だから私はメイクする

劇団雌猫のエッセイ『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』のコミカライズ作品。「自分がどうありたいか」をテーマに、自分だけの美道をとことん突き進む女性たちの姿を、オムニバス形式で描くヒューマンドラマ。「FEEL YOUNG」2019年8月号から2020年1月号にかけて掲載された作品。

正式名称
だから私はメイクする
ふりがな
だからわたしはめいくする
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
 
美容・ダイエット
レーベル
フィールコミックス(祥伝社)
関連商品
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あらすじ

第1巻

高校時代、錦織笑子はもともと自分の地味な顔立ちがあまり好きではなかった。それに対して特に悩んでいたわけではないが、せめて人並みになりたいという欲求にかられ、ある日クラスメイトにメイクの話を聞いてみることにした。そこで実際に施されたメイクによって、自分の顔が激変したことに感動した笑子は、笑子の友達の心配をよそに、メイク道を爆進することになる。お勧めの雑誌を買いあさり、お勧めのメイク道具を買い揃え、試行錯誤を繰り返していく中で、自分の顔がみるみる変わっていくことに面白さを感じた笑子は、高校を卒業して大学生活も半ばを迎える頃にはすっかり別人のようになっていた。久しぶりに会った友達は、様変わりした笑子の姿に驚愕する。大学では、気合が入ったバッチリメイクをマリー・アントワネットになぞられて「マリー様」のあだ名まで付けられていた。さらには、すっぴんとメイク後の顔が違いすぎたことが理由で、付き合っていた彼氏からふられたことを知り、笑子の友達は、笑子が落ち込んでいるのではないかと心配する。しかし、そんな友達の心配をよそに、笑子はそんな風にメイクで変われる自分はすごいと笑顔を見せ、メイクやファッションで、自分があこがれる容姿に変貌できる喜びを語る。月日は流れ、30歳を迎えた笑子は、婚活に勤しむ日々を送っていた。相変わらず気合の入ったバッチリメイクながら、どうも男性たちからの反応はよくない。信念を持って続けてきたメイクに、ちょっとした疲れを感じた笑子は、ある時凄腕のビューティーアドバイザーの話を耳にし、彼女の在籍する店に立ち寄ることにする。(Chapter.1。ほか、4エピソード収録)

関連作品

小説

本作『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』は、劇団雌猫のエッセイ『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』を原作としている。原作のエッセイは、柏書房より刊行された。

登場人物・キャラクター

錦織 笑子

「Chapter.1」に登場する。ボーイズラブ系のマンガが大好きな女性。高校時代、もともと地味な顔立ちで、自分の顔があまり好きではなかったものの、それに関して特別悩むこともなく日々を送っていた。しかし、せめて人並みになれたらという軽い気持ちでメイクに興味を持ち、クラスメイトにしてもらった初めてのメイクで、自分の顔が激変したことに感動を覚え、そこからすっかりメイクにハマってしまう。笑子の友達からは、その性格からハマると際限がなくなってしまう彼女を心配する声も上がったが、笑子はメイクで自分が変化していく様にのめり込んでいく。大学時代は、メイクの濃さを理由にマリー・アントワネットを揶揄して、「マリー様」とあだ名が付けられた。また、自宅に泊まりにきた彼氏からは、すっぴんとふだんの顔が違いすぎて、お笑い芸人にたとえられる暴言を吐かれたうえに、ふられてしまう。だが、そんな状況にめげることなく、お笑い芸人からマリー・アントワネットになれる自分は凄いと、逆に自分のメイクに自信を持つことになった。メイクやファッションで、自分があこがれる容姿に近づけることへの喜びを知り、人形のような女の子になることを理想としている。30歳になり、婚活に勤しんでいるものの、バッチリメイクが影響してか、男性たちからの受けは芳しくなく、自分の信念が揺らぎかけていた時、凄腕のビューティーアドバイザー熊谷がいるらしいと噂を聞き、お店を訪ねることにした。そこで熊谷とメイクについて相談したことで、改めて自分に自信を取り戻すこととなった。

