なにかもちがってますか

なにかもちがってますか

身体に違和感を感じていたメガネの少年日比野光。中学三年のある日、中性的な顔の一社高蔵が転校してきた。日比野に空間入れ替え能力があることを知った一社は、世直しのために殺人をしようと日比野に持ちかける。「切り取って入れ替える」という日比野の能力にあわせ、タイトルがアナグラムになっていることが多い。また本のカバーの一部が切り取られた装丁で出版された。

正式名称
なにかもちがってますか
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なにかもちがってますか
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その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

身体に違和感を感じていたメガネの少年日比野光。中学三年のある日、中性的な顔の一社高蔵が転校してきた。日比野に空間入れ替え能力があることに気づいた一社は、世直しのために殺人をしようと日比野に持ちかける。屋上でこの話をしていた彼らの元に、不良の少年と、クラスの女子二人がやってくる。ところが一緒にいた少女の奥田優里が突如死亡する。

これを一社は、奥田の脳幹と地面を入れ替えた日比野の能力と判断。事故で人殺しをしたことに困惑する日比野は自首しようとする。しかし怯えていた彼の片想いの相手、鶴里純が何も知らずに、彼に助けを求めることで思いとどまってしまう。以降、携帯電話を使いながら運転している人を殺そう、など一社は世直しのために、日比野に能力を使うよう話を持ちかける。

そんなある日、サイコメトリングで空間の履歴を読み解く超能力者の少女、高岳似子がやってきて、強引に仲間になる。加えて刑事の桜山幹雄が手を貸し、世直しグループに参加。高岳似子の母殺しの復讐を手伝いながら、世直しの意味を4人は考えていく。

登場人物・キャラクター

日比野 光 (ひびの みつる)

常になにかぼんやりと違和感を感じている、メガネをかけた中学3年生の少年。新瑞橋恵理に慕われ、仲がいい。鶴里純に片想いをしている。転校生の一社高蔵に、空間を入れ替える能力があることを見ぬかれ、一緒に世直しのために人を殺そうと持ちかけられる。偶然の事故で奥田優里を殺してしまってからは、焦りを感じる。 ところが、それを遮るように一社高蔵が彼の超能力の使い方について話しかけ、能力的中率の訓練を受けた。その後携帯電話を使いながら車を運転する人間を殺して世直しをしよう、と言われ、世直し活動を始める。サイコメトリング能力を持った高岳似子と刑事の桜山幹雄が仲間になり、さらに流されるがままに「世直し」活動をすることになる。 起きている出来事に困惑しつつも他のキャラと比べて一歩引いた見方ができる。

一社 高蔵 (いっしゃ こうぞう)

日比野光の学校に転校してきた中学3年生。中性的な容貌で、女だと思われて尻を触られるのを極度にいやがる。日比野の空間入れ替え能力に気づき、彼に世直しのために人を殺すことを持ちかけた。携帯電話を使いながらの車の運転、ポイ捨てなど、小さな犯罪を罪だと思わない人間にの意識の低さを指摘。 他人の人権を犯す行為を取るものには人権はないため、処分してもかまわない、という考え方で世直しを日比野と開始。途中から加わった高岳似子のサイコメトリングも利用できる、ということで不本意な形で合流、さらに殺人を隠すことができる刑事の桜山幹雄とも一緒になり、4人で世直しをすることになる。 メンツが集まっても、常に自分の思想を中心に考えている。時々姉や高岳の突飛な行動に思わず叫んだりと、突発的な出来事に弱い。また「無駄な時間を使わない」という考えが行き過ぎて、自転車に乗れないなど常識はずれな一面もある。頭脳は極めてよい。

一社 春 (いっしゃ はる)

一社高蔵の姉。高校二年生の引きこもり。ネットで怪しい商売をして、お金は持っている。非常に高蔵にそっくりな外見で、見分けがつかない。「~ニャ?」など言葉遣いも変わっており、トンチンカンな行動を取ることが多く、高蔵も手を焼いている。宿が見つからずに困っていた高岳似子を気に入り、許可なしに宿泊させはじめる。

新瑞橋 恵理 (あらたまばし えり)

中学3年生の少女。日比野光にくっついてまわり、そこそこ仲良がいい。髪の毛の一部をピン留めで留めて上げているのが特徴。元気で明るい性格で、みんなにアダ名をつけて呼んでいる。その交友関係の広さから、学校のうわさ話を日比野光を伝えることもある。時折嫉妬した行動をしてみせるも、のれんに腕押しで日比野は気づいていない。 高校で日比野と同じ学校に行くのが目標。

