エレベーターから始まる恋愛模様
新しい高校生活が始まった橘穂高が、心機一転張り切って入学式に向かおうと部屋のドアを開けると、隣人の早坂湊が目の前にいた。新しい人生のスタートであいさつに失敗したうえに、マンションのエレベーターに二人きりで閉じ込められてしまった穂高は、湊のある言葉で中学生時代のトラウマが蘇ってしまう。穂高は不安やパニックで泣き出してしまうものの、湊の励ましによって人生で初めての恋心を抱く。運命の出会いから始まった二人の不器用な恋愛模様や、トラウマを抱えながらも成長する穂高の姿が描かれる。
クールで優しいイケメン×トラウマを抱える女子高校生
ヒロインの橘穂高は、小学校時代に親の転勤の都合で引っ越し7回、転校4回を経験しており、転校先で友達づくりに失敗した苦い過去を持つ女子高校生。しかし行動力があり、前向きな一面を持つ。小学校時代に住んでいた街に戻ることになった穂高は、高校では新たな友人をつくりたいと張り切っているが、これまでも人間関係で空回りしがちだったことで不安を覚えていた。一方、穂高のとなりに住む早坂湊は、口下手で不愛想ながら他人を気遣う思いやりがあるクールなイケメン。エレベーターの密室でのトラブルをとおして、穂高は湊の意外な優しさに触れ、恋心を寄せるようになる。そんな湊は同じマンションに住む親友で、小学校時代の同級生でもある渡辺一清と、ある確執を抱えていた。
早坂湊の親友を巻き込む三角関係
中学2年生の頃から不登校が続いているクラスメート・渡辺一清は、小学生時代の橘穂高を何かとからかっていたガキ大将だった。そんな一清と早坂湊とのあいだには確執があり、穂高は一清から「湊を好きになるのはやめた方がいい」と忠告され、口ゲンカになってしまう。この口ゲンカが原因で、湊に恋心を知られてしまった穂高は後悔するも、玉砕覚悟であらためて湊に告白。湊からの返事が曖昧なまま、学校行事の宿泊オリエンテーリングが始まる。そんな中、穂高の励ましで不登校を乗り越えた一清は、小学生の頃から思いを寄せていた彼女への告白を決意する。そして穂高といっしょのグループに入った湊は、穂高と一清の過去を語り出す。同じクラスの隣人同士で始まった三角関係の行方や、空元気に振る舞いながら前向きな穂高が、持ち前の行動力で困難を乗り越えていく姿も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
橘 穂高 (たちばな ほだか)
とある高校に通う女子で、早坂湊の隣人にしてクラスメート。前髪を切りそろえた黒髪をロングヘアにしている。家の事情で幼少期から引っ越しを繰り返しており、中学時代に友達づくりに失敗して陰口を言われたことがトラウマとなり、中学時代の後半は不登校になった過去を持つ。高校進学を機に、小学生時代に住んでいた街に戻ってきた。母親は既に亡くなり、父親は海外赴任中のため、マンションに社会人の兄・橘岳と二人で暮らしている。入学式の朝、隣人でクラスメートでもある湊と運命的な出会いを果たすが、エレベーターが故障して閉じ込められてしまう。この時に過去のトラウマを思い出して泣いてしまうが、湊に優しい言葉で励まされたことで、彼に恋心を寄せるようになる。頑張り屋ながら空回りしがちで湊への告白も失敗するが、学校生活をとおして彼との距離を縮めていく。のちに湊の親友・渡辺一清から告白される。
早坂 湊 (はやさか みなと)
橘穂高と同じ高校に通う男子で、穂高の隣人にしてクラスメート。両耳に黒いピアスをしている。イケメンながらつねにクールで寡黙なため、不愛想に見えるが、実は優しい心の持ち主。入学式の朝、穂高とエレベーターに閉じ込められ、中学時代のトラウマが蘇って泣き出した穂高を優しい言葉で励ました。同じマンションに住む不登校がちな渡辺一清とは中学校時代からの親友同士だが、あるきっかけで確執を抱えたまま、彼から恨まれていると思い込んでいる。中学生時代に現在の街に引っ越してきて、孤立しがちだった時にクラスのガキ大将だった一清から話しかけられたことで友人となった。一清と穂高の口論から穂高の思いを知り、その後に穂高から告白される。好きなスイーツはティラミス。
書誌情報
どうせ泣くなら恋がいい 6巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2023-04-25発行、 978-4088447780)
第2巻
(2023-07-25発行、 978-4088448053)
第3巻
(2023-11-24発行、 978-4088448183)
第4巻
(2024-03-25発行、 978-4088448725)
第5巻
(2024-07-25発行、 978-4088448862)
第6巻
(2024-10-24発行、 978-4088430577)