ネオン蝶

ネオン蝶

幼い頃から水商売の女性・ネオン蝶に憧れていた吉田桜子が夢を叶え、東京・銀座の地で成功を摑むまでの姿を描いたサクセス・ストーリー。憧れだけで水商売の世界に飛び込んだ桜子が、悩みつつも大きく羽ばたいていく姿がシリアスに描かれている。

正式名称
ネオン蝶
ふりがな
ねおんちょう
原作者
倉科 遼
漫画
ジャンル
水商売
関連商品
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概要・あらすじ

田舎街で育った吉田桜子は、小学校の時に東京からやって来た佳代の美しさと華やかさに憧れを抱く。実は佳代は東京のホステスであり、いずれは自分も佳代と同じように夜のネオン街で働いてみたい、と希望を抱くようになる。19歳になった桜子は、上京して憧れであったホステスにはなったものの、仕事にはなかなか慣れずにいた。

しかし客とのトラブルや、さらに予期せぬかたちで処女を喪失するといった経験を通し、水商売の女性・ネオン蝶として強く生きていくことを決意する。

登場人物・キャラクター

吉田 桜子 (よしだ さくらこ)

19歳の誕生日に田舎から上京した少女。ホステスになることを夢見ていた。ホステスに憧れるようになったのは、小学3年生の頃に、桜子の母の妹である佳代に会ってから。その理由は、佳代が田舎の桜子の家を訪ねて来る際は常に美しく着飾っており、珍しいおもちゃやお土産、服などをくれたことがきっかけである。母親の死後、父親には愛人がいることを知り、佳代を追いかけるように上京。 池袋界隈にある佳代のスナックで働く。低賃金でいいように使われ、佳代の借金返済を待ってもらう代わりに、金融業オーナー・大黒に処女を奪われてしまう。このことをきっかけに、これまでの自分を捨てて完全に夜の仕事の女になることを決意。いつかは銀座のクラブホステスになるという目標を立てる。 その後、山崎拓に襲われそうになったところを、助けてくれた松嶋に恋心を抱くものの失恋。心機一転のため、夢である銀座でホステスに挑戦することになる。

佳代 (かよ)

吉田桜子の叔母。桜子の母の実妹で、美しく派手な外見をしている。桜子が小学生の頃から東京でホステスをしており、特に銀座のクラブでは有名な女性だった。そして30歳で池袋界隈に自分のスナックを開業。自分の店では桜子をはじめ、従業員には「ママ」と呼ばれている。桜子の容姿を認めており、高校を卒業したら自分のスナックを手伝って欲しいと依頼し、何も知らない桜子にホステスのイロハを教えた。 上京するまでは、桜子も佳代のことを優しく聡明な女性だと思っていたが、世間知らずの桜子を安くこき使うなど、冷酷で打算的な性格をしている。実は自分のスナックの売り上げが悪いため借金があり、返済を待ってもらう代わりに、桜子の処女を金融オーナー・大黒に捧げた。 のちに松嶋に失恋をして落ち込む桜子に、銀座でホステスになることを勧め、知り合いの真紀を紹介した。

松嶋 (まつしま)

バーテンダーをしている29歳の青年。佳代が営むスナックと同じ建物内のクラブ「モンテカルロ」に勤めている。故郷に吉田桜子と同じ歳の妹がいる。スナックの閉店後、1人でいた桜子が山崎拓に襲われそうになっていたところを助けた。真面目で男らしい性格で、仕事にもプライドを持って取り組んでいる。その真摯な姿に桜子が惚れ、片想いをするようになる。

山崎 拓 (やまざき たく)

佳代の内縁の夫である男性。佳代の店のバーテンダー兼マネージャーとして働いている。吉田桜子が上京したばかりの頃は、佳代とは内縁ではなく、正式な夫婦だと勘違いしていた。出会った当初、桜子には「タクさんと呼んで」と声をかけるなど気さくに振る舞っていた。しかし、実は若い桜子の身体を狙っており、佳代のいない隙を見計らって襲おうとするなど卑劣な人物。

大黒 (だいこく)

金融業を営んでいる中年男性。脂ぎった顔に薄い頭皮、太目の体型にタバコ臭い息と、典型的なオジサンの容姿をしている。佳代のスナックが改装する際に2000万円を貸しており、支払いが滞っているので督促している。佳代から、吉田桜子の処女を、借金の返済の一部にしてもらえないかと持ちかけられ、その申し出を受ける。結果的に桜子を強引にものにしたものの、その後は桜子の人柄と身体に惹かれ、佳代のスナックに毎晩桜子を指名しにやって来るようになる。 桜子に好きになってもらうため、高級ブランドの指輪などを貢いでいる。