川松 奏子 (かわまつ そうこ)

「Chapter.2」に登場する。少女漫画家の女性。クラフトを趣味にしている。大好きな五人組男性アイドルグループのライブに行ったことがきっかけで、この幸せな時間をいつまでも閉じ込めておきたいという思いから、ネイルを始めようと決意。五人のメンバーそれぞれをイメージするデザインを依頼するためにネイルサロンを訪れるが、予算内で実現しないことが判明し、セルフネイルを始めた。しかし思うようにいかず、失敗を繰り返すうちにネイルに対するモチベーションの維持が困難となる。そんなある日、出版社で雑誌の企画のためにやってきた熊谷と偶然遭遇。ネイルについての話と、彼女の販売員としての経験談を聞き、強く共感する。これにより、再びネイルに対してのモチベーションを取り戻し、繰り返し練習を続ける中で思い通りのデザインを再現できるようになり、セルフネイルを楽しめるようになる。出版社に勤める中村に思いを寄せているが、竹との打ち合わせの際も挨拶するだけの関係だった。竹から飲み会の席をセッティングしようかと打診を受けるが、川松奏子は自分に自信を持てないと、それを全力で拒絶した。しかし、熊谷との出会いによって、ネイルやメイクに取り組む姿勢が変わり、奏子自身に変化をもたらした。その変化に気づいた中村から声をかけられ、一歩前進する勇気をもらう。

亀山 (かめやま)

「Chapter.3」に登場する。転職したばかりのOLの女性。錦織笑子、川松奏子とは友達。ファッションやメイクが大好きで、日々お気に入りの自分に変身して会社へ出勤している。しかし、同じ会社の男性社員たちからの髪型やメイク、ファッションの干渉にうんざりしている。好きなものを身につけることに幸せを感じているが、思うようにならない日々に苛立ちを募らせている。ある日、同じ会社の年上の同期、吉成と帰りがいっしょになり、偶然にも同じ電車に乗り、同じ駅で降りることになった。吉成とは駅前のトイレで別れたが、自分はメイク直しをしようとトイレに戻って出て来ると、そこにはバッチリメイクで決めた中性的な吉成の姿があった。その後、お互いの目的が同じだったことがわかったため、祥伝デパートのコスメ売り場にいっしょに出向き、ビューティーアドバイザーの熊谷のもとを訪れた。これがきっかけで、会社ではすっぴんで楽なファッションの「ナチュラル武装」を始めた。メイクもファッションもばっちり決めたスペシャルな自分は、好きな人に見せることにシフトチェンジ。そして吉成とは性別を超えた信頼関係を築くことになる。

北郷 兎咲 (きたごう うさ)

「Chapter.4」に登場する。会社勤めの女性。ロボットアニメオタク。脳内ではいつもロボットアニメの主人公になったような妄想が繰り広げられている。日常的に取引先との飲み会によって深夜帰宅となり、翌朝7時出社というハードな生活をしているが、スーツにはつねにシワひとつなく、プレゼンも完璧にこなす才女。後輩の岡田からは、その様子に羨望の眼差しを向けられ、どうやって完璧な自分を維持しているのかと質問されるほど。まだ仕事を始めたばかりで体力的にも精神的にも辛かった時、高校時代の友達だった熊谷のもとを訪れ、帰宅して15分で寝るズボラな生活態度を変えてくれる商品を紹介して欲しいと無理なお願いをした。その際、紹介された高価な化粧品の値段に二の足を踏むが、熊谷との会話から、お金は自分だけのために使うものだということに気づかされた。その日の疲れはその日のうちに取ることをモットーとしている。栄養ドリンクや足をすっきりさせるシート、むくみを取るマッサージ家電やパックなどを使い、時間を有効活用している。また、自分の力を一番発揮させてくれるメイクやネイル、ファッションという装甲をまとい、戦う体を作り上げることも大事にしている。服装規定の厳しい社内では、仕立てのいいエッチな下着を身につけるなど、見えないところで楽しむ工夫も忘れない。そして誰にも内緒にしているが、昔の友人に連絡を取り、セックスしないかと打診している。自分に遠慮なく生きることを決めており、これらを名づけて「ワーク・ビューティー・バランスメソッド」と呼んでいる。

