概要・あらすじ
天才スプリンターの兄藤井隼人を事故で失った藤井雅斗。鎌倉海邦高校に入学した彼が早朝のランニング中に出会った天真爛漫な少女・なぎさ(紺野凪沙)は、大分県からスポーツ特待生として入学してきた天才的な長距離走の素質を持っていた。共に陸上部に入部するが、なぎさ(紺野凪沙)は1年生のうちから驚異的な成績を収めていく。
素直に好意を口にする彼女に、藤井雅斗は戸惑いながらも惹かれ始める。兄を慕い、短距離を続けて来た藤井雅斗だったが、成績は伸び悩む。そんな中、コーチの飯塚は彼に中距離への転向を勧める。
登場人物・キャラクター
紺野 凪沙 (こんの なぎさ)
『なぎさMe公認』の主人公の1人。セミロングの髪を後ろで束ねた小柄な少女。初登場時は高校1年生。大分県のK郡出身。故郷で野山を駆け巡ることで鍛え上げられ、陸上の長距離選手として天才的な才能を得た。スポーツ特待生として神奈川県の鎌倉海邦高校に入学した。天真爛漫で社交的な性格。反面、天然ボケ気味で、場の空気の読めない面もある。 一度見た人の顔を覚えるのが特技。藤井雅斗の家が経営しているアパートに住む。実家は老舗旅館・紺野で、五人姉弟の長女。母の紺野浪江(旧姓・青木)も若い頃は優秀な陸上競技選手で、藤井雅斗の母・藤井佳奈恵(旧姓・津本)とライバル同士だった。 同い年の藤井雅斗を「まーくん」と呼び、走る事を通してお互いに惹かれ合う。 彼が大江由紀子からの告白を受けた時に彼への好意をはっきり自覚し、その後無くてはならない存在となる。
藤井 雅斗 (ふじい まさと)
『なぎさMe公認』の主人公の1人。初登場時は高校1年生。神奈川県出身で地元の鎌倉海邦高校に入学し、母・藤井佳奈恵が顧問を務める陸上部に入る。中学時代は短距離(100m)の選手で、兄で天才スプリンターの藤井隼人と共に400mリレー競技で全国大会に出場するが、本番で大きなミスを犯してしまう。 高校入学後も100mで優秀な記録を刻むが、コーチに就任した飯塚の勧めにより、中距離(800m)に転向する。亡くなった兄・藤井雅斗を追いかけてきたことから、初めは短距離へ執着していたが、宮里茂樹らライバル達と鎬を削りながら力を付けていく。兄の藤井隼人と付き合っていた大江由紀子に片思いをしていたが、陸上部のチームメイトとなったなぎさ(紺野凪沙)に惹かれていく。 しかし次々に優秀な記録を出し続ける彼女に対して、素直に想いを伝えられずにいた。精神的に脆い面があり、葛藤に苦しむこともあるが、なぎさ(紺野凪沙)の一途な姿や飯塚の厳しい指導に助けられながら成長する。後に黛孝成の後任として陸上部主将になる。
牧野 ちとせ (まきの ちとせ)
ショートヘアーで身体が大きな少女。口下手でシャイ。初登場時は鎌倉海邦高校に入学。藤井雅斗の同級生。入学時に出会ったなぎさ(紺野凪沙)の後を追うように陸上部に入り、砲丸投げの選手となる。初めは練習についていくのがやっとだったが、なぎさの励ましもあって1年生にして地区予選代表の座を手に入れる。 なぎさ(紺野凪沙)の1番の理解者。
大江 由紀子 (おおえ ゆきこ)
ロングヘアーの少女。初登場時は高校2年生で藤井雅斗の1歳年上。聖ロザリオ女子学院の学生。藤井雅斗の亡くなった兄・藤井隼人の恋人だった。藤井雅斗が高校に入学した後、彼に告白するがすぐにすれ違いを感じるようになる。
黛 孝成 (まゆずみ たかなり)
長い茶髪にピアスをした男子。初登場時は高校2年生で、鎌倉海邦高校の陸上部に所属し、藤井雅斗、なぎさ(紺野凪沙)の1学年先輩。短距離(100m)の選手。当初はサボってばかりだったが、優れた素質を持ち、走るフォームの研究・分析に加え自宅でもトレーニングを熱心に行っている。 本番では力を出し切れない弱点がある。かつて同学年の藤井隼人を目標としていたが、弟・藤井雅斗を大嫌いだという。兵庫県の中学出身で、宮里茂樹、宮里リエ兄妹とは顔馴染み。後に黒沢直巳の後任で陸上部主将になる。
