どぶ

どぶ

リストラされた元サラリーマンが、どん底の状態から風俗業界でのし上がっていく姿を描いたサクセスストーリー。

正式名称
どぶ
ふりがな
どぶ
作者
ジャンル
水商売
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概要・あらすじ

サラリーマンの岩田政次は部下の岡村三上に誘われ息抜きに風俗で遊んだが、それを不景気によるリストラ人員を選別中だった会社に知られ、クビになってしまう。すべては、自分たちがリストラされないようにするために岡村と三上が仕組んだ罠だったのである。妻子に逃げられ社宅を追い出され、すべてをなくした岩田は、風俗店「ピンクバニィ」のボーイとなる。

この「どぶ」のような場所から這い上がるため、岩田の厳しい戦いが始まる。

登場人物・キャラクター

岩田 政次

入社して20年、営業課主任を務めていた42歳の男性。妻と娘がいる。営業成績も良く部下思いな社員だったが、リストラ人員を探していた会社に、風俗に行ったことを理由に解雇されてしまう。仕方なく風俗店の中では給料のいい「ピンクバニィ」にボーイとして入店する。

岡村

岩田政次が務めていた会社の元部下。眼鏡をかけたひょろりとしたごく普通の男性だが、かなり腹黒い性格。各課から1人リストラ人員を出すという情報を得て、三上とともに岩田を風俗に誘い罠にはめた。岩田が風俗店「ピンクバニィ」のボーイになってからは「ピンクバニィ」によく顔を出し、岩田に毎回割引を要求する。最初は岩田の手引きでサヤの客になるが、のちに新人のまゆかをひいきにするようになる。

三上

岩田政次が勤めていた会社の元部下。背はやや低く、がっしりした体形の男性。各課から1人リストラ人員を出すという情報を得て、三上とともに岩田を風俗に誘い罠にはめた。岩田が風俗店「ピンクバニィ」のボーイになってからは「ピンクバニィ」によく顔を出すようになる。

ケンジ

風俗店「ピンクバニィ」の若いボーイ。明るい色の髪を肩ほどまで伸ばした軽い感じの男性。店長やフロアレディには愛想がいいが、新人として入った岩田政次を「オッサン」と呼びバカにしている。店のフロアレディと付き合っている。

鮫田 竜次郎

風俗店10店、ラウンジ・パブ5店を経営する「シャーク興業」の25才の男性オーナー。風俗店「ピンクバニィ」のオーナーでもある。レストランや居酒屋にも進出予定で、その勢いから付いたあだ名が「ミナミの信長」。白いスーツにオールバック、眼鏡をかけた伊達男。店の前を掃除するのに水を撒いただけで水の無駄遣いだと当時の「ピンクバニィ」店長をクビにするなど、わずかな無駄も嫌う苛烈な性格。 仁義も何もないやり方で、業界では嫌われている。

鯵沢 (あじさわ)

風俗店「ピンクバニィ」の店長。パンチパーマにそり込みを入れたがっしりした体形の中年男性。もともとはチーフとして働いていたが、前店長がオーナーの鮫田竜次郎の不興を買ってクビになったため、急遽店長に昇進した。

サヤ

風俗店「ピンクバニィ」のフロアレディで、ショートカットの大人っぽい美人。岩田政次に何かと肩入れして手助けし、「オッチャン」と呼び慕っている。店内恋愛が禁止されているなか、自由恋愛だと岩田と付き合い始め、シャーク会議の情報を与えてもっと上を目指せと岩田を鼓舞する。

岸辺

風俗店「ピンクバニィ」をはじめ、「シャーク興業」の所持する店の多くを任されている営業部長。背が低く、ずんぐりとした体形の男性。相当な切れ者で、「ミナミの信長」に対して「ミナミの秀吉」と呼ばれる「シャーク興業」のナンバー2。巧みな話術で店の女性たちやボーイのやる気を引き出すやり手で、オーナーの鮫田竜次郎が成功しているのは、半分は岸部の力によるものだとささやかれている。