高岳 似子 (たかおか にこ)

中学3年生。大きなツインテールをしており、死んだ奥田優里によく似ている。空間に残された履歴を読み解くサイコメトリングの超能力を用いることができ、日比野光と一社高蔵に「仲間にしてあげる」と高圧的な態度で協力をあおぐ。自分の母親を殺した人間に復讐するのが目的。 一社春に気に入られて、一社家に泊まりこむことになる。その後刑事の桜山幹雄が加入して4人で行動。一社高蔵の世直しとともに、復讐のための手がかりを探す。ぬいぐるみのオヤマをとても大事にしている。自転車に乗るのが好き。

鶴里 純 (つるさと すみ)

日比野光が片想いをしている、中学3年生。クラスでも目立つ美人で、とても真面目な少女。奥田優里が死んでから、あれは偶然の死ではなく、誰かに殺されたのではないかと疑い、日比野光に助けを求め、定期的に公園で会う約束を交わす。ある日、父親が交通事故で死んでしまい、落ち込みがひどくなる。 破滅願望と憎悪が次第にあふれ、奥田優里を殺した相手に復讐をしようと考える。町にやってきた新興教団に入団後、奥田優里を殺した犯人は一社高蔵だと教団の人間が言い始めたのを聞き、日比野光に彼を殺す手伝いを求めてくる。

奥田 優里 (おくだゆうり)

日比野光と一社高蔵が屋上で日比野の超能力について話していた時に、呼びに来たクラスメイトの中学3年生。大きなツインテールをしている。棚尾がナイフを持ちだして喧嘩になりそうになった際、日比野の超能力によって誤って脳幹を抜かれ、死んでしまう。

亀島 俊夫 (かめじま としお)

日比野光のクラスメイトで、気のいい不良の中学3年生。日比野光と仲がいい。学校を遅刻してきた際、転校してきた一社高蔵を女みたいだと言って激昂させてしまい、机で殴られそうになった。その時に日比野光の超能力が発動し、机の椅子が折れることで彼の能力を一社が知ることになる。 奥田優里が死亡したあと、落ち込んでいた日比野光に、気にするなと優しく声をかけている。また鶴里純の父親の葬儀にちゃんと顔を出すなど、義理堅い。新瑞橋恵理のことを、日比野光の「ヨメ」と呼んでいる。

桜山 幹雄 (さくらやま みきお)

40歳独身の刑事。日比野光、一社高蔵、高岳似子の企みを見抜いており、大量殺人をすでに犯していると知った上で、補佐する役割として名乗り出る。活動費として大金を与えて、4人で「世直し」を行うようにと言い出す。泊まりに来た高岳似子に朝食を作って準備しておくなど、マメな性格。

殺人犯

高岳似子が拾ったぬいぐるみを捨てた人間が、人を殺しているという空間履歴が残っているのをサイコメトリングで発見し、探すことになった人物。犯人は68歳の女性を家にあった包丁でめった刺しにしていた。また追ってきた高岳似子と日比野光を焼き殺そうとしている。

棚尾

日比野光と一社高蔵が世直しの話をするため屋上にいたところ、自分たちが使うからと追いだそうとする。一社高蔵が彼にケンカを売り、追いだそうとしたので、彼を殴り飛ばし、ナイフを取り出した。奥田優里死亡の目撃者。

中畑

日比野光と一社高蔵が世直しの話をするため屋上にいたところ、自分たちが使うからと追いだそうとした。奥田優里死亡の目撃者。

ポイ捨てをした男

日比野光と一社高蔵が世直しについて考えていた時、缶をポイ捨てした。小さな悪行が世を狂わせると考え、彼を殺そうとするも一度は失敗。その後高岳似子の協力で家を突き止め、日比野の能力で殺される。

教祖

20年前に誕生し、10年前くらいから勢力をのばしだした新興教団を作った。街で多発する殺人事件の不安心理につけ込むかのように、日比野光の住む町に支部を派遣。対面した相手のことをなんでも当てる能力を持っている。

その他キーワード

オヤマ

高岳似子が今もとても大事に持っている、お守り的なぬいぐるみ。同じぬいぐるみを、幼少期の一社高蔵が持っている写真がある。

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