概要・あらすじ
陸上の長距離ランナーとして将来を嘱望されていた檜山美園は、助っ人として参加した演劇部の公演で出会った他校の美しい少年・花堂朔耶と恋に落ちる。やがて足の故障により陸上の道を断念することになった美園は、改めて演劇の道を志し、朔耶との恋に生きることを決意するが、同時に朔耶が実は女性であることを知ることになる。
登場人物・キャラクター
檜山 美園 (ひやま みその)
陸上部に所属する中学1年生で、長距離ランナーとして輝かしい成績を誇り、将来を嘱望されていた。走ることを楽しめずにいる状況に疑問を抱きながらも、美園の母に命じられるままに陸上に打ち込んでいたが、助っ人として参加した演劇部の公演、花堂朔耶との出会いを経て、自由に生きたいと思うようになる。 おとなしいが思慮深く、意志が強い。その美貌と美しい歌声により、演劇のコンクールでも高い評価を得る。
花堂 朔耶 (かどう さくや)
檜山美園が陸上の合宿で訪れた先で偶然出会い、後に演劇のコンクールで再会。偶然も含む数度の邂逅を経て美園を愛するようになる。外見は美少年だが、実は男装の女子。一の宮姫子の祖父の愛人の子で、一の宮家の財産を継げる条件を満たすべく、幼い頃から男子として育てられた。中学校で演劇部に所属し、姫子と二人で部内のトップスターをつとめている。 義兄にあたる一の宮啓介と仲が良い。
一の宮 姫子 (いちのみや ひめこ)
大学病院の院長の孫で、一の宮啓介の姪。祖父の愛人の子である花堂朔耶を恋人と呼び、その立場を利用して彼女を意のままにしようとする。高飛車でわがままな性格で、檜山美園を激しく敵視している。朔耶と同じ中学校で演劇部に所属。演劇には真剣に取り組んでおり、朔耶と二人で演劇界のトップに立つことを目指す。 ウェーブがかかったロングヘアが特徴。
美園の母 (みそののはは)
名は不明。檜山美園の母親だが、美園の父が美園の実母と別れた後の再婚相手であり、美園と血はつながっていない。美園の父はすでに死亡しているため、美園と二人暮らしである。プライドが高く、美園には陸上で好成績を維持することを厳しく要求し続け、彼女が演劇に関わることにも強く反対していた。 一の宮啓介と恋仲になる。
紗幸 (さゆき)
名字は不明。檜山美園の同級生で友人の女子中学生。演劇部に所属しており、美園が演劇に関わるきっかけを作った。友達思いで熱い性格。非常に涙もろい。
一の宮 啓介 (いちのみや けいすけ)
一の宮姫子の叔父。開業外科医で、自分のクリニックで檜山美園を診察した際に、彼女の足の故障を指摘した。後にクリニックを訪れた美園の母に一目惚れし、交際に至る。
朔耶の母 (さくやのはは)
名は不明。花堂朔耶の母で、一の宮姫子の祖父の愛人。凛とした性格の女性で、姫子の母をはじめとする一の宮家の人々から親子ともに冷遇されても臆することなく朔耶を守った。
部長 (ぶちょう)
氏名は不明。檜山美園の通う中学校の演劇部部長を務める。リーダーシップがあり、少々強引なところがあるものの、明るく人情味のある性格。黒のロングヘアが特徴。時折言葉遣いが古くさい。