宮里 リエ (みやさと りえ)
ショートヘアーの少女。初登場時は高校1年生で、兄・宮里茂樹と共に稲村浜高校の陸上部に所属している。兵庫県出身で、関西弁を話す。勝気で負けず嫌いな性格。初の対外試合・5校戦でなぎさ(紺野凪沙)と3000mで対戦して以来、彼女を激しくライバル視する。また、鎌倉海邦高校陸上部の藤井雅斗を好きになり、恋愛の面でもライバルとなる。
宮里 茂樹 (みやさと しげき)
初登場時は高校2年生。兵庫県出身で、妹・宮里リエと共に神奈川県の稲村浜高校の陸上部に所属する。中距離(800m)選手。鎌倉海邦高校の藤井雅斗の1学年先輩で、彼が短距離から中距離に転校して以降、ライバルとなる。藤井雅斗の中距離ランナーとしての素質を早い段階で見抜いており、競いながらも惜しみなくアドバイスをし、共に練習に励む。 なぎさ(紺野凪沙)に好意を持つようになる。
本田 勝一 (ほんだ かついち)
顎に無精髭を生やした男性。神奈川県警の警察官で、白バイ隊員。公道での取り締まり中になぎさ(紺野凪沙)の驚異的な走りを見て彼女のファンになる。藤井雅斗をなぎさ(紺野凪沙)の兄と誤解している。大会開催地が遠方でも有給休暇を取ってまでなぎさ(紺野凪沙)応援にかけつけ、彼女が出場した第1回神奈川女子ロードレースでは念願の先導を勤めた。
藤井 隼人 (ふじい はやと)
藤井雅斗の1つ年上の兄。中学時代、「群青の隼」と呼ばれた短距離の天才スプリンター。鎌倉海邦高校に特待生として入学が決定していたが、交通事故で死亡した。
黒沢 直巳 (くろさわ なおみ)
角刈りで厚い唇、長身の男子。初登場時は鎌倉海邦高校の3年生。藤井雅斗が入学した時の陸上部男子主将。短距離(100m・200m)の選手。同じ短距離選手である1学年下の黛孝成、2学年下の藤井雅斗らの能力を認めながらも、自分自身のインターハイ出場に拘る。
飯塚 (いいづか)
パンチパーマの男性。帽子・黒眼鏡姿が多い。鎌倉海邦高校陸上部コーチ。藤井雅斗の母・藤井佳奈恵の元教え子。学生時代中距離の選手で「鎌倉の超特急」と呼ばれた。藤井雅斗の素質を見抜き、短距離から中距離への転向を促す。栄養士の資格を持つなど経験と知識の裏付けを持っているが、その指導法は一見型破り。
珠堂 美冴 (すどう みさ)
お嬢様風だが勝気な少女。初登場時は高校2年生で東京都・聖桜学園の陸上部員。小・中学校時代はヴァイオリンで優秀な成績を収めていたが、長距離選手として頂点を目指す。鎌倉海邦高校陸上部のコーチ・飯塚を通じてなぎさ紺野凪沙、藤井雅斗を自身の誕生パーティーに招待し、なぎさ(紺野凪沙)にライバル宣言をする。 優雅さを重視し音感を活かした独特のリズムで走り、周囲のペースを狂わせる。
生駒 玲司 (いこま れいじ)
長髪で太い眉の男子。初登場時は高校2年生。中距離(800m)の選手。熊本県から選抜され、国民体育大会で宮里茂樹、藤井雅斗と対戦する。旺盛な闘争心を持ち、揉みあった時に力を発揮する。翌年には藤井雅斗とその後輩・仲田貴史らとインターハイで覇を争う。
仲田 貴史 (なかた たかふみ)
初登場時は高校1年生。鎌倉海邦高校で藤井雅斗、なぎさ(紺野凪沙)の1年後輩。中学時代は短距離で優秀な成績を上げていたが、当初は陸上部への入部を拒否。なぎさ達の説得で陸上部に入部し、なぎさに好意を寄せるようになる。藤井雅斗同様、中距離(800m)に転向し、彼を競技でも恋でもライバル視している。