留吉

無精ひげを生やした汚らしい中年のホームレス男性で、段ボール生活を送っている。鯵沢に頼まれて岩田政次がさぼらないか見張っていた。自分も元サラリーマンだったことから、鯵沢にいびられる岩田を他人ごととは思えず、彼を助けるためのアドバイスを送る。

コージ

風俗スカウトマンの若い男性。ギャラ次第でどんなレベルの女性も探し出してくる、確かなスカウト能力の持ち主。鯵沢と懇意にしており、風俗店「ピンクバニィ」に即戦力になる女性を求められた際には、まゆかを紹介した。

こまち

秋田出身、26歳のバツイチ女性。黒髪で眼鏡をかけた地味な女性で、風俗で働くことに対しても最初は尻ごみしていた。一方で、口技の技術には天賦の才があり、岸辺にも実力を認められ風俗店「ピンクバニィ」にフロアレディとして入店した。「佐々木」の名前で応募したが、店では「こまち」を名乗っている。同時入店のまゆかに客を奪われたことで、騒動を巻き起こしてしまう。

まゆか

コージのスカウトによって発掘された18歳の女性。容姿もテクニックもトップレベルで、店長の鯵沢にナンバー1の期待をかけられ、風俗店「ピンクバニィ」にフロアレディとして入店した。本名は「清美」だが、店では「まゆか」を名乗っている。岩田政次と懇意にするサヤの客を奪ったり、こまちの客を奪ったりと、トラブルメーカー的な人物。

目高 清 (めだか きよし)

鯨岡が風俗店「ピンクバニィ岸間田店」に送ったコンサルタント。はげ頭で、眼鏡をかけた冴えない外見の小男だが周辺のリサーチを綿密に行い、コンサルタントとしては優秀。再生のため、「ピンクバニィ岸間田店」をホンバンOKの店にするように、岩田政次に進言する。

鯨岡 (くじらおか)

「シャーク興業」南大阪地区の部長補佐を務める、坊主頭の貫禄のある男性。風俗店「ピンクバニィ岸間田店」も鯨岡の管轄であり、新店長になった岩田政次のもとへ目高清を派遣し色々と指図する。

ピエール安弘

小太りで、一部だけ伸ばした髪を後ろで束ねたオタク風の中年男性で、風俗ライターを生業としている。目高清と懇意にしており、金次第でどんな店でも客を呼べる記事を書く。風俗店「ピンクバニィ岸間田店」からも大金をもらったため、ホンバンOKであることを示唆したり、美人ではないリサのことも「小○栄子似の巨乳」と書くなどして店は大繁盛した。

リサ

風俗店「ピンクバニィ岸間田店」のフロアレディ。ホンバンOKの店にするという岩田政次の意向に素直に従い、ライターとして訪れたピエール安弘にもホンバン行為を含むサービスをした。美人ではないものの、巨乳なことからピエールの記事では「小○栄子似の巨乳」とされている。

信二

風俗店「ピンクバニィ岸間田店」の若いボーイ。眉が太くいかつい風貌の男性。岸間田署による一斉検挙を事前に嗅ぎつけ、岩田政次に知らせた。何かとよく気が付く性格で、のちに岩田に信用され店を任されることとなる。

ナツミ

デリサロを営む「ロックカンパニィ」のライバル、「KSクラブ」のデリヘル嬢。髪が長く若い美人。客の岡村に賃金や待遇などを詳細に尋ねられたため、引き抜きを受けたと元締めのヤクザの事務所に報告する。

鯖江 光太郎

デリサロを営む「ロックカンパニィ」がある隣県で、風俗店を経営する「鯖江コーポレーション」の取締役。少し長めの黒髪を後ろで束ねた、清潔感のある若い男性。岩田政次の運転する車と事故を起こした会社の責任者で、事故により入院した岩田のもとへ訪れ、入院費など金銭的な補償のすべてを申し出る。それと同時に「ロックカンパニィ」に対して自らの会社の傘下に入るよう持ちかける。

