目な性格をした刑事の女性。九十九多九郎の母親。故人。担当した事件で両親を失った百舌野創平を引き取り、実の子のように育てていたが、2年前の誕生日に創平に殺害されてしまう。愛情と正義感が強く、多九郎たちに対しては、誰かの日常を守れる人間になれと、常々諭していた。その教えが、今もなお多九郎の生き方に大きな影響を与えている。

天王寺 翔太 (てんのうじ しょうた)

チャラい性格をした男子高校生。九十九多九郎の親友。女好きで、妭の歓迎会や肝試しでは、常に女子といい仲になることを考えて行動していた。その心のスキを鬼ノ怪に突かれ、何度か取り憑かれているが、本人は意に介していない。

閻魔大王 (えんまだいおう)

地獄を治め、罪人を裁いていた大王。妭の父親。絶大な能力と懐の深い性格により、多くの獄卒から慕われていたが、混沌に取り憑かれた百舌野創平によって殺害される。秩序を重んじる性格で、生前は誰の心にでもある悪意と向き合うことを、獄卒たちに教えていた。

笹嶋 寿明 (ささじま としあき)

刑事の男性。九十九多九郎の知人で、部下の刑事が攫われた事件を追い、多九郎にも聞き込みをしていた。刑事生活を続けるうちに、殺人犯の悪意に感化されて鬼ノ怪に取り憑かれ、蛙男に変身して日々殺人を繰り返していた。

蛙男 (かえるおとこ)

二足歩行をする蛙の姿をした化け物。鬼ノ怪に取り憑かれた笹嶋寿明が変身した姿。舌を自在に伸ばして攻撃することができるうえ、対象をドロドロに溶かす溶解液を口から吐き出す。

その他キーワード

鬼ノ怪 (もののけ)

地獄に住んでいる「悪鬼」「妖怪」「獄卒」の総称。人間に取り憑き、人間の悪意に手を貸す存在。取り憑かれた人間は化け物に変身して、その強大な能力を悪意と欲望のままに使うことができる。閻魔大王の死によって秩序が崩壊した地獄を抜け出し、現世に現れるようになった。

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