月野 輪子 (つきの りんこ)

「Chapter.5」をはじめ、さまざまなエピソードに登場する。公民館で水彩画教室の先生を務める女性。友人の熊谷からの打診を受け、ドバイの美容サロンで働くことになった。サロンでの勤務経験はないが、彼女の対人スキルやセンスのよさ、英語力を買われてのものだった。ドバイの美容サロンではフェイシャル、ヘアケア、ネイル、ワックス脱毛も扱っており、特にネイルでは絵画のセンスが重宝されることになる。現地では、宗教上の理由で全身布で身を覆った女性たちが多く来店するが、布を取ると皆一様に美しく、美を楽しみ、自分自身を愛していることを知る。そんなある日の休日、買い物中に身につけていたアクセサリーを褒めてもらったにもかかわらず、素直になれない自分に恥ずかしさを抱く。そして、これまで自分を窮屈に偽っていたことに気づいた月野輪子は、勤務先の美容サロンへと足を運び、全身施術してもらう決意をする。頭の先からつま先まで、すっかりと美しくなった輪子は、自分を愛することの大切さを知り、自信を取り戻す。

熊谷 (くまがい)

「Chapter.5」に登場する。祥伝デパートで販売員を務める女性。6年前までは、猫背で地味な印象だった。学生時代は大好きなコスメの世界に足を踏み入れることはできないと考えていたが、どんな形でも好きなものとのつながりを持ちたいという思いから、祥伝デパートに就職した。当初は事務などの後方業務に携わっていたが、ある時、新設のコスメカウンターが人員不足だったことから、販売員として駆り出されることになった。最初は薄いメイクで野暮ったく、仕事に対しても自信なさげで、「私なんか」という姿勢だった。しかし、指導員の猫田からメイクを施され、販売員の存在意義を教えられたことで、少しずつ考えが変わっていく。今ではメイクをバッチリ決め、立ち姿も美しく、自信に満ちた姿で日々の仕事をこなしている。世間では、祥伝デパートに凄腕ビューティーアドバイザーがいると、その存在が噂されるほどとなっている。お客様には決して無理強いせずに相手に寄り添い、親身になった接客が人気で、そんな彼女のもとに訪れる客は少なくない。自分のメイクに関しては、毎日のことであるゆえに、肌も心も疲れないようにするのをモットーにしている。冒険しない性格で、定番の方法でメイクを行うため、朝のメイク時間はおよそ20分程度と短め。勤め先のデパートが閉店することとなり、転職先は引く手あまたの状態だったが、すべて断って国家資格を取得して新たな道へと進むことを決意した。

笑子の友達 (えみこのともだち)

「Chapter.1」に登場する。ショートヘアで眼鏡をかけた女性。錦織笑子の高校時代からの友達で、ボーイズラブ系のマンガが大好きという共通点があり、時おり互いの好きなマンガを貸し合っていた。高校時代、ずっと地味だった笑子が、ある日突然メイクに目覚めたことを知り、驚くと同時にハマると際限がなくなってしまう笑子を心配していた。高校卒業後も時々食事をしたり、同人誌の即売会に参加したりと笑子との関係は続いているが、メイクがバッチリすぎてまったく別人となってしまった笑子の様子に、たびたび驚かされることになる。また、大学でメイクの濃さを揶揄(やゆ)されたあだ名が付けられていたり、すっぴんの顔が違いすぎて、彼氏からふられたことを知り、自分のことのように腹を立てて、心配している。しかし、笑子が自分に強い信念を持っていることや、前向きに自分の道を突き進もうとする姿に感動すら覚えている。友人の結婚式に参加するため、祥伝デパートで販売員をしている熊谷のもとを訪れた。ふだんはまったくメイクをしないため、コスメ売り場にいることだけでも落ち着かない様子だったが、熊谷のおかげで納得のいく買い物をして満足する。

