見た目はイケメン、中身は飼い犬
本作の舞台となる世界は、「飼い犬」が麗しく魅力的な姿の「ヒト」になっている。しかし性格はそのままで、習性や習慣も変わらず受け継がれている。そのため、彼らはあくまで犬としての生活を続けており、その外見との激しいギャップが本作最大の魅力となっている。人になった飼い犬は、犬種の特徴や性格が細かく描写されており、そんな飼い犬の様子に困惑しつつも溺愛してしまう飼い主の姿が、犬を飼っていれば一度は思い当たる「あるある」なエピソードを交えて描かれている。
犬と人の数だけ絆のカタチがある
本作のコンセプトは「犬と人の数だけ絆(きずな)のカタチがある」で、さまざまな犬種の飼い犬と飼い主との関係性が描かれている。白山サキは飼い犬のシベリアンハスキーのポン太を弟のようにかわいがっているが、イケメンになったポン太相手にドギマギしてしまい、翻弄される日々を送っている。また、堅物で仕事人間のアヤネは、自宅に帰ると飼い犬のアフガンハウンドのヒバリを甘やかすことで癒されている。ほかにも、感情表現が苦手なノリアキと飼い犬のサモエドのうるは、金髪少女のリリと飼い犬のドーベルマンのタケルなど、飼い主とさまざまな犬種の犬たちとのほのぼのとしたゆるいストーリーが展開される。
登場人物・キャラクター
白山 サキ (しろやま さき)
とある高校に通う女子。シベリアンハスキー「ポン太」の飼い主。中学生の頃にポン太を飼い始め、ポン太の名付け親でもある。シベリアンハスキーのポン太が突然イケメンに変わってしまったことで、ふだんのスキンシップさえもイケメンとの距離感ゼロの濃密スキンシップとなるため、心の動揺が抑えられずに日々ポン太に翻弄され続けている。
ポン太 (ぽんた)
オスの大型犬・シベリアンハスキー。5月5日生まれで年齢は1歳10か月。ある日、突然人の姿になり、人の言葉を話すようになって現在は成人男性の姿をしている。人懐っこい性格で、ちょっと抜けたところがある。黙っていれば超がつくほどのイケメンながら、やんちゃな遊び盛りのため言動はかなり残念感を漂わせている。飼い主であるサキのことが大好きで、犬の時と何ら変わらずに全力で接して愛を伝えてくる。近所に住むアヤネの飼い犬のアフガンハウンドのひばりとは犬猿の仲で、散歩で会うたびに唸(うな)り声を上げてメンチ合戦になっている。ボール遊びが大好き。
書誌情報
ポン太がヒトになりまして。 2巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2024-03-18発行、 978-4088931951)
第2巻
(2024-08-19発行、 978-4088933672)