概要・あらすじ
小さな頃に両親を亡くし、引き取られた親戚の家でも学校でもいじめられていた女子高生の倉橋千桃生。バイトして貯めた高校の授業料が支払われていないことを知り、叔母(おば)に話すと「そんなものは養育費で消えた。嫌なら出ていけ」と家を追い出されてしまう。これからどうすればよいのかと両親の墓の前で泣きながら、思わず「助けて」とつぶやく千桃生。すると和服を着た美しい男性が現れ、千桃生に「随分捜したぞ」と言いながら、汚れた制服を着た千桃生を見て「おまえは何故今世でも」と言いながら千桃生を抱きしめた。その男は千桃生を抱えて、その場から瞬間移動した。千桃生はそのまま意識を失い、気がつくと暖かく甘い香りのする大きなお屋敷にいた。浴衣を着て布団で横になっていた千桃生は、一瞬死んでしまったのかと思う。千桃生を抱きしめた美しい男性の名前は槐(えんじゅ)。彼は「おまえに呼ばれるのをずっと待っていた。今世では必ずおまえを守り、私がおまえを幸せにする」と言う。しかし、千桃生には記憶がなく、人違いではないかと彼に尋ねる。すると槐は「私が違えるわけがないだろう。1000年も前から、おまえだけを想い、ずっと呼ばれるのを待っていたのだから」と切なそうな顔をして、角のある鬼に変身した。その姿を見た千桃生はなぜか胸が張り裂けそうになり、涙をこぼす。そして槐は、いとおしそうに優しく千桃生にキスをするのだった。
登場人物・キャラクター
倉橋 千桃生 (くらはし ちとせ)
女子高生。物心がつく前に両親を交通事故で亡くし、親戚の家に引き取られる。親戚の家では暴力も振るわれており、バイトをして貯めた授業料も叔母に勝手に使われる。不幸な境遇からか、貧乏だからか、学校でもいじめを受けていた。黒髪で腰までの長さのストレートヘア。いつも健気で一生懸命で、恥ずかしがり屋。1000年前に死んだ女性の生まれ変わり。
槐 (えんじゅ)
美しい姿をした鬼。1000年もの間、一人の女性を愛し続け、生まれ変わるのを待っていた。生まれ変わりの倉橋千桃生を溺愛する。普段髪の長さはアゴまでだが、鬼に変身すると髪は腰までの長髪になり、角が生え、耳が尖(とが)り、目の色が変わる。瞬間移動したり、人の記憶を消したり、様々な能力を持つ。元々は神だったが禁忌を犯し、鬼となった。
書誌情報
鬼の千年恋 4巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2021-08-26発行、 978-4098714674)
第2巻
(2021-11-26発行、 978-4098715152)
第3巻
(2022-04-26発行、 978-4098716388)
第4巻
(2022-11-25発行、 978-4098718436)