中村 (なかむら)

「Chapter.2」に登場する。出版社で少女漫画雑誌の編集を務める男性。爽やか系のイケメンで、現在特定の女性と付き合っていないため、部署内の女性からも人気がある。川松奏子の思い人だが、打ち合わせのため、編集部にきた時くらいしか顔を合わせることはなく、挨拶をする程度の関係だった。しかし、何度か挨拶を交わしていくうちに、奏子の雰囲気の変化に気づき、声をかける。

(たけ)

「Chapter.2」に登場する。川松奏子の担当編集を務める女性。奏子のマンガ執筆にあたり、相談役を担っている。奏子が同じ部署に所属する中村と話をしている時、完璧ではないネイルを隠していたことから、奏子が中村に思いを寄せていることに気づいた。中村に特定の女性がいないことや部署内でも人気があり、早くしないと誰かに取られてしまうと奏子に伝え、飲み会の席をセッティングしようかと打診した。その申し出は奏子から断られてしまうが、その後も押し付けることなく、奏子を温かく見守っている。そんな中、中村の奏子に対する気持ちの変化をくみ取り、タイミングを見計らって再び飲み会のセッティングを打診。そして奏子の承諾を得て、飲み会が実現することになる。

吉成 (よしなり)

「Chapter.3」に登場する。亀山と同じ会社に勤める年上の同期の男性。気さくな性格のイケメンで、社内でも人気が高いが、実はゲイ。大学時代からメイクをするようになったが、会社ではふつうを貫いている。ある日、亀山といっしょに退社することになり、偶然にも同じ電車に乗り、同じ駅で降りることになった。亀山とは駅前のトイレで別れ、吉成自身は着替えとメイクをばっちり決めて外へ出ると、先に帰ったはずの亀山と再会することになってしまう。その後、お互いに目的が同じだったことがわかったため、祥伝デパートのコスメ売り場にいっしょに出向き、ビューティーアドバイザーの熊谷のもとを訪れた。不躾(ぶしつけ)に踏み込んだ質問をせず、メイクやブランドのことを一生懸命に話す亀山の姿に共感し、自分からことの経緯を説明し始めた。これがきっかけで、亀山とは性別を超えた信頼関係を築くことになる。

岡田 (おかだ)

「Chapter.4」に登場する。会社勤めの女性。北郷兎咲の後輩にあたる。日常的に取引先との飲み会によって深夜帰宅となり、翌朝7時出社というハードな生活をしているため、顔はむくんで雑メイク、ネイルは剝げており、スーツはつねにシワシワ状態。入社してから4キロも太ってしまい、タピオカを飲みに行くことすら許されない状況に、心身共に疲弊している。あまりの忙しさに、仕方ないとあきらめることが多くなり、自分自身に自信を失っている。同じ状況にありながら何かと完璧な兎咲のことを羨ましく感じ、どうやって自分を維持しているのかを質問した。兎咲が日々意識する「ワーク・ビューティー・バランスメソッド」について具体的に話を聞き、最初は疑いつつも次第に共感するようになる。

猫田 (ねこた)

「Chapter.5」に登場する。祥伝デパートで販売員を務めていた女性。6年ほど前、事務などの後方業務として勤務していた熊谷が、新設のコスメカウンターが人員不足だったことから、販売員として駆り出されることになり、その指導役を務めた。最初は猫背で自信もなさそうな、薄いメイクの野暮ったい印象だった熊谷に、メイクを施した。そして、販売員の存在意義に関しての持論を展開し、うつむき加減だった熊谷を美しく変身させ、仕事に対する姿勢をも変えさせた。現在は一児の母となり、育児に忙しい日々を送っているが、祥伝デパート閉店の話を聞きつけ、売り場に立つ熊谷を子連れで訪問した。現在は、かっこいい母親になることを目指している。

クレジット

原案

劇団雌猫

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