九十九眠るしずめ

九十九眠るしずめ

明治16年、東亰で繰り広げられる事件や怪異に、護法院倉橋家の一人娘、倉橋しずめが立ち向かう姿を描いた和風ファンタジー。関連作として、明治17年を舞台にした続編『九十九眠る しずめ 明治十七年編』がある。

正式名称
九十九眠るしずめ
ふりがな
つくもねむるしずめ
作者
ジャンル
ファンタジー
 
怪談・伝奇
 
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

体に神を宿し、邪を祓う修験者、護法実である主人公の倉橋しずめは感情が不安定になると、宿した九十九神が暴走してしまう体質だった。ある時、警察の密偵乾虎源太に出会い、体質を克服しつつ、東京を襲う難事件の解決に奮闘することになる。

登場人物・キャラクター

倉橋 しずめ (くらはし しずめ)

二つのシニヨンが特徴的。護法院倉橋家の一人娘。神を自分の体に憑依させて戦う修験者、護法実である。体の至る部分に九十九神をを宿しており、心理状態が不安定になると暴走を始める。口癖は「うきゅう」。

乾 虎源太 (いぬい こげんた)

警察の密偵であり、手裏剣を使うなど、忍者のような振る舞いをするが、忍者と呼ばれることを嫌う。しずめと出会ってからは、共に行動し、東京に潜む九十九神の謎に迫る。

墨一 (すみいち)

横浜に住む祈祷師。しずめの噂を聞きつけて、少年の憑きものを祓うために、助けを求める。慕う者からは「お墨様」と呼ばれている。

藤田 五郎 (ふじた ごろう)

警視庁第三課の警部補。トラゲンの上司に当たる。東京の陰で暗躍する東方支天衆護神民の企みを阻止すべく、しずめやトラゲンに協力する。

北里 柴三郎 (きたざと しばさぶろう)

内務省衛生局の職員。伝染病の調査を主に行っており、たびたび藤田五郎に報告に赴いている。たまたましずめの土蜘蛛を目撃しても、まったく動じない胆力を持っている。実在の人物である北里柴三郎をモチーフにしている。

土蜘蛛 (つちぐも)

しずめの胸に宿っている巨大な蜘蛛の神。しずめの心理状態が不安定になると、暴走を始めて九十九神を食らう。この暴走はしずめが甘いものを摂取すると抑えらるようになっている。

(ぬえ)

しずめのうなじに宿っている大妖怪。非常に傲慢な性格で、宿主であるしずめにも様付けで呼ばせている。高い飛行能力を持っており、しずめとトラゲンくらいであれば抱えて飛ぶことができる。

(みずち)

しずめの右腕に宿っている水の大蛇。体が水で構成されており、炎の九十九神・火猿猴を一撃で倒した。

倉橋 彦文 (くらはし ひこふみ)

陰陽師。しずめの父親。娘を溺愛しており「しずめちゃん」と呼ぶ。行方不明になった嫁・倉橋静を探す旅に出ている。

倉橋 静 (くらはし しずか)

しずめの母親。しずめ同様、自らの体に神を宿す護法実である。現在は行方不明となっている。

樋口 奈津 (ひぐち なつ)

父親は警視庁職員の樋口則義。トラゲンが陸軍に拉致された際、父親に代わってしずめにこのことを知らせた。後の樋口一葉。同名の実在人物をモチーフとしている。

南方 熊楠 (みなかた くまぐす)

坊主頭と古風な喋り方が特徴。しずめが上野で出会った菌核を調べる共立学校生。北里柴三郎とは知り合い。同名の実在人物をモチーフとしている。

奉白 (ほうはく)

子どものような外見だが、東京で暗躍する東方支天衆護神民の総裁である。トラゲンに九十九神を埋め込み、しずめを亡き者にしようと画策する。

場所

東京 (とうけい)

時代は明治。文明開化によって生活スタイルは変化してきているが、庶民まで浸透していないのが現状。コレラなどの伝染病の脅威の他にも、九十九神を利用する東方支天衆護神民なる宗教組織が暗躍している。

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