岡本 (おかもと)

恰幅の良い男性会社員。会社では重役を務めている。古くから佳代と付き合いがある。20年来の腐れ縁であり、現在でも定期的に佳代の店に通っている常連。佳代からは親しみを込めて「岡本ちゃん」と呼ばれている。佳代との間には肉体関係もある。

新条 (しんじょう)

岡本の会社の部下で、25歳の独身青年。岡本から非常に期待を寄せられており、古くからの付き合いである佳代の店に連れて来られた。新条自身は、銀座のクラブやスナックなど夜の街の遊びについてはあまり知らないため、敷居が高いと感じている。まだ新人である吉田桜子に親近感を抱き、スナックが休みの日には東京を案内するなど、親しい間柄になる。 一度だけ桜子と肉体関係を持ち、正式な恋人になってほしいと追い続けているうちに、独占したいと思うようになる。以降、桜子につきまとうようになるが、桜子としては不本意であった処女喪失の記憶を少しでも忘れてしまいたいだけで、新条に対して恋愛感情はない。

真紀 (まき)

銀座でクラブを経営する女性。店では「真紀ママ」と呼ばれている。しっとりとした大人の女性といった雰囲気を漂わせている。温厚で優しい性格ながらホステスとしてのプロ意識が高く、接客には厳しい。かつて銀座で佳代と同じクラブで働いており、仲が良かった。吉田桜子が銀座で働くにあたり、佳代が紹介をした人物。以降、桜子を自分のクラブで働かせることにした。

(じゅん)

真紀のクラブで働くホステスの20代の女性。店の中では吉田桜子と年齢が近く、何も知らない桜子の教育係を任されている。借金や家の事情ではなく、小さい頃から憧れだったホステスになった、と話す桜子に対して、浮ついた考えが気に入らないと、冷たくあたる。すれた性格をしており、高畠からは「夜の蝶ではなく蛾」と評されている。 桜子に一方的にライバル宣言をし、何かと張り合っている。

高畠 (たかはた)

真紀のクラブの常連客である40代の男性。銀座の老舗呉服店を経営しており、見た目も中身も洗練されている人物。若い頃から遊び人であり、川崎や武内とともに「銀座三銃士」と呼ばれていた。かつて、銀座でホステスをしていた佳代に惚れ込んでいたが、口説けずに終わった過去がある。そのため、当時の佳代の面影のある吉田桜子を指名し、かわいがっている。 高畠本人は夜の遊びが好きなだけで、桜子をはじめ、ホステスの女性との身体の関係は望んでいない。3年前にガンで妻を亡くし、現在は独身。

川崎 (かわさき)

銀座の老舗テーラーで社長を務めている中年男性。若い頃から遊び人であり、高畠や武内とともに「銀座三銃士」と呼ばれていた。今ではすっかり落ち着いた雰囲気を持つようになったものの、夜の遊びはやめられずにいる。吉田桜子を気に入り、高畠と武内とともに、桜子をより美しくしようと計画している。桜子に服やアクセサリーをプレゼントし、高級レストランでのテーブルマナーなどを教えた。

武内 (たけうち)

銀座の花店で社長を務める中年男性。若い頃から遊び人であり、高畠と川崎とともに「銀座三銃士」と呼ばれていた。吉田桜子を気に入り、高畠と川崎とともに桜子をより美しくしようと計画している。水商売の世界では絶対必要だと、桜子にゴルフを教えた。

盛田 (もりた)

銀座界隈を中心に、都内にいくつものビルを所有する70代の男性。周りからは「盛田会長」と呼ばれている。ゴルフ場で武内らと一緒にいたところで吉田桜子と出会い、興味を持つ。銀座でホステスをしていた頃の佳代も知っており、佳代の店に通うようになり、桜子を指名する。

桜子の母 (さくらこのはは)

吉田桜子の母親。妹の佳代とは正反対で化粧気もなく、地味な見た目をしている。昔から病弱で、桜子が15歳の春に、子宮ガンで亡くなっている。桜子の父親とは昔から関係が破たんしており、夫に愛人がいることも知っていた。

クレジット

原作

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