永島 大志

交通事故で胸を打って入院中の岩田政次と同室の老人。学者風の佇まいで、いつも背筋を伸ばして難しそうな本を読んでいる。看護師の若い女性に金銭を渡して、夜中にこっそりと性的なサービスを受けており、このことを知った岩田が老人専門のデリヘルを思いつくきっかけとなった。

黒部 益美

老人専門デリヘルとなった「ロックカンパニィ」に応募してきた元看護師の女性。やや長めの黒髪に眼鏡をかけた大人しそうな外見の25歳。前職が看護師だったことを活かし、プレイ後の老人の健康診断をしている。

西田

「ロックカンパニィ」の従業員たちが常連客と訪れた温泉宿で一緒になった工務店の男性。はげ頭に眼鏡をかけた、腰の低い穏やかな性格。自分たちが社員旅行で訪れた温泉には芸者もコンパニオンもいなかったことから、岩田政次に「ロックカンパニィ」の女性たちを貸し出して貰えないかと持ちかける。この件をきっかけに岩田は温泉地での出張コンパニオンサービスを思いつく。

集団・組織

シャーク興業

オーナーの鮫田竜次郎が「PB(ピンクバニィ)チェーン」などを経営する会社。鮫田以下、営業部長に岸田、営業補佐に鯨岡など5人の重役が在籍する。さらにその下に各店の店長がいる。半月に一度行われるシャーク会議での有用な意見を採用し、資金を貸し出して事業を行わせるなどの経営手法でその勢力を伸ばしている。

ロックカンパニィ

シャーク会議でのアイディアが認められ、岩田政次が始めたデリサロの会社。売り上げの2割をシャーク興業に納めている。営業成績が好調なことから、同業の「KSクラブ」や隣県で風俗店を経営する「鯖江コーポレーション」からも注目されている。のちに入院時にヒントを得た岩田が、老人専門のサービスも始める。

場所

ピンクバニィ

「シャーク興業」の「PB(ピンクバニィ)チェーン」の一店舗で、大阪ミナミにある。女性が口や手を使って抜く風俗で、ホンバン行為はナシ。会社をリストラされた岩田政次が、他の店より高い25万円という給料に釣られてボーイとして勤めることになった店。40分8000円で前金制の明朗会計が売り。

ピンクバニィ岸間田店

「シャーク興業」の「PB(ピンクバニィ)チェーン」の一店舗。大阪府の岸間田市にあるが、ひどいボッタクリ行為で客足が遠のき、潰れる寸前だった。フロアレディも2人しかおらず内装もボロボロで、それを隠すために店を真っ暗にして営業していた。店長を任された岩田政次が40分7000円の前金制の店にするなど、数々のアイディアで繁盛店になる。

その他キーワード

シャーク会議

鮫田竜次郎が半月に一度開催する会議。「PB(ピンクバニィ)チェーン」の従業員の中で新しい商売を始めたい者の計画を聞き、オーナーや幹部が認めた場合、金を出資するというもの。岩田政次は一度は「ピンクバニィ岸間田店」の店長の座についたことで満足していたが、サヤにもっと上を目指せと焚きつけられ、この会議に新商売のアイディアを持って参加した。

デリサロ

デリヘルに付加価値を付けた風俗。「デリバリーサロン」の略で、女性2人と酒をホテルに派遣するサービス。「土地勘はないが女性と軽く飲みたい」という出張族を取り込むのが狙い。酒だけで終わる客にはその料金、その後のエッチな行為を求める客にはまた別料金でサービスを提供する。教育県で風俗の取り締まりの厳しい北陸のI市はデリヘル激戦区であり、そこに打って出るために岩田政次がシャーク会議で提案した新商売のアイディア。

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