ちおちゃんの通学路

ちおちゃんの通学路

川崎直孝の代表作。私立鮫島学園を主な舞台に、女子高校生の三谷裳ちおが登下校中に想定外のアクシデントに遭遇する姿を1話完結形式で描く、波瀾(はらん)万丈のエクストリーム登下校コメディ。KADOKAWA「月刊コミックフラッパー」2014年5月号から2018年10月号にかけて掲載の作品。2018年7月から、テレビアニメ『ちおちゃんの通学路』がTOKYO MXなどで放送された。ちおを大空直美、野々村真奈菜を小見川千明が演じている。2018年9月には秋葉原の「キュアメイドカフェ」でコラボカフェ「ちおちゃんの通学路 エクストリームカフェ」が開催され、オリジナルグッズも販売された。

正式名称
ちおちゃんの通学路
ふりがな
ちおちゃんのつうがくろ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
学園
レーベル
MFコミックス フラッパーシリーズ(KADOKAWA)
巻数
全9巻完結
関連商品
Amazon 楽天

冒険に満ちあふれた通学路

本作は、ちおが毎日通う学校の登下校をテーマにしている。いつもの通学路が工事のため通行禁止となったので、遅刻しないように民家の屋根伝いに登校を試みるも、数々のアクシデントに苛(さいな)まれる第1話をはじめ、暴走族に通学路を阻まれたり、登校中に突然尿意を我慢できなくなったりと、自宅から学校までのあいだに起こるさまざまなドタバタ劇に焦点が当てられる。登下校という日常の風景を激変させる、ちおの支離滅裂な行動が1話完結形式でテンポよく描かれる。

洋ゲーオタクのアクロバティックなアクション

ちおは、洋ゲーオタクでゲーム依存症だからこその思考と、意外にも運動神経抜群で、ゲーム内のキャラクターのようなアクションを現実でも再現しようとしている。しかし、ふつうに考えれば簡単に回避できそうな問題も、ちおの無謀な行動によって自業自得な危機的状況に陥るなど、どのケースもあり得ない荒唐無稽な展開となり、もはや学校に到着することが奇跡にも思えてくる。

広がる交友関係の輪

基本的にちおと真奈菜を主軸にして、街を行き交う名もなき人々を巻き込みながらストーリーが展開され、二人は互いを親友と認識しながらも全力で足を引っ張り合っている。それでも結局は仲がいいため、ピンチの時には息の合ったコンビネーションを披露する。さらに、スクールカースト上位の細川雪や生徒会風紀委員の篠塚桃、カバディ部部長の久志取まどか、暴走族のヘッド、安藤繭太など、脇を固める強烈な個性を持つキャラクターと、ちおや真奈菜とのかかわり合いも濃密に描かれる。

登場人物・キャラクター

三谷裳 ちお (みやも ちお)

私立鮫島学園に通う高校1年生の女子。軟式テニス部に所属している。サイドを三つ編みにしたショートボブヘアで、眼鏡をかけている。地味な外見ながら、スクールカーストは「中の下」を自称している。少々コミュ障気味の洋ゲーオタクで、ゲスい思考の持ち主。意外にも運動神経抜群のため、ゲーム内でよく見られるカバーアクション的な動きをしがちで、端から見ると挙動不審な人物に見える。日常的にゲームのやりすぎによる睡眠不足状態が続いており、学校に遅刻しないように気をつけている。しかし、なぜか登下校中にありえないトラブルに巻き込まれることが常態化しているが、数々の危機を乗り越えて事なきを得ている。同級生の真奈菜とは幼なじみの腐れ縁で、いつも全力で足を引っ張り合っているが、なんだかんだでお互いを一番の理解者と認識している。ゲームプレイ時に暴走族のヘッド、繭太を相手にハッタリをかまして「血漿蝶」を名乗ったことから、彼からもそう呼ばれるようになる。

野々村 真奈菜 (ののむら まなな)

私立鮫島学園に通う高校1年生の女子。耳下で二つに結んだツインテールでおでこを出している。ちおとは小学校時代からの付き合いの腐れ縁で、お互いの性格を熟知している。ゴシップネタが大好きで、なかよさげに歩くカップルにちょっかいを出すなど、ちおのさらに上をいくゲスい思考の持ち主。ちおを一番の理解者と認識しながら、自分が危機に陥った時には平気で彼女を裏切ったり、利用する腹黒さも見せるなど、ただ仲がいいだけの関係ではない。雑誌で読んだ恋愛体験を自分の経験談として人に話すなど、人に取り入るためならウソも辞さない。ふだんはちおを「ちおちゃん」と呼んでいるが、マジギレすると呼び捨てになる。

書誌情報

ちおちゃんの通学路 全9巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉

第1巻

(2014-09-23発行、 978-4040668574)

第2巻

(2015-03-23発行、 978-4040672977)

第3巻

(2015-09-19発行、 978-4040678115)

第4巻

(2016-03-23発行、 978-4040682273)

第5巻

(2016-09-23発行、 978-4040685380)

第6巻

(2017-03-23発行、 978-4040691152)

第7巻

(2017-09-23発行、 978-4040694153)

第8巻

(2018-03-23発行、 978-4040697734)

第9巻

(2018-09-21発行、 978-4040651071)

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