神は遊戯に飢えている。

神は遊戯に飢えている。

細音啓の小説『神は遊戯に飢えている。』のコミカライズ作品。精霊や龍などが存在する世界を舞台に、人類最高の頭脳を持つフェイ・テオ・フィルスと元神様のレオレーシェが、神々の作った遊戯(ゲーム)「神々の遊び」に挑む姿を描いた頭脳戦ファンタジー。カードが飛び交う「自己紹介神経衰弱」、ビルよりも巨大な敵の攻撃を避けながら勝利条件の達成を目指す「神ごっこ」など、登場する遊戯には独自性があり、隠しルールを解き明かす推理要素も盛り込まれている。また、「神呪(アライズ)」と呼ばれる特殊能力を用いた攻防が描かれており、異能バトルさながらのアクションも楽しめる。神々の遊びの様子を映像として配信・収益化する組織が登場する点も特徴で、細音啓はDays「ラノベニュースオンライン」のインタビューで現実のeスポーツの流れを意識的に取り入れたことを明かしている。KADOKAWA「月刊コミックアライブ」2021年10月号から連載の作品。2024年4月1日から原作小説のテレビアニメがTOKYO MX、AT-Xほかにて放送。フェイ・テオ・フィルスを島﨑信長、レオレーシェを鬼頭明里が演じる。

正式名称
神は遊戯に飢えている。
ふりがな
かみはげーむにうえている
原作者
細音 啓
作者
ジャンル
ファンタジー
 
心理戦・頭脳戦
レーベル
MFコミックス アライブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
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霊的上位世界で催される大規模な遊戯(ゲーム)

「神々の遊び」は神と人の対戦遊戯で、霊的上位世界「神々の遊び場(エレメンツ)」で実施される。そのスケールは非常に大きく、大地の賢神タイタンとの遊戯「神ごっこ」はビル街を模した幻影都市で、無限神ウロボロスとの遊戯「禁断ワード」は無数の天空鯨(リヴァイアサン)が飛翔する雲海で行われた。基本的に人数制限はなく、神々の遊びを主催する神に対して、人はチームを組んで参加することができる。ただし、神々の遊び場の環境や細かなルールは、主催した神の気まぐれによって決まるという理不尽な仕様で、勝利条件や敗北条件すら不明の状態で遊戯が始まってしまうことも多い。なお、神々の遊び場での負傷が現実に影響を及ぼすことはないが、行動不能に陥ると脱落と見なされ、現実世界に強制送還されてしまう。

「神呪(アライズ)」を授かった「使徒」たちの特殊能力が勝利の鍵

神が主催する遊戯(ゲーム)「神々の遊び」には、「神呪」を授かった「使徒」だけが参加できる。神呪は神のみぞ知る基準で選ばれた者に与えられる超常の力の源泉で、肉体を強化する神呪の持ち主を「超人型」、魔法を使えるようになる神呪の持ち主を「魔法士型」と呼んで区別する。自己再生や空間転移など、使用できる能力には個性があり、これらの能力が神々の遊びでか細い勝利の糸を手繰り寄せる鍵となることも少なくない。神呪に由来する能力は霊的上位世界「神々の遊び場(エレメンツ)」でしか使用できないが、神々の遊びに勝利すると、現実世界でも能力を発揮できるようになる。また、勝利を重ねることで、より強大な力を現実世界でも引き出せるようになる。神々の遊びで10勝した使徒には「神の栄光(セレブレイション)」が与えられる。これは神が願いを叶えてくれる特典と噂されているが、三敗すると挑戦権を喪失するというシビアなルールがあるため、いまだに「完全攻略(クリア)」した者は現れていない。

秘境の開拓と「使徒」の管理を担う巨大組織・神秘法院

『神は遊戯に飢えている。』の世界の大半は未開拓の秘境が占めている。物語の主な舞台となる秘蹟都市ルインも荒野に囲まれた過酷な環境に位置している。ルインには秘境の開拓や、神が主催する遊戯(ゲーム)「神々の遊び」に挑む「使徒」の管理を担う巨大組織・神秘法院の支部が設置されており、主人公のフェイ・テオ・フィルスも同組織に所属している。神々の遊びの様子は世界中に配信され、その放送収益は開拓の資金源になっている。また、本来は霊的上位世界「神々の遊び場(エレメンツ)」でしか使用できない「神呪(アライズ)」に由来する能力を現実世界へ持ち出し、開拓の分野で役立てることも神秘法院の狙いの一つである。ちなみに、ルイン支部のダイヴセンターには神々の遊び場の入り口としての機能を備えた巨神像が五つある。これらは古代魔法文明の遺産であり、この時代の技術では再現できない。その維持補修代は使徒の年間契約金の50倍とされている。

登場人物・キャラクター

フェイ・テオ・フィルス

神秘法院ルイン支部に所属する黒髪の少年。神々と遊戯(ゲーム)で対決する「神々の遊び」の参加権にして、超常の力の源泉でもある「神呪(アライズ)」を保有する「使徒」で、不死に等しい再生能力「神の寵愛を授かりし(メイ・ユア・ゴッド)」の持ち主。遊戯好きで、ダイスの目の操作やカード配置の暗記など、さまざまな遊戯に応用できる技能を身につけている。この能力は名前すら知らない「お姉ちゃん」との遊戯で磨かれたもので、遊戯の楽しさも彼女から教わった。神々の遊びにデビューして3連勝を挙げている有望株で、神々の遊びを「完全攻略(クリア)」した暁には、どんな願いでも叶う「神の栄光(セレブレイション)」で、お姉ちゃんと再会しようと考えている。ある日、遊戯の実力と不死の能力を見込まれ、レオレーシェの指導役(チューター)に任命される。彼女との「自己紹介神経衰弱」で事実上の監視役であることを明かしてしまうが、互いに遊戯を心から楽しんでいる点で通じ合い、神々に挑む盟友となる。

レオレーシェ

永久氷壁で3000年も眠っていた元神様。愛称は「レーシェ」。外見は炎橙色(ヴァーミリオン)の長髪をなびかせた少女で、フェイ・テオ・フィルスに遊戯(ゲーム)の楽しさを教えた「お姉ちゃん」に似ている。遊戯好きで、実力も確かながら極度のうっかり者。氷漬けになっていたのも、居眠り状態で氷河期を迎えたからである。また、本来は炎と血の化身で、竜神に分類される存在だったが、人間と遊ぶために受肉したことで神に戻れなくなってしまった。現在は神秘法院ルイン支部の預かりだが、自由奔放なレオレーシェの存在は組織の悩みの種となっている。神々と遊戯で対決する「神々の遊び」を「完全攻略(クリア)」した暁には、「神の栄光(セレブレイション)」で神に戻ろうとしており、指導役(チューター)として充てがわれたフェイの素養を遊戯を通して見極め、パートナーに選んだ。なお、受肉状態でも力は人間を遙かに凌ぎ、1時間もあれば都市を抹消できる。現代知識は書物から得ているが、存在意義が理解できないとして下着を身につけず、フェイをどぎまぎさせている。

クレジット

原作

細音 啓

キャラクター原案

智瀬 といろ

書誌情報

神は遊戯に飢えている。 4巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉

第1巻

(2022-03-23発行、 978-4046812261)

第2巻

(2023-04-21発行、 978-4046824547)

第3巻

(2024-04-23発行、 978-4046835673)

第4巻

(2024-05-23発行、 978-4046836373)

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