概要・あらすじ
新たに発見された細胞遺伝子「DN・パイン」により、人類は老いることはなくなったが生殖機能を失ってしまった。これにより、新たな人類は凍結人工授精卵から生まれることになったが、その際に染色体異常により超能力を持った子供が生まれるようになる。彼らは自分の力を欲望のままに使い、街中で暴走する事態が発生する。そこで戸田月が所属する女性戦闘集団「セブン・マザーズ」に、暴走する子供たちの殺害が任務として伝達されるのだった。
登場人物・キャラクター
戸田 月 (とだ るな)
女性戦闘集団「セブン・マザーズ」の1人。組織のリーダー的存在で、凍結受精卵から生まれた子供たちを殺す作戦を止めようと奔走する。息子である戸田隼十に対しては、彼が戦闘で死なないように、厳しい態度で接することが多い。
戸田 隼十 (とだ はやと)
戸田月から自然出産で産まれた息子。感情的で、母親の言うことにはつい反論してしまう幼さを持っている。凍結受精卵から生まれた子供と違って感受性が豊かで、痛みや辛いことがあれば自然と涙を流す。超能力を持つ子供たちと共存できる道を模索するなど、理想主義者でもある。
エイドリアン・ミルズ (えいどりあんみるず)
女性戦闘集団「セブン・マザーズ」の1人。戸田月をサポートする立場にあり、「セブン・マザーズ」内においても足りないものをフォローする役回りを担う。シグマの母親。
シグマ
エイドリアン・ミルズから自然出産で産まれた息子。人懐っこい性格で、反発ばかりする戸田隼十に対しても積極的に話しかける。アレルギー体質で、隼十やエイドリアンからもその体質をいじられている。アレルギー体質から、自分のことを「デリケートな人間」と思っている。
ナオミ・クレー (なおみくれー)
女性戦闘集団「セブン・マザーズ」の1人。リーダーである戸田月とは対照的に、人工授精卵から生まれた子供たちを抹殺することを推進する女性。残虐非道のように見えるが、殺した子供と一緒のベッドで寝るなど、子供たちに特別な愛情を持っている。
アイス
ナオミ・クレーから自然出産で産まれた息子。特殊な病気「ニンジャ」に母体感染しているため、余命は長くない。本人もそのことをわかっているので、自暴自棄に近い行動を取ることが多い。しかし、ナオミの「生きてほしい」という言葉もあり、自問自答を繰り返している。寡黙で、行動で気持ちを示すタイプ。
ショート
女性戦闘集団「セブン・マザーズ」の1人。血の気が多く、任務中に戸田隼十と対峙した際には、相手が誰であるかを認識したうえで、戦闘行為にまで及ぶ。背丈が小さいことを気にしている。
ラン
ショートから自然出産で産まれた息子。体が大きく、性格も母親に比べると落ち着いている。よくイヤホンを耳に付けているためか、人の話を聞かない傾向がある。仲間からもいいように力仕事を押し付けられることが多いが、基本的に聞き流している。
べネフェイク
フレデリカ・ホーモンから自然出産で産まれた娘。母親から虐待を受けており、自殺願望から自傷行為を繰り返している。戸田隼十たちと出会うことにより、自分が生きることに対して少しずつ前向きに考えられるようになっていく。基本的にひねくれた性格で、単独行動することが多い。
クロウ
超能力を使う少年たちと一緒に暮らしている50代の男性。「DN・パイン」を体に投与せずに、街でロック歌手として活動を続けている。年齢に応じた落ち着きを見せ、老いることに独特の美学を持つ大人な存在として、戸田隼十たちと関わることになる。
ウィザード
人工授精で作られた青年。生まれた時から「天才」と言われているが、人間的な感情を持っておらず、血が出ていても一切痛みを感じない。戸田隼十と出会うことで、人間的な感情を持ち始める。冷徹で無機質な性格だったが、次第に喜怒哀楽を見せるようになる。
福田 (ふくだ)
アイネアスを作成した科学者。普段は人工授精で作られた子供たちと過ごしている。アイネアスを「救世主」として完成させることで、今の世界を崩壊させることを目論んでいる。人と話すのは苦手な性格で、よく言葉を詰まらせる。
集団・組織
セブン・マザーズ (せぶんまざーず)
戸田月、エイドリアン・ミルズ、ナオミ・クレー、ショート、ジャッキー・カスガイ、クラッカー、フレデリカ・ホーモンで構成されている7人の女性戦闘集団。すべてのメンバーが自然出産を経験しており、凍結受精卵の提供者でもある。「DN・パイン」を投与されているが、彼女たちには効果がないことが実証されている。
その他キーワード
DN・パイン (でぃーえぬぱいん)
人類が発見した新たな細胞遺伝子。体に投与することで老いることはなくなるが、代償として生殖機能を失ってしまう。だが、自然出産を経験した女性には効果がないことが、女性戦闘集団「セブン・マザーズ」により実証されている。現在では、子供は凍結受精卵から人工的に生み出すことになっており、生まれた子供たちにも「DN・パイン」が投与される。
アイネアス
福田とウィザードによって研究・開発が進められた兵器。自然出産で生まれた子供たちに反応する兵器だが、現状では操作方法がシステムとして明確にされておらず、ウィザードと福田によってさらなる研究が続けられている。