神が人類を裁くラブコメディ
本作は現代日本を主な舞台としているが、合理性重視の破壊神と創造神が宇宙を支配している独自の世界観で、宇宙の全容量を圧迫している地球を快く思っていない。宇宙から地球にやって来た破壊神と創造神は、地球や人類の存在を警戒しつつ、地球をぶっ壊わす前に人間を理解しようと考える。そして選ばれたのが、付き合って間もない獅子羽ミコと阿藤睦喜の高校生カップルだった。死亡した高校生カップルに憑依し、人間のさまざまな感情を理解しようと奮闘する神々の日常と裁定の行方が、ラブコメディやファンタジーを交えて展開される。
初々しい高校生カップルに憑依
同じ高校に通うミコと睦喜は、睦喜から告白して結ばれたばかりの高校生カップル。しかしデートの夜、二人は公園で謎の死を遂げる。一方宇宙では、破壊神と創造神が宇宙の容量を圧迫する地球を滅亡させるか存続させるかを、慎重に話し合っていた。そんな中、地球にやって来た破壊神たちはミコと睦喜の死体を発見し、二人の体に取り憑いて生活することで人間の感情、とりわけ恋愛感情について見定めることにする。こうして、ミコと睦喜に取り憑いた神々による、人類裁定のための恋愛代行の日々が始まるのだった。
人間の感情を理解する
生前のミコと睦喜には、共通の友人である三人のクラスメートがいた。破壊神たちは友人たちにも接触し、時には人間の感情に翻弄されたりトラブルに巻き込まれたりしながらも、人間としての生活を送っている。そんなある日、眠っていたはずのミコの意識が目覚め、創造神は破壊神との交信ができなくなってしまう。破壊神はやむを得ずミコに事情を説明するが、睦喜が死亡して創造神に憑依されている事実にショックを受けたミコは、別人になってしまった睦喜に別れを告げる。人間として人間とかかわっていく中で、変化していく破壊神と創造神の考えや、地球の存亡が懸かった運命の裁定の行方が見どころとなっている。また、当初は謎に包まれたままだった、ミコと睦喜が夜の公園で死亡した理由や、彼女が生前から抱えていた秘密もストーリーが進むにつれて明らかになる。
登場人物・キャラクター
獅子羽 ミコ (ししば みこ)
とある高校に通う女子で、阿藤睦喜の恋人。青いロングヘアをツインテールにしている。睦喜とは付き合って間もないが、デートをしていた夜に彼と共に謎の死を遂げる。破壊神に憑依されたことで蘇るものの、獅子羽ミコ自身の人格は眠ったままになっている。破壊神に憑依されたあとは、人間離れした耐久力と怪力を手に入れる。
阿藤 睦喜 (あとう むつき)
とある高校に通う男子で、獅子羽ミコの恋人。赤みがかった濃い茶髪をツンツンヘアにしている。ミコとは付き合って間もないが、デートをしていた夜に彼女と共に謎の死を遂げる。創造神に憑依されたことで蘇るものの、阿藤睦喜自身の人格は眠ったままになっている。創造神に憑依されたあとは、人間離れした耐久力と怪力を手に入れる。
破壊神 (はかいしん)
全宇宙を統べる破壊を司る神で、創造神の片割れ。実年齢は人間基準で130億歳を超える。顔に三角マークを付け、黒いクリオネのような姿をしている。宇宙の片隅で創造神と共に地球の今後を話し合った際に、人類を理解したうえで地球の存続を決めることになる。地球で死亡した獅子羽ミコに憑依し、彼女のフリをしながら生活していたが、のちにミコの人格が目覚めてしまう。合理性重視で、つねに理屈っぽく物事を考える。
創造神 (そうぞうしん)
全宇宙を統べる創造を司る神で、破壊神の片割れ。実年齢は人間基準で130億歳を超える。顔に丸マークを付け、白いクリオネのような姿をしている。宇宙の片隅で破壊神と共に地球の今後を話し合った際に、人類を理解したうえで地球の存続を決めることになる。地球で死亡した阿藤睦喜に憑依し、彼のフリをしながら生活している。合理性重視で、つねに理屈っぽく物事を考える。
クレジット
- 原作
書誌情報
でぃおてぃまにゅある ~神様たちの恋愛代行~ 全3巻 一迅社〈REXコミックス〉
第1巻
(2018-05-26発行、 978-4758067355)
第2巻
(2018-06-27発行、 978-4758067447)
第3巻
(2019-03-27発行、 978